欠けてきた月、レナード彗星頭部構造も面白い ― 2021/12/22
昨夜から今朝も快星。このところ時折崩れることはあっても概ね晴れてくれるので嬉しい限り。ただ、乾燥肌や風邪、インフルエンザが怖いですね。
左は22日2:30前に撮影した月。前夜よりシーイングが悪く、かろうじてシリウスBが確認できたものの月面のシャープネスは明らかに落ちました。それでもこうして眺めて楽しめたことに感謝です。
ジャンセン・クレーターあたりの影が目立つ月相になり、アルタイ断崖も見えるようになりました。今夜(22日夜21-22時頃)に月面Kが見頃を迎えますが、左画像でももう確認できますね。オニール橋がとても橋っぽく見えていますよ。欠け際に到達したクレオメデスやエンディミオンなどの巨大クレーターが縁だけ光ってて不気味…。
いっぽうで、左下にはようやくオリエンタレ盆地内の東の海が姿を現してきました。一晩前の月では縁ギリギリ過ぎて全く見えませんでしたが、今日はすぐ分かります。外輪山の合間にある春の湖・秋の湖、少し離れて夏の湖も見えてますね。オリエンタレ盆地は今期一番条件が良かった11月末ほどではないものの、10月下旬並の見栄えが期待できます。クリスマス過ぎごろをピークに地球方向に最も傾きますから観察してみてください。東の海は下弦過ぎごろまで確認できるでしょう。
さて、21日宵にはレナード彗星(C/2021 A1)を観察。不安定なベランダで極軸も合わせずポンと置いただけの簡易赤道儀には荷が重すぎるのですが、180mmレンズで少しだけ拡大してみました。すると噴水のように何となく広がっている尾が写ってくれました(右画像)。
星仲間の(の)さんが日々拡大撮影しており、薄暮+低空+悪シーイングという条件の中で見事に彗星頭部の構造を捉えています。許可を頂いたので下に引用しました。筋状の噴出や幾層にも重なってるように見えるエンベロープなど、見どころが沢山ですね。毎日大きく変わっているのもすごい!本当に、風に舞う噴水みたい…。拡大撮影可能な方はこの構造がどこまで炙り出せるか挑戦しましょう。Michael Jaegerさんの画像などを見ると核近傍だけでなく尾全体も激しく変化する複雑な構造であることが見て取れます。
左は22日2:30前に撮影した月。前夜よりシーイングが悪く、かろうじてシリウスBが確認できたものの月面のシャープネスは明らかに落ちました。それでもこうして眺めて楽しめたことに感謝です。
ジャンセン・クレーターあたりの影が目立つ月相になり、アルタイ断崖も見えるようになりました。今夜(22日夜21-22時頃)に月面Kが見頃を迎えますが、左画像でももう確認できますね。オニール橋がとても橋っぽく見えていますよ。欠け際に到達したクレオメデスやエンディミオンなどの巨大クレーターが縁だけ光ってて不気味…。
いっぽうで、左下にはようやくオリエンタレ盆地内の東の海が姿を現してきました。一晩前の月では縁ギリギリ過ぎて全く見えませんでしたが、今日はすぐ分かります。外輪山の合間にある春の湖・秋の湖、少し離れて夏の湖も見えてますね。オリエンタレ盆地は今期一番条件が良かった11月末ほどではないものの、10月下旬並の見栄えが期待できます。クリスマス過ぎごろをピークに地球方向に最も傾きますから観察してみてください。東の海は下弦過ぎごろまで確認できるでしょう。
さて、21日宵にはレナード彗星(C/2021 A1)を観察。不安定なベランダで極軸も合わせずポンと置いただけの簡易赤道儀には荷が重すぎるのですが、180mmレンズで少しだけ拡大してみました。すると噴水のように何となく広がっている尾が写ってくれました(右画像)。
星仲間の(の)さんが日々拡大撮影しており、薄暮+低空+悪シーイングという条件の中で見事に彗星頭部の構造を捉えています。許可を頂いたので下に引用しました。筋状の噴出や幾層にも重なってるように見えるエンベロープなど、見どころが沢山ですね。毎日大きく変わっているのもすごい!本当に、風に舞う噴水みたい…。拡大撮影可能な方はこの構造がどこまで炙り出せるか挑戦しましょう。Michael Jaegerさんの画像などを見ると核近傍だけでなく尾全体も激しく変化する複雑な構造であることが見て取れます。
レナード彗星は14-15日ごろバーストして2等台になったそうですが、その後は急落。ところが20-21日ごろ再びバーストが起こったようです。左図はCOBS観測データによるプロット(12/22 0:00UTまで)。緑丸塗りつぶしが眼視観測、白抜きがCCD測光。薄茶の光度曲線はバースト無しの元々の予報光度(吉田誠一氏の係数による)。また赤縦線は近日点通過日。
光度観測値が短期間に激しく上下していることが分かりますね。頻繁なバーストは核の崩壊を連想させます。日々変化する核近傍の様子も気がかり…。しばらくは目が離せません。
