天気急回復の空に輝く金星、木星、満月前の月 ― 2023/03/07
昨日は午後に天気が回復、夕方からはほぼ快晴になりました。湿度が高く白んだ空ではあるものの、明るい天体を観察するのに支障はありません。
夕空の金星と木星は随分離れました。左画像撮影時の離角は約4.2°。小型双眼鏡やファインダーでは端と端に追いやられつつあります。昨夕はガリレオ衛星が木星の上下にふたつずつ綺麗に並びました。このレンズに収まるのもあと二日ほどで終わりますが、もっと広い写野のレンズでもう少し追いかけたいと思います。
暗くなると東の中空に満月前の月が煌めきました。何度か確認しましたが、花粉光環は出ていなかったようです。シーイングは悪く、時々大きく揺らぎました。でも見ていて飽きないので、気がつくと南中を越えて日付が変わりそうな時間。結局2時間近くもお月見をしてしまいました。
右画像は6日23:40前の撮影で、太陽黄経差は約16976°、撮影高度は約66.89°、月齢14.31。肉眼ではほぼ真ん丸です。まだ南極地方が見やすい秤動でしたから、拡大撮影しておきました(下A画像)。また3日と4日に撮影したものと南極付近の比較をしたものが下B画像。南極点に一番近いシャクルトン・クレーターの位置を合わせてあります。
昨夜のものは左側(月の西側)も9割がた光に満たされましたね。モレトスあたりは影がほとんど見えません。シューメーカーにやっと光が当たり、クレーターの形が確認できました。緯度秤動が少しずつ戻りつつあるため、アムンゼンなどは若干潰れてきました。イデルソンLにはもう光は届いていません。
南極側だけでなく、明暗境界に沿って北側へ続く地方も観察・撮影しました。下C画像はバイイやピンレが上辺となる向き、下D画像はオリエンタレ盆地外輪やグリマルディが上辺となる向き、下E画像はシュトルーヴェやフォン・ブラウンが上辺となる向きに撮影してあります。詳しく観るチャンスが少ないリムの地形をお楽しみください。
【追記】
画像をつぶさに観察していたとき、ル・ジャンティ・クレーター内にRay現象とおぼしき光を発見しました(左画像/下側は上側の輝度を上げたもの)。詳細な日照シミュレートをした訳ではないため、本当に起こっているのか、たまたま光線と似たように見える地形だったのか、定かではありません。太陽光が実際とズレている気もします。太陽光が来る方向にクレーター壁が作る山脈の切れ目があることは確かなようです。こんな月縁ギリギリで見たのは初めてです…。
夕空の金星と木星は随分離れました。左画像撮影時の離角は約4.2°。小型双眼鏡やファインダーでは端と端に追いやられつつあります。昨夕はガリレオ衛星が木星の上下にふたつずつ綺麗に並びました。このレンズに収まるのもあと二日ほどで終わりますが、もっと広い写野のレンズでもう少し追いかけたいと思います。
暗くなると東の中空に満月前の月が煌めきました。何度か確認しましたが、花粉光環は出ていなかったようです。シーイングは悪く、時々大きく揺らぎました。でも見ていて飽きないので、気がつくと南中を越えて日付が変わりそうな時間。結局2時間近くもお月見をしてしまいました。
右画像は6日23:40前の撮影で、太陽黄経差は約16976°、撮影高度は約66.89°、月齢14.31。肉眼ではほぼ真ん丸です。まだ南極地方が見やすい秤動でしたから、拡大撮影しておきました(下A画像)。また3日と4日に撮影したものと南極付近の比較をしたものが下B画像。南極点に一番近いシャクルトン・クレーターの位置を合わせてあります。
昨夜のものは左側(月の西側)も9割がた光に満たされましたね。モレトスあたりは影がほとんど見えません。シューメーカーにやっと光が当たり、クレーターの形が確認できました。緯度秤動が少しずつ戻りつつあるため、アムンゼンなどは若干潰れてきました。イデルソンLにはもう光は届いていません。
南極側だけでなく、明暗境界に沿って北側へ続く地方も観察・撮影しました。下C画像はバイイやピンレが上辺となる向き、下D画像はオリエンタレ盆地外輪やグリマルディが上辺となる向き、下E画像はシュトルーヴェやフォン・ブラウンが上辺となる向きに撮影してあります。詳しく観るチャンスが少ないリムの地形をお楽しみください。
【追記】
画像をつぶさに観察していたとき、ル・ジャンティ・クレーター内にRay現象とおぼしき光を発見しました(左画像/下側は上側の輝度を上げたもの)。詳細な日照シミュレートをした訳ではないため、本当に起こっているのか、たまたま光線と似たように見える地形だったのか、定かではありません。太陽光が実際とズレている気もします。太陽光が来る方向にクレーター壁が作る山脈の切れ目があることは確かなようです。こんな月縁ギリギリで見たのは初めてです…。