大きな満月とセンタームーン2024/09/19

20240919_18791月
昨夕は突然の雷雨で、停電や落雷による火災、冠水で車が立ち往生など市内外で被害が相次ぎました。強い雷雨そのものは1時間ほどでしたが、雨は夜まで続きました。

満月過ぎの月夜などすっかり諦めていたのですが、ふと22時ごろ外を見ると月が見え始まっているではありませんか。あたりはびしょぬれでしたが何とか機材を用意。日付が19日になって雲が途切れたのをこれ幸と観察・撮影することができました。

左画像は19日00:55頃の撮影で、太陽黄経差は約187.91°、撮影高度は約52.73°、月齢は15.58。満月瞬時から13時間以上過ぎて、右側が欠け始まっていますね。ダブルフンボルト状態で、フンボルト・クレーターもフンボルト海も半分影になっています。撮影時の地心距離は357292.63km。平均は384400kmですから随分近いですね。今年最大の満月と言うのも納得です。

20240919_0055センタームーン
この月は明け方にかけて「センタームーン」、つまり見かけの月中心と月面座標中心がほぼ一致する状態でした。左上画像の中心を切り取って、周囲のクレーターから割り出したそれぞれの位置を描き込んだのが右画像。四角マスは月面上の1°を表し、秤動ずれ量はわずか0.783°でした。きっちり南北にずれるのも珍しいですね。

このあと一気に曇ってしまい、明け方まで月が見えることはありませんでした。2024年9月7日記事に書いたように、今回は朝に近いほどセンタームーンのずれが小さくなるはずで、それを確かめられると良かったのですが…。

そう思いつつ回りが明るくなってチュンチュンすずめが鳴き始めたのでカーテンを開けたら…なんと西に沈もうとしてる月が!大慌てでその辺にあった望遠鏡を向けました。わずかな雲間なので全景は無理だったため、中心を含む構図で100フレーム程度撮影。そこから中心を割り出したのが左下画像です。

20240919_0533センタームーン
こちらは5:33ごろの撮影で、中心のずれはわずか0.320°。確かに近くなっていて感動しました。ただ、予想していたのですが撮影高度が約8.48°と低かったため全体が縦に潰れており、クレーターを使った中心出しの精度が落ちてしまいました。まぁこれは仕方ないでしょう。ちなみに右下画像はスタック済み原画全体をリサイズしたもの(左方向が北)。ほぼ日の出時刻の撮影で、赤外フィルタ必須でした。2.75°ほど黄経差が増していますので欠け際が少し変わっているでしょう。あと5分晴れ間が合ったら残りも撮影できたのに…。

20240919_19066月
2021年10月24日のパーフェクト・センタームーンと比べたら少し劣るけれど、そもそもここまで近いケースがなかなか起きません。しかも今回は満月に極めて近かったことがポイント高い。正面から描かれた月面図を実際の空で観たことになります。一瞬の晴れ間に感謝ですね。凄まじい天気急変からの大きな満月観賞、センタームーンの記録、そして図らずも夜中と明け方の比較までできて大満足のお月見となりました。

2024年の台風15号が発生2024/09/19

20240919-0000UT台風14・15号
気象庁によると16日9時から台風になるかも知れないと告知されていた熱帯低気圧が本日9時に台風15号「ソーリック/SOULIK」になりました。直前の台風14号発生から3日と12時間後の発生で、14号は活動中のためダブル台風になりました。

左は15号発生時である本日9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は各台風中心の直径1000km円で、南西諸島を通過したほうが14号。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。

15号はぎりぎり台風になった感じで、このあとすぐ大陸に上陸する見込みのようです。14号は本日に日付が変わったころ台風中心が沖縄本島を通過しました。奄美・沖縄付近は立て続けで大変だったことでしょう。被害がありませんように。