小惑星ベスタが衝です2017/01/18

  • 20170117ベスタ

    2017年1月17日明け方のベスタ
  • 20170118ベスタ

    2017年1月18日明け方のベスタ

かつて「四大小惑星」と呼ばれたケレス、パラス、ジュノー、ベスタ。ケレスは「準惑星」になってしまったけれど、いまだに四大小惑星という言葉はよく聞きます。四天王みたいに語呂が良いのでしょうね。それはともかく、四つの中で小惑星番号4のベスタが本日「衝」を迎えます。衝とは地球をはさんで太陽と反対に位置すること。日が沈むと東から登り、日が登ると西に沈むので、一晩中夜空に見えるため観察の最適期となります。また月に例えると満月の状態ですから、明るさもほぼ最大です。

ベスタが発見されて今年3月で210年。発見日が私の誕生日と一緒なので親近感を覚えます。そんなわけで(?)昨日17日3:40頃と本日18日のほぼ同時刻にベスタを撮影してみました(上画像)。さあ、この中から24時間経って移動したベスタを探してみてください。……なんと意地悪な記事だと思われてしまいますが、「新しい天体を探す」人々はこのような作業を何百時間も何千時間も続けているわけです。もちろんノーヒントですよ。どんなに地道な作業か感じていただけるでしょうか。

画像左下の星団はかに座のプレセペ星団。小惑星ベスタは画像中心をはさんでプレセペの対角側にありますよ。降参という方は右下の答え画像をどうぞ。結構明るいでしょう?

2017年・衝を迎えたベスタの移動
なお衝の時刻を調べると、天文年鑑は20:50、アストロアーツ・天文現象カレンダーも20:50、CalSKYの計算では9.6時(9:36)などとバラバラでした。採用する軌道要素によって数十分以内の差が出てしまうのは分かりますが、朝と夜ほどの差はいささか大きすぎます。

自前で計算したところ、太陽とベスタとの黄経差が180度になるのは9:24前後、同じく赤経差が180°になるのは20:53前後(いずれもステラナビゲーターの軌道要素を使用)でした。つまり衝を黄経で考えるか赤経にするかという違いのようです。定義がバラバラなのは感心しませんね。太陽系天体の位置関係は黄道座標を使ってほしいと思うのですが…。

参考:(※「合」における黄経と赤経についての関連話題です)
金星は内合を過ぎた?過ぎてない?(2015/08/15)
合を迎える木星がミニ太陽だったら…(2015/08/27)

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