静岡の西村さんが新星候補天体発見2023/01/11

20230110_PNV J00215475+5231007
1月4日に突発天体を発見したばかりの静岡県の西村栄男さんが、今度はカシオペア座に12.9等の新星候補天体を見つけたそうです。

発見は昨夕、10日18時前のことでした。タイミング良いことに私も別天体を撮影中の夜半前に情報をいただいたので、予定を変更して望遠鏡を向けてみました(左画像)。撮影開始した23:20ごろの時点で高度が23°を切っており、悪シーイングで星像が肥大、ガイドも少し流れましたが、発見後6時間内に青白い天体像を確かめることができました。

それにしても満月期だと言うのに新天体発見が続いてますね。太平洋側で捜索されている方々は晴れ続き&夜が長いかき入れ時(?)でしょうから、つい張り切ってしまうのでしょうか。くれぐれもお体に気を付けて励んでいただきたいものです。

20230111_22077月
このほか明け方までに撮影したものは月、小惑星、彗星でした。右の月面は11日2時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約220.77°、撮影高度は約68.30°、月齢は18.29°。南中の少し前で、月はまだまだ高いところから見下ろしています。ひと晩前より若干シーイングが良かったものの、やはり冬独特の揺らぎです。昨日の記事でも書いた通り月面K地形は闇に呑まれ、ジャンセン・クレーターも夕暮れです。アルタイ断崖が目立ってますね。少しずつオリエンタレ盆地の東の海が左下リムに顔を出しつつあります。今月は14日・15日の明け方を中心にオリエンタレ盆地が地球側を向きます。

西村栄男さんのPNVの前に撮影していたのは、小惑星探査機Lucyの目標天体。小惑星LeucusとPolymeleを撮影予定でしたがPNV撮影が入ったため、Leucusのみとなりました(下A画像)。木星L4に位置する(3548)Eurybates、(15094)Polymele、(11351)Leucus、(21900)Orusのうち一番西のOrusを除く三つは昨年末から今年頭にかけて最大光度を迎えました。つまり今ちょうど撮り頃なのです。昨夜は試写のつもりでしたが、今月晴れているうちに本撮影を行おうと思います。

明け方近くにはそろそろ肉眼等級となるZTF彗星(C/2022 E3)を撮影(下B画像)。月夜でも容易に導入できます。気のせいかも知れませんが、ひところ薄くなっていたイオンテイルが復活したように感じました。またダストテイルのカーブの向きも変わってきたように見えます。まもなく近日点を通過、2022年12月19日記事のグラフのとおり発達すれば、約3週間後の2月頭に地球最接近し最大光度を迎えます。お見逃しなく!

  • 20230110小惑星Leucus

    A.10日の小惑星Leucus
  • 20230111_ZTF彗星(C/2022 E3)

    B.11日のZTF彗星(C/2022 E3)


参考:
探査機Lucyの先回りをする・Part3(L4達成)(2022/11/02)
探査機Lucyの先回りをする・Part2(2022/10/31)
探査機Lucyの先回りをする(2022/10/30)

今日の太陽2023/01/11

20230111太陽
昨夜から今朝は晴れ。朝のうち雲が発生、10時ごろまで太陽が顔を出しませんでしたが、その後は快晴となりました。

20230111太陽リム
左は10:40過ぎの太陽。今日もX1.06クラスフレアが発生したようですが、発生源を辿ると南半球ではなく左上の活動領域13186のようでした。この領域は昨日も大変明るく見えていました。13186と13185の間にも小さな黒点を伴う活動領域13187ができました。現在は13180から13187まで8ヶ所見えています。

左下リムには大規模なプロミネンス。北極域の高緯度プロミネンスもいまだ健在です。