台風1号が小笠原接近2022/04/15


20220415-1200JST台風1号
台風1号が小笠原諸島に接近し猛威を奮っています。左は本日12:00JSTの気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。正午時点で発生から171時間が経過。台風の平均活動時間は125.202時間(1951-2021年の全台風平均)、4月発生のみに限っても平均142.102時間ですから、かなり長生きと言えましょう。

13日21時から「大型で非常に強い台風」まで強まった台風1号は今日正午時点で「大型で強い台風」にランクダウンしたものの、直撃とあっては些細な違いでしかありません。停電なども起こっているようで心配です。陸続きではありませんから四島の常識は通用せず、人命に関わる様な非常時であっても狭い島内でなんとか凌がなくてはならないのは辛いですね。

日本に接近や通過、上陸して被害をもたらす台風のニュースは一般に夏から秋が多いけれど、きちんと統計を取ると春に始まっていることが分かります。統計が始まった1951年から去年までの1856個の台風のうち、3月までに接近や上陸したものはひとつもありません。でも4月は発生が49個、うち接近が12個、上陸が1個あります。5月は発生71個、接近39個、上陸3個で、日本に近づく割合が倍以上になります。月統計での発生数に対する接近・上陸数の割合は8月>5月>7月>6月>9月…の順ですから、晩春でも油断ならないことが分かるでしょう。

4月に発生→日本に接近した台風
4月に発生し、日本領土内に接近または上陸した13個の台風ルートを描いてみました(右図)。気象庁の公開しているベストトラックデータを使っています。今回同様、本州の南側を通過する傾向がみられますが、北緯30°より北上したり、日付変更線まで到達するケースもありますね。決して侮ってはいけません。長い目で気象傾向は必ず変動しますから、「今後もぎりぎり安全な状態が続くだろう」なんて誰にも言えないことです。

地方を問わず、被害を最小限に留める工夫をみんなで考えましょう。