【23日追記】グラフを12/23 1:00UTまでの報告データに差し替えました。バーストによる増光は一時的なもので、それ以降の光度上昇を牽引する規模ではなく、短期間のうちに元々の予報光度へ下がる傾向が分かります。
光度観測値が短期間に激しく上下していることが分かりますね。頻繁なバーストは核の崩壊を連想させます。日々変化する核近傍の様子も気がかり…。しばらくは目が離せません。
【23日追記】グラフを12/23 1:00UTまでの報告データに差し替えました。バーストによる増光は一時的なもので、それ以降の光度上昇を牽引する規模ではなく、短期間のうちに元々の予報光度へ下がる傾向が分かります。
今日の太陽と冬至 ― 2021/12/22
二十四節気の「冬至」を迎えました。本当にはやいものです。今日も快晴で暖かく、風がやや強く吹いています。
左は10:30過ぎの太陽。今のところ採番されている活動領域は12905から12913まで9つ。目立つ黒点があるのに番号がつかないままの領域があるのに、更に左下リムから大きな黒点が現れましたよ。番号付ける人、がんばって!年末になっちゃうよ(笑)
昨夕から夜にかけて、16:50JSTにM1.17クラス、20:44JSTにはM1.48クラスの強いフレアが発生したようです。その後もたびたびCクラスフレアが連発、相変わらず活発な様子が伺えます。右上リムなどにちょっと目立つプロミネンスも出てますね。
天文年鑑などによると、今年の冬至は22日0:59。つまり日付が変わって1時間も経たないうちに太陽黄経が270.0°に達したので、本日が冬至になったのです。
現代の天体暦はかなり精度が良いですから極端な高精度を求めない限り間違うことは無いでしょう。でも手計算が主流だった時代は1時間程度の差が容易に生じてしまったでしょうから、今年のようなケースでは21日か22日か揉めたでしょうね。冬至祭など神事が絡むと責任重大。
左図は冬至の日付を計算してグラフ化したもの。時刻は秒の桁まで小数として織り込んでいます。Wikipediaにも日付変遷が載ってますが、1956年から1991年まで22日が連続していた時期が、今は21日も現れるようになりました。2096年から3年間は21日ばかりになり、その後また22日が多い期間が続きます。
現代天体暦でも日付が微妙なところは相変わらず存在します。図にも書きましたが2025年の冬至は22日になってわずか3分後(JPL-DE440による計算)。各国政府や天文・暦管理機関が採用する計算方法に寄っては微妙なずれが存在し、四捨五入などによって前の日になったり後になったりする可能性をはらむ問題です。国立天文台がどう計算・判断して発表するか待たれるところですね。
参考:
「124年ぶり」の2月2日節分にはもっと上があるよ(2021/01/24)
124年間で最も早い春分(2020/03/20)
日出没・暦関連の記事(ブログ内)
左は10:30過ぎの太陽。今のところ採番されている活動領域は12905から12913まで9つ。目立つ黒点があるのに番号がつかないままの領域があるのに、更に左下リムから大きな黒点が現れましたよ。番号付ける人、がんばって!年末になっちゃうよ(笑)
昨夕から夜にかけて、16:50JSTにM1.17クラス、20:44JSTにはM1.48クラスの強いフレアが発生したようです。その後もたびたびCクラスフレアが連発、相変わらず活発な様子が伺えます。右上リムなどにちょっと目立つプロミネンスも出てますね。
天文年鑑などによると、今年の冬至は22日0:59。つまり日付が変わって1時間も経たないうちに太陽黄経が270.0°に達したので、本日が冬至になったのです。
現代の天体暦はかなり精度が良いですから極端な高精度を求めない限り間違うことは無いでしょう。でも手計算が主流だった時代は1時間程度の差が容易に生じてしまったでしょうから、今年のようなケースでは21日か22日か揉めたでしょうね。冬至祭など神事が絡むと責任重大。
左図は冬至の日付を計算してグラフ化したもの。時刻は秒の桁まで小数として織り込んでいます。Wikipediaにも日付変遷が載ってますが、1956年から1991年まで22日が連続していた時期が、今は21日も現れるようになりました。2096年から3年間は21日ばかりになり、その後また22日が多い期間が続きます。
現代天体暦でも日付が微妙なところは相変わらず存在します。図にも書きましたが2025年の冬至は22日になってわずか3分後(JPL-DE440による計算)。各国政府や天文・暦管理機関が採用する計算方法に寄っては微妙なずれが存在し、四捨五入などによって前の日になったり後になったりする可能性をはらむ問題です。国立天文台がどう計算・判断して発表するか待たれるところですね。
参考:
「124年ぶり」の2月2日節分にはもっと上があるよ(2021/01/24)
124年間で最も早い春分(2020/03/20)
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