今日の太陽2017/03/10

20170310太陽
昨夜から今朝にかけてよく晴れました。朝からも晴れていますが、昼が近づくに連れて雲が多くなっています。時折思い出したようにやや強めの風が吹いています。今日も花粉光環は見えません。

20170310太陽リム
左は10時過ぎの太陽。確認できる活動領域はありません。右リムに到達したと思われる12642付近から大きなプロミネンスが立ち上っていました。また大変淡いですが、同緯度の左リムにもかなり高くまで昇っているプロミネンスが見えるような…。

20年前に世間を賑わせたヘール・ボップ彗星2017/03/10

19970310ヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)
左は20年前の今日、つまり1997年3月10日明け方に撮影したヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)。「The 肉眼彗星」と形容できるほど明るく見栄え良い彗星でした。二種類の尾がとても見事!

この彗星は長期に渡って観察できたことでも知られています。私は前年の1996年2月にはもう撮影しており、確か1997年のゴールデンウィークまで1年以上追いかけたと記憶しています。当時はもちろんフィルム時代でしたが、晴れたら都合の付く限り撮影していたため、フィルムやデータメモがどんどん溜まって見返すこともままならない状態でした。左の頃は朝夕とも見えたのですが、3月9日の夕方に茨城県南で観察したらあまりにも立派だったので、急きょ県北まで100kmほど移動し、明け方に空の良いところですばらしい観察ができました。

19970317ヘール・ボップ彗星(1995 O1)
デジタル時代の今では小刻みに撮影した後に、彗星の移動に併せて合成する手法が簡単にできます。でも20年前はフィルムひとコマ一発勝負。当時は手動メトカーフ追尾(彗星頭部の移動を止めるため、恒星を逆向きに移動しながら撮影する手法)がようやく身についたばかりで、左上の写真も神経を使いました。移動の速い彗星や薄明まで間もない彗星の撮影はとても慌ただしく、このヘール・ボップ彗星も夜明け間近というのにアドレナリン出まくりの撮影だったんです。

右は1週間経った3月17日夕方に撮影したヘール・ボップ彗星。まだ薄明が残っている時間でも良く見えました。背景の山は筑波山。かつて一大ブームとなったこの彗星も、今日現在は天の南極近く、39天文単位以上(冥王星より遠い/ハレー彗星より遠い)離れてしまいました。まだ覚えているよという世代は多いかも知れませんが、もう20年も経ってしまったんですね。生きている内にまたこんな彗星に出会いたいものです。