今日の太陽2016/10/19

20161019太陽
朝のうち晴れ間があったものの、日が高くなる頃には雲が多くなりました。高層の雲と、足早な低層の雲とが交差し、なかなか直射が届きません。

20161019太陽リム
左は11:20過ぎの太陽。ようやく雲から顔を出した瞬間を狙いました。がんばった割には静穏な表情ですが…。まぁともかく活動領域12602付近がまだ見えていることが確認できれば良いですね。プロミネンスは静まりかえっているようです。

10月の日照は足りてますか?2016/10/19

日照と日射の比較

<A>

日照と日射の比較

<B>

日照と日射の比較

<C>
たまに秋晴れの日がやってくると日照不足だったことを忘れてしまいがち。6月の頃の関東水不足もそうですが、「その後どうなったのか」ということを関係機関やメディアが定期的に経過報告する事例は少ないなぁといつも思うわけです…。復旧したのか?まだまだダメなのか?どこにも情報が出ていないのはよくないですね。10月に入って三分の二ほど過ぎていますから、日照の状況を調べてみました。ただし当サイト基準の「茨城県つくば市」のみです。皆様のところも同様に検証してみてください。

…と、その前に。9月29日の記事10月1日の記事でちょっと触れましたが、「日照時間」と「日射量」の違いをはっきりさせましょう。日照不足という言葉はニュースでよく聞きますが、これを多くの方は「雲に邪魔されて日光の差す時間が少ない」と考えるでしょう。「日照時間が足りない」という意味ですね。でも同じ1時間の日照なのに夏と冬とで地面が受ける太陽エネルギーはだいぶ変わります。なぜなら「冬のお日さまは低く、夏は高い」からです。もちろん大気の霞み具合など気候変化もありますが、エネルギーの量を決める一番大きい要因は太陽高度です。空全体から1平方メートルの地面が受けるエネルギーを「全天日射量」と呼んでいます。単位は1平方メートル(m²)とJ(ジュール)と100万倍を表すM(メガ)を組み合わせてMJ/m²(メガジュール毎平方メートル)。

右に三種類のグラフを用意しました。それぞれ二つの日について「日照時間」と「全天日射量」を24時間比較したもの。<A>は2015年冬至近くと2016年夏至近くの、それぞれ快晴に近い日の比較です。日照時間を表す折れ線グラフは、朝と夕方を除きほとんど最大値に振り切れていますね。でも日射量を表す棒グラフはなだらかな増減をしています。また夏と冬とでこんなに違うんです。太陽光の有無を一定基準で区切って時間だけ測ったものと、具体的なエネルギー量を測ったものの違いが、何となく理解できるでしょうか。特に生物にとって「今日は何時間明るかったか」ではなく、「どれくらいの量の光や熱を浴びたか」ということが重要ではないでしょうか。

<B>は2016年6月の中でほとんど雨が降ってない曇天と大雨の各日の比較。また<C>は日照時間が終日ゼロだけど雨は降っていない夏と冬の各日の比較です。雲の多い日中の場合、雨が降っていようといまいと、夏でも冬でも、日射量は似たようなものだと分かります。また日照時間がゼロでも「日中は日射量がゼロにならない」のもポイントですね。

さあ、これを踏まえて……今年10月半ばまでのグラフを下に掲載しましたのでご覧ください。日照と日射とに分けてあります。また比較のために昨年2015年1年分のグラフも掲載しました。(各年の同種グラフはスケールをほぼ揃えてあります。)この中には様々な情報がぎっしり詰まっていますよ。どこまで読み取れるでしょうか?

日照時間積算日照時間平年差全天日射量積算全天日射量平年差
2016年
2016日照時間
2016積算日照時間平年差
2016全天日射量
2016積算全天日射量平年差
2015年
2015日照時間
2015積算日照時間平年差
2015全天日射量
2015積算全天日射量平年差

  • 2016年のグラフは10月17日までです。従って5日移動平均のグラフは10月15日までとなります。
  • 2016年の東日本には、9月27日に「日照不足に関する全般気象情報」が出ています。
  • 2015年の東日本には、8月28日、9月3日、9月14日に「日照不足に関する全般気象情報」が出ています。
  • 気象庁の定義では「直達日射量が0.12kW/m²以上」を日照としています。

参考:
アーカイブ:茨城県の気象平年値
アーカイブ:茨城県つくば市の気象傾向
気象庁:天候の状況

最大勢力でフィリピンに接近する台風22号2016/10/19


  • 20161019-0900台風22号

    台風22号(2016年10月19日9:00)
  • 20161015-0900台風21号

    台風21号(2016年10月15日9:00)

台風22号は17日21時に「非常に強い」、18日21時には「猛烈な」台風となり、中心付近の気圧がついに900hPaに達しました。現時点では14号に次いで今年2番目(1号とタイ記録)に気圧の低い最凶台風です。このまま今夜にもルソン島に上陸の恐れが出てきました。直前の21号が16日にルソン島へ「非常に強い台風」クラスのまま上陸したばかり。22号中心の上陸点は21号より150km程度しか北にずれていないため、被害エリアはもうほとんど一緒と思われます。

20161019-0900海面水温・台風経路マッピング
上は本日9:00の22号(左画像)と、15日9:00の21号(右画像)を比べたもの。(画像元:NICTサイエンスクラウド)。画像スケールは一緒です。両者とも雲渦の広がりだけ見たらあまり変わりませんが、強風域は倍ほども違います。22号は台風の目がしっかりしており、雲も密集してますね。

また右のカラフルな図は17日の記事にも掲載しましたが、気象庁サイトで公開されている「北西太平洋・海面水温」の図に、本日9:00までの各台風経路(熱帯低気圧時期含む)をマッピングした図です(海面水温は昨日10月18日のもの)。ルソン島に近づくまでを比べると、温かい海水の上にいた期間が22号は21号の倍近く長いことが分かります。