今日の太陽2016/12/24

20161224太陽
朝から良く晴れていますが、日が高くなると低空に雲が湧いてきました。そしてまた性懲りもなくやや強い風が吹いてきました。

左は12:20頃の太陽。望遠鏡を通した太陽像は全く落ち着きなく陽炎のようです。どんなに頑張ってもこれ以上すっきり撮影することはできませんでした。

20161224太陽リム
昨日見えていたダークフィラメントは今日も確認できますね。左上と右下に太陽から吹き出したようにプロミネンスが見えています。NSO/GONG等で確認すると繊細なプロミネンスが広がっているようですが、関東の冬空でははっきり見えませんね。

20161224幻日
(夕方追記)お天気を確認しに15:30頃ベランダへ出ると、西に低くなった太陽に低空の薄雲がかかり、空が眩しく感じました。太陽の左側にはとても淡く広がった幻日が確認できました。右には雲がなかったので出ていません。(※幻日上の青い光芒および太陽から伸びるいくつかの光線はレンズのゴースト等です。気象光学現象ではありません。)

非常に強くなった台風26号2016/12/24


20161224-1200台風26号
22日に発生した台風26号は急速に発達し、本日6時には「非常に強い」となってしまいました。あぁ、クリスマスだというのに…。左画像は本日12時の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。右上のほうに沖縄や九州が見えていますね。26号は明日25日から明後日にかけてフィリピンを横断する予報です。

この画像の時点で中心気圧が915hPaという低さ!台風の目が良く見えています。今年のトップ5入りしてしまうほどの勢力なのです。最大瞬間風速は70m/sとのこと。近くの方々の無事を祈ります。

20161224-1200カルマン渦
ついででアレなのですが…九州のすぐ下、屋久島付近から南南東に向かって、とても美しい「カルマン渦」が見えています(→wikipediaの解説)。右は左画像該当部分の拡大。分かりますか?

雲に埋もれていますが、よく見ると済州島辺りからも伸びてます。ここはよく見かける所ですね。凶悪な台風に比べて、なんとかわいらしい渦なのでしょう…。

朝夕の彗星観察と2017年に期待の彗星たち2016/12/24

【検索サイトで彗星情報を探している初心者の方へアドバイス】
名前が同じでも異なる彗星がたくさんあります。検索するときに正確な名称を書くことはもちろんですが、個別の符号(例:C/2016 U1など)も覚えて必ず併記するようにしましょう。

例1:現時点で18等以上で観測可能な次の彗星は全部違う天体です。
パンスターズ彗星(C/2015 ER61)、パンスターズ彗星(C/2016 R2)、パンスターズ彗星(C/2015 O1)、パンスターズ彗星(C/2014 W2)…

例2:名称を略したり入れ替えたりすると別の彗星になってしまいます。
  • 本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(→45P)
  • 本田彗星(→1947Xなど複数)
  • ムルコス・本田彗星(→1953II)

また周期彗星ならば何度も回帰するため、近日点通過(太陽にいちばん接近)の年月などで絞り込みが必要なこともあります。

昨日からの強風が昨夕から今朝にかけて残りました。月明かりもあったのですが、それでも素晴らしい透明度です。星の光に誘われるがまま、望遠鏡を用意しました。狙うはいつものネオワイズ彗星(C/2016U1)。明け方かなり低空になってしまい、空が澄んでないとうまく見えないからです。

20161224ネオワイズ彗星(C/2016U1)
思った通り、彗星は素晴らしい像を結んでくれました。左画像は5時過ぎから約20分間の露出で、上が天の北方向、上下画角は約40′弱です。露出後半は薄明が始まっていますが、機材の状態も良く、朝凪も味方してくれました。透明度が良いため同方向にある「コンビニ薄明」も気になりません。低空なので星が肥大してしまうのは仕方ないでしょう。このまま南天に飛び去ってしまうためもう何回も見られないと思いますが、今まで見た中ではいちばん良い観察ができました。

続いて夕方の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)です。こちらは尾が見え始まったと言うことで是非とも観察したいのですが、連日夕刻は曇ったり霞んでしまうことが多く、自分の都合が合わない時もあってなかなか見ることができません。今夕も低空が薄雲で霞んでいたけれど、望遠鏡を準備しておくことにしました。

20161224本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)
夕刻薄明が終わる頃には建物や靄に隠れてしまうため、いかに早く見つけるかが勝負所。今夕は一応写すことができましたが、20分ほど撮影した中でどうにか使えそうなのは半分。残りは低空で像が肥大し過ぎたり薄雲でかすれてしまったコマばかり。半ば強引にコンポジット強調処理したのが右画像。画角などはネオワイズ彗星とほぼ同じです。

はっきりはしてませんが、緑色の彗星頭部から東(左)やや上に向かって細い尾が伸び、画像左辺に届いているようです。少なくとも数十分角の尾が確認できたので大成功ですが…もう少しすっきりした空で見たいものですね。

このように朝夕の彗星が急増光して話題となっているわけですが、せっかくですから2017年に10等以上に明るくなることが期待される彗星をまとめました。Minor Planet Centerなど複数ソースの軌道要素を元に大量の彗星軌道を計算し、2017年+前後1ヶ月に近日点通過(太陽に最接近)する彗星、または増光が見込まれる彗星の中から計算上10等以上になるものを探しました。彗星は普段15等以下など暗いものばかりですから、10等程度でも「かなり明るい」部類なのです。

2017年に明るくなりそうな彗星
該当する彗星は少なくとも下表の7つ。それぞれの光度変化をグラフにしたのが左図です。ただしご存じのようにぼんやり広がる彗星の光度予測は通常の天体と違ってとても難しく、なかなか予報通りになりません。あくまで計算上であることを頭に入れてグラフをご覧ください。このグラフは長年に渡り彗星光度予報のフィッテングに成果を上げている星仲間の吉田誠一氏によるパラメータを使っています。(実際の観測値にかなり近いものです。)彗星が分裂や蒸発しない限り、少なくとも光度ピークの時期はズレないと思われます。

彗星が明るくなったからといって必ず「良く見える」訳ではありません。すでに日本の夜空から飛び去っていたり太陽に近すぎて見えない場合も少なくないし、月明かり、空の霞や汚れ、梅雨や台風などの長期的悪天候、街の光害など、観察の妨げになることはたくさんあるでしょう。そう考えると、よほどフットワークの軽い熱心な観測家でもない限り彗星観察はかなりハードルが高いんです。「薄明中に暗い天体を素早く探す能力」といった個人の技能に左右されることも多いです。ぜひ限られたチャンスを活かして、宇宙の旅人「彗星」をひと目ご覧になってくださいね。

【2017年に明るくなりそうな彗星】
彗星名近日点通過日見ごろ
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)2016年12月31日1月初旬の夕方低空、および2月上旬の明け方。2月13日は17°離れてジョンソン彗星がいる。
ネオワイズ彗星(C/2016 U1)2017年1月14日12月末-1月頭の明け方南東の低空。
エンケ彗星(2P)2017年3月10日2月下旬の夕方西空。
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)2017年4月13日4月上旬の北空。4月20日の前後5日ほどは15°以内にジョンソン彗星がいる。(4月26日が新月。)
パンスターズ彗星(C/2015 ER61)2017年5月9日GW頃の明け方東空。
ジョンソン彗星(C/2015 V2)2017年6月12日6月上旬21時頃の天頂近く。
マックホルツ第1彗星(96P)2017年10月27日11月の夕空超低空(ほぼ見えない)。



参考:
ネオワイズ彗星(C/2016U1)に関係する記事(ブログ内)
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)