穏やかな夜の太陽系巡り2023/07/25

20230724_07303月
昨夕は少し雲があったものの、前夜のような薄くベタッと広がる雲ではなかったので期待しつつ夕暮れを過ごしました。日没後に待ちすぎると月が建物に隠れたしまうため、まだ明るいうちに観察・撮影。

20230724月面トリミング
左画像は24日19:25頃の撮影で、太陽黄経差は約73.03°、撮影高度は約31.06°、月齢は6.66。26日に上弦ですから、だいぶ膨らみましたね。危難の海が更に端に追いやられ、肩身の狭い感じ。テオフィルスの月面グーからアルタイ断崖にかけて良く見えています。少し明るくなりすぎましたが、ラモントや晴れの海のリッジなども確認できました。南部の明暗境界で大口を空けているのはマウロリクス。

計算してみるとバレンタイン・ドームにおける太陽高度が0.19°でした。ひょっとしたら一部に光が当たり始めているかも?と思い、フレームあたりの露出を4倍に伸ばして撮影すると、東側が微かに光っているのが分かりました(右画像上部)。それから中央付近より南側にかけての明暗境界上に、ほぼ南北に並ぶ破線状の山列が印象的でした(右画像・赤矢印)。定規をあてても本当に直線かつ南北に並んでいました。こんなにも幾何学的な配列がランダムな地形に隠されていたなんて驚きです。

20230724小惑星Psyche
梅雨時の晴れ間に一度撮影し、機材トラブルで不完全燃焼だった小惑星プシケのやり直し撮影がまだでしたので、月が建物に隠れたタイミングで撮ってみました。すでに南西に低くなりつつあったため、建物と建物の隙間から1時間露出が限界。しかもいざ仕上げたら光害だらけでフラットも合わないしカラーバランスも無茶苦茶。仕方がないから白黒仕上げです(右画像)。

遅れていたプシケ行き探査機サイキも、順調に進めば二ヶ月ちょっとで打ち上げられる予定です。打ち上げの頃のプシケは薄明終了と共に南西に沈んでしまいますから、何とかその前に記録できて良かった…。

日付が今日になり、夜明け前のタイミングを見計らって土星と木星を観察撮影。大気の状態はまずまずでした。ただ、明け方の時間帯は近くの国道を大型トラックがバンバン走っており、その振動をまともに食らいます。何もかもうまくゆく環境はなかなか実現しませんね。

土星の衛星を確認しようと露出を伸ばしたら、どうも土星に寄りそう位置に何か見えるような気がしました。気になったので簡単に撮影してスタックするとディオネがひっついていました。他に、エンケラドゥスも見つかりました。明るい天体の近くだと分かりにくい…。自分の眼が正常だったことに一安心。木星は大赤斑が出てきたタイミングを狙いました。だんだん細かい模様が見えるようになってきて嬉しい限り。

  • 20230725土星

    A.25日明け方の土星
  • 20230725土星衛星

    B.25日明け方の土星の衛星
  • 20230725木星

    C.25日明け方の木星


20230725-0500JST気象衛星ひまわり
【追記】
後日調べたところ、気象衛星ひまわりの25日5:00撮影画像にこの月がきれいに写っていました(左画像)。もちろん時系列から、当記事画像の9.5時間あとに衛星がとらえたものです。細かいところは見えませんが、マウロリクスに光が当たっていることから月齢が進んでいると分かるでしょう。※衛星画像では地球以外がとても暗いため、左画像では宇宙空間を明るく処理してあります。月と地球が接しているところは大気の影響で歪んでいます。


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