彗星を撮ったはずなのに…なにこれ?2024/11/05

20241104_紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
昨夕も晴れたので紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)に望遠鏡を向けました。若干雲が湧いていたので、なるべく高いうちに撮影しようと18時過ぎに露出開始。すると程なくして明るい人工衛星が次から次へと…。とんでもないことになってしまいました(左画像/恒星基準・比較明合成)。

モニターでも青い色がはっきり分かりました。これはスターリンクのDTCタイプ(Direct to Cell)のものです。調べてみると10月30日に打ち上げられたばかりのものでした。どうりで団体さんの訳だ…。それにしても酷いじゃないか。

“青く光るスターリンク”(→参考:spaceweather.comのトピックス)と話題になったスターリンクDTC(Direct to Cell)は直接携帯電話と通信する衛星のため、通常より高度が低めで明るく見えます。今年になって加速度的に衛星コンステレーションへ投入されており、今朝時点のDTCは合計258基も打ち上げられています。今後も爆発的に増える予定。緑色の衛星軌跡は不明。これも気になりますね。短波長の光は強いし目立つし、避けようがありませんね…

20241104_紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
気を取り直して、衛星軌跡を目立たなくしたコンポジットが右画像です。これでもうっすら見えちゃってますね。TA彗星の尾はだいぶ淡くなったので、尾を引き上げようとすると衛星痕も目立ってしまいます。

個人的にはこうした加工は嫌いです。現在の惨状を「無きもの」にするんじゃなくて、きちんと記録しておくことも大事なことと思います。飛行機も衛星も光害も、「20○○年はこれくらいだった」「20△△年はこんなふうになった」と分かるような記録は天文屋の使命だし、天文屋にしかできません。

それにしても…本当に共存できるのかな?

20241105_シュワスマン・ワハマン第1彗星(29P)
星仲間の(の)さんからの情報で、明け方しし座の足元で輝くシュワスマン・ワハマン第1彗星(29P)がバーストしているとの情報を頂き、今日未明に撮ってみました(左画像)。

そこにはぼんやり広がる彗星の姿は無く、恒星みたいな光が輝いていました。本当にこれが彗星?何があったのでしょうか?

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