鳥取地震から1日が過ぎて…2016/10/22

鳥取地震の震度別回数などの資料はアーカイブ:2016年鳥取地震の地震回数に随時蓄積しています。どうぞご覧ください。


2016鳥取地震・時間&震度別回数

※これ以降のグラフはアーカイブにおいてあります
昨日10月21日に発生した鳥取県震源の大きな地震ですが、気象庁からの報道では震源の深さが11kmに変更となりました。(※昨日の記事では10km。)マグニチュードは6.6のままです。現段階ではいずれも速報値のため、今後詳しく分析されるでしょう。同時に震度別回数も発表されたので、熊本地震に倣って21日0時から本日14時までの時間別・震度別積み上げグラフを描きました(左図)。しばらく個人的にも集計してみようと思います。

報道などを見ていて気になったのは、発生に至るまでに「地震が増えていた」とするインタビューの受け答えやSNS投稿などが多いこと。地元の方々はそう感じ、報道関係者もそう報じたいのでしょう。でも、いつから増えたのか、何倍になったのか、今も増加してるのか、といった根拠ある数値はほとんど挙がっていませんでした。近ごろの台風や大雨も同様で、直近に少し大きな災害があると「増えた気がする」といった気分的意見が急に幅をきかせます。でもこれがネット上にあふれたところで、いたずらに不安を煽りトラフィックを窮屈にするだけで役に立たないのでは?4月25日記事にも書きましたが、平時の地震回数などは個人でも十分調べられる時代なのですから、ぜひ根拠ある不安を持って防災・減災に取り組んでほしいです。鳥取県や熊本県、大分県などに限った話ではないし、地震に限った話でもありません。特に災害が少なくて油断する地域ほど重要です。

10年ほど遡り、2007年1月から一昨日10月20日までの震度データベース(気象庁)を使い、鳥取県に震央があった地震回数を月別・震度別積み上げグラフにしました(右下図)。これによると平時の平均は震度1程度が毎月1回未満だったようですが、2015年10月にいきなり激増しました。その後の減り方が妙で、1ヶ月おきに皆無の期間をはさみつつ急速に減ってます。いったん落ち着いた後、今年8月からまた急に増えました。

鳥取県の地震推移
私の住む茨城県は平均で毎月10回前後の地震があり、年に数回から10回程度は震度4や5弱なども混ざります。そういう感覚では右図の今年8月頃の回数でも「少なくて羨ましいなあ」と思うのですが、普段の少なさが体に染みついている鳥取県の皆さんは月数回の増加でも不安になりますよね。

1年前からの増加が今回の地震に結びつくかは不明ですが、少なくとも「用心しよう」と心構えをするのに十分な時間は取れたはず。熊本県でも去年12月に突然増えたとき対策を強化できていたら…と後からでは悔やみきれません。他県の方もぜひ自分の県に立場を置き換えて、早速調べてみてくださいね。