春一番に曝される月2024/02/16

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昨夕から天気下り坂の兆候が出始めましたが、宵のうちはまだ晴れていました。空高く、木星のすぐそばで輝く月を観たかったけれど風速8m/s近くの春一番が吹き荒れており、望遠鏡をどこに設置しても風に回り込まれます。仕方がないので、時間がかかっても良いから風が止む時間を撮り繋いでみることにしました。

左画像は15日18:40過ぎの撮影で、太陽黄経差は約74.67°、撮影高度は約54.72°、月齢は5.45。強風時はポーズをかけつつ動画一本分撮影するのに、無風時の4、5倍かかったでしょうか。シャープネスが足りないけれど、それでも何とかスタックできる状態にまとまってくれました。

上弦は17日0:01ごろですから、残り一日余りです。欠け際には荒々しいアルタイ断崖、ラモント周囲のリッジ、スミルノフ尾根などが姿を現していました。テオフィルスの「月面グー」が見え出し、小型月着陸実証機SLIMの着陸地、キリルス・クレーターもそろそろ朝。西向きの太陽発電パネルがそのままなら発電可能になるのはもう十日ほど待たなくてはなりませんが、日が当たることで機体が温まるため、極寒に耐えていた状態からは解放されるでしょう。再稼働できるのか楽しみです。

縁の海、スミス海、南の海あたりもかなり奥まで見えています。月世界への招待サイト・撮影日記(2024/2/13)で紹介されていた危難の海の「アラニの輝点」も煌めいてますね。つぶさに観察したいところでしたが、呼吸が苦しくなるほどの風とスギ花粉が容赦なかったので、このひとコマの撮影のみで退散しました。片づけ中から雲が覆い始め、夜半過ぎには猛烈な雨が降り出してしまいました。

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