久しぶりの月面拡大観察 ― 2024/08/27
25日夜から26日朝にかけて、久しぶりの晴れ間に恵まれました。ここで言う晴れ間とは、最低でも数時間程度の観察や撮影が可能な、雲がほとんど無い快晴夜のこと。気象予報士が使う快晴や晴れと、天文観測家の言うそれとは全く違います。この夏は当地・茨城南部の西から北西方向、群馬や栃木、埼玉などが度々激しい雷雨に見舞われ、茨城にも飛び火(飛び雨?)する構図が延々続きました。南からやってくるケースも多かったです。それだけに、本当に貴重な晴れ間でした。
閑話休題、未明にのぼった月が電線群を抜けて高く輝いた頃を見計らって、望遠鏡を向けました。月面拡大できたのは実に一ヶ月ぶり。下弦前で見所たくさんです。左画像および下A・B画像で欠け際中央から北部まで繋がっています。ヒギヌス谷、トリスネッカー谷、オッポルツァー谷など良く見えています。アリアデウス谷は日没を迎えていました。アペニン山脈南北にあるコノン谷、ハドレー谷なども良い陰影ですね。
日が暮れ行く晴れの海西部には浅い標高のバレンタイン・ドームやその周辺の微妙な起伏、リッジなど確認できました。荒れ地のクレーター、アレキサンダーでは見事なRay現象。教科書的な見え方です。Rayではないけれど、コーカサス山脈の影がギザギザで、毎回楽しみです。アルプス谷のなかの小さな谷や、プラトー、アルキメデス内の小さなクレーターがしっかり見えていたので、気流はそれなりに良かったのでしょう。
ちょっと面白いのは、左上画像中に写ってる六角形のラデ・クレーター。ネコ耳のような影が横倒しに見えていますが、その中に光点が見えるんです。何年も前にこれを見たとき、「えっ!西の壁に穴が空いてるの?」とだまされてしまったのです。それくらい違和感のない光り方でした。実はネコ耳影の中に小クレーターがあって、その東端だけいつまでも日が当たってこのように見えるんですが、仕掛けが分かるまでは混乱しました。
下C・D画像は南部です。秤動は南部優勢だったのでもう少し期待してましたが、思ったほどではありませんでした。モレトスの長針が長くなりつつあります。C画像のどこかにもRay現象を見つけたのですが、場所を忘れてしまいました。前述したラデの光点みたいな状態は、C画像のリリウスやクルティウスでも起こっていますね。ただこれらは中央近くのため、中央丘の先端が光ってるのだろうと想像が付いてしまいます。ラデのケースは光点が思いもよらない位置で光るので錯覚しやすいんです。クラヴィウス、マギヌスなど久しぶりに見ました。ティコはまだ光条が出始めたばかり。
D画像は明暗境界から少し離れたフレーミング。デイビーとミュラーの連鎖クレーターが見えてきました。上弦側では決して光らない直線壁が白く光ってますね。「ホイヘンスの剣(Huygens's Sword)」と呼ばれる所以です。画像左下には上弦側でヘシオドスRay・下弦側でピタトゥスRayを起こすくっついたクレーターの隙間が見えます。その左下には二重クレーターのヘシオドスA。二重クレーターも興味深いのですが、それよりも私はヘシオドス中心にコンパスの跡みたいな穴が空いてることが気になって気になって…。プトレマイオス、アルバテグニウス、ヒッパルコスあたりに点在する浅いクレーターも見えてきました。何万回見ても見飽きないエリアです。
閑話休題、未明にのぼった月が電線群を抜けて高く輝いた頃を見計らって、望遠鏡を向けました。月面拡大できたのは実に一ヶ月ぶり。下弦前で見所たくさんです。左画像および下A・B画像で欠け際中央から北部まで繋がっています。ヒギヌス谷、トリスネッカー谷、オッポルツァー谷など良く見えています。アリアデウス谷は日没を迎えていました。アペニン山脈南北にあるコノン谷、ハドレー谷なども良い陰影ですね。
日が暮れ行く晴れの海西部には浅い標高のバレンタイン・ドームやその周辺の微妙な起伏、リッジなど確認できました。荒れ地のクレーター、アレキサンダーでは見事なRay現象。教科書的な見え方です。Rayではないけれど、コーカサス山脈の影がギザギザで、毎回楽しみです。アルプス谷のなかの小さな谷や、プラトー、アルキメデス内の小さなクレーターがしっかり見えていたので、気流はそれなりに良かったのでしょう。
ちょっと面白いのは、左上画像中に写ってる六角形のラデ・クレーター。ネコ耳のような影が横倒しに見えていますが、その中に光点が見えるんです。何年も前にこれを見たとき、「えっ!西の壁に穴が空いてるの?」とだまされてしまったのです。それくらい違和感のない光り方でした。実はネコ耳影の中に小クレーターがあって、その東端だけいつまでも日が当たってこのように見えるんですが、仕掛けが分かるまでは混乱しました。
下C・D画像は南部です。秤動は南部優勢だったのでもう少し期待してましたが、思ったほどではありませんでした。モレトスの長針が長くなりつつあります。C画像のどこかにもRay現象を見つけたのですが、場所を忘れてしまいました。前述したラデの光点みたいな状態は、C画像のリリウスやクルティウスでも起こっていますね。ただこれらは中央近くのため、中央丘の先端が光ってるのだろうと想像が付いてしまいます。ラデのケースは光点が思いもよらない位置で光るので錯覚しやすいんです。クラヴィウス、マギヌスなど久しぶりに見ました。ティコはまだ光条が出始めたばかり。
D画像は明暗境界から少し離れたフレーミング。デイビーとミュラーの連鎖クレーターが見えてきました。上弦側では決して光らない直線壁が白く光ってますね。「ホイヘンスの剣(Huygens's Sword)」と呼ばれる所以です。画像左下には上弦側でヘシオドスRay・下弦側でピタトゥスRayを起こすくっついたクレーターの隙間が見えます。その左下には二重クレーターのヘシオドスA。二重クレーターも興味深いのですが、それよりも私はヘシオドス中心にコンパスの跡みたいな穴が空いてることが気になって気になって…。プトレマイオス、アルバテグニウス、ヒッパルコスあたりに点在する浅いクレーターも見えてきました。何万回見ても見飽きないエリアです。