またまたガリレオ衛星が正三角形になりました2023/11/15

20231114木星と衛星トライアングル
昨宵は木星の四大衛星のうち「エウロパ・ガニメデ・カリスト」の三つがほぼ正三角形に並ぶ予報の日(→2022年10月1日記事参照)。ところが天気予報は下り坂で、現象時刻に曇ってしまう予報でした。それでも雲越しに観察できたらと早い時間から望遠鏡を組み立てて待機。幸い日没後しばらくは雲量1割程度でした。

三つの衛星が作る三辺の離角がもっとも揃う時刻は20:37:03。このときの離角はそれぞれ58.106秒角、57.784秒角、59.335秒角です。18:40過ぎには木星の影に食されていたガニメデが出現する様子も見え、このときは大赤斑も見えていました。早くからご覧になっていた方は「三角を作る衛星が足りないんじゃないか?」と心配になっていたかも知れませんね。予定の1時間ほど前になると雲が増えてきましたが、うまい具合に木星の輝く方向は避けてくれているようです。しかも現象時刻前後はとてもよいシーイングになり、素晴らしい眺めを楽しむことができました。左上画像は20:37.0をデローテーション中心時刻として仕上げた一枚。木星左上がガニメデ、左下がカリスト、一番離れているのがエウロパです。今まで見てきた中では正三角形が最も木星に近いパターンでした。

衛星の動きが分かるよう、30分前と30分後にも撮影しました(下A・B画像)。わずかな時間に衛星配置がかなり変わっていることが分かるでしょう。もちろん木星の模様位置もずいぶん回転してしまいました。ちなみに衛星と木星本体は別撮りではなく、ROI(撮像領域)を広く設定してまとめて撮影しています。30分後のシーンを撮り終える頃から雲が木星付近を通過し始め、シーイングもガクッと悪くなりました。数時間後には雨まで降り出す始末。間一髪での観察大成功でした。

次のチャンスは来年2024年1月28日20:23:38ですが、その前に1月3日19:23:10にも「エウロパ・ガニメデ・カリスト」の準三角形があります。ただしこのときエウロパは木星前面に重なっているため、今回のように「木星と独立した空間での準正三角形」には見えません。また、三辺離角の偏差が若干大きいので、観察眼が鋭い方には正三角形というより二等辺三角形に見えるかも知れません。そう言うのも含めてバリエーションを楽しみたいと言う方はぜひご覧になってください。

  • 20231114木星と衛星トライアングル(現象30分前)

    A.正三角形になる30分前
  • 20231114木星と衛星トライアングル(現象30分後)

    B.正三角形になってから30分後


参考:木星の衛星配列に関する記事
木星の衛星が正三角に並びました(2023/10/30)
ガリレオ衛星が狭い範囲に並ぶ(2023/09/26)
久しぶりに木星衛星がきれいな三角を作る(2023/09/10)
再びきれいな三角形に並んだガリレオ衛星たち(2022/11/19)
きれいな三角形を作ったガリレオ衛星たち(2022/10/01)