群馬の小嶋さんが発見した突発天体をようやく撮影2024/02/27

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二週間近く遡りますが、2月15日3時ごろ、群馬県の小嶋正さんがおとめ座に13.2等の突発天体を発見しました。その後若干増光したようです。当地・茨城県南部はおとめ座が隣家から顔を出す時間にことごとく天気が悪く、ようやく今日撮影することができました。撮影までこんなに待たされたのは初めてかも?

大きく減光していたら写らないかもと心配しつつ望遠鏡を向けると、モニターでもまだ十分見える明るさでした。13等後半と言ったところでしょうか。満月過ぎの明るい空でシーイングも最悪でしたが、どうにか記録できてほっとしました。

突発天体撮影と平行して、もう一台望遠鏡をセット。月面に向けました。断片的に2時間近く見たものの大気の揺らぎは一向に収まる気配はありません。ずっとクレーターが踊り狂っていました。ですが、ちょうどラングレヌスの中央丘が“ケモ耳”を見せる絶好のタイミングだったので、無理を承知で月面観光に興じました。

20240227ラングレヌスのケモ耳
右画像は0:40ごろ(ラングレヌスにおける太陽高度は約4.1°)、および2:20ごろ(同3.3°)の様子。北方向を左向きにしてあります。ケモノの耳のような影が伸びていますね。明暗境界近くのクレーターもどんどん闇にのまれているのが分かるでしょう。もう少し見ていたかったのですが、酷いシーイングと強まった北風による急激な冷え込みでくじけました。

下A画像はラングレヌスを含む東側火口列付近。もっと穏やかな空なら細かい部分まで見えたでしょう。左下にレイタ峡谷の一部が見えます。下B画像は危難の海や、その北に並ぶクレオメデス、ブルクハルト、ゲミノス、メッサラの列。危難の海を走るリッジが意外に抽出できました。コーシー断崖&谷やガードナー・メガドームあたりも少しずつ影が出てきて見やすくなっています。下C画像は神酒の海付近。一昨日に再起動を果たしたSLIMが着陸の目印にしたShioliクレーターを包む光条が赤点線円中央の小さな光点です。この付近が再び夜を迎えるのは3月頭ごろ。それまで何らかの観測が進めば嬉しいですね。

  • 20240227東側火口列

    A.東側火口列付近
  • 20240227危難の海、クレオメデス、メッサラ

    B.危難の海から北側
  • 20240227神酒の海

    C.神酒の海付近


今日の太陽2024/02/27

20240227太陽
朝から良く晴れています。昨日昼から吹き始めた風は、夜半前に一時弱くなったものの、明け方にかけて再び強まりました。今日は午前中から全開で吹いています。風速7m/s前後でしょうか。

20240227太陽リム
左は10:10過ぎの太陽。左上リム近くの小黒点群周囲は活動領域13596、13594の北にできた小黒点群周囲は13595と採番されました。13590の半暗部は少し小さくなった気がしますが、端に寄ってきたせいでしょうか。プロミネンスは今日もあちこちに出ていますね。昨日より弱いですが花粉光環も出ていました。