エルニーニョが始まったみたい2018/11/09

平成のエルニーニョ
あと半年足らずで平成が終わります。昭和後半から生きてきた自分にとって、近ごろは極端な天気が多いなぁとしみじみ。

さて、天候を見定めるひとつの指標になるエルニーニョ現象が、この10月から発生したとの報告が気象庁より発表されました。数ヶ月ほど停滞気味だった海水温の基準差でしたが、10月は一気にプラス0.9度になったとのこと。左図は平成元年(1989年)から今年までの海面水温基準値差グラフ。5ヶ月移動平均で均した赤線を見ると、総じて基準値より高めの傾向が多かったようですね。

平成最初のエルニーニョは1991年春にスタートしました。前回のエルニーニョ期間は2014年7月から2016年4月まで。エルニーニョの開始月は概ね春から初夏が多く、1950年以降に発生した20回ものエルニーニョの中で、9月以降の開始になったのは1968年10月(17ヶ月間)、1977年11月(2ヶ月間)、1979年9月(4ヶ月間)、1986年9月(17ヶ月間)の4回のみでした。平成では今回が初めてなのです。

エルニーニョとACEの変化
今日までに発表されていた台風ベストトラックについても計算し、ACE値(熱帯低気圧積算エネルギー)の月集計を海面水温基準値差グラフに重ねたのが右図です。台風は1年周期性があるので完全に連携するわけではないですが、遠目に見るとエルニーニョが多い時期には台風エネルギーも多くなる傾向にあるようです。(※一概に発生数が多いと言うことではありません。台風個別の最大風速値や活動期間の長さも関係します。)

今回発生したエルニーニョがいつまで続くのか見当も付きませんが、あまり平成ならぬ「平静」でなかった今までに代わり、次の年号が穏やかに過ぎてくれるよう祈るばかりです。