今日の太陽 ― 2021/10/03
更に水平に近くなった夜明けの月 ― 2021/10/04
昨夜は概ね晴れの予報で、透明度が悪いものの夜半までは晴れていました。ところが日付が4日に変わる頃から急に雲が押し寄せ、あっという間に星々を隠してしまいました…。万事休す。
明け方までにいくつか見たい天体がありましたが、全て中止。ただ、時々雲の隙間がやってきたので、夜明けの「水平月」観察に望みを託します。その甲斐あってか、天文薄明開始前と、航海薄明開始後の二回、雲間から月を撮影することができました。
左は4:55頃の撮影で、撮影時の月高度は約24.6°。カメラ内蔵の水準器により水平を正しく合わせてありますから、上方向が天頂方向です。このとき月の弦(カスプ端を結ぶ線)と水平方向とのなす角は-4.19°でした。雲が頻繁に往来するなか、この朝いちばん水平に近い時間帯に撮影できたことは正に奇跡。遠目にはほとんど水平に感じましたが、写真に撮ってじっくり見ちゃうと少しの傾きも気になります。一日前に撮影した月とも比較してみてください。
3:51頃の撮影(撮影高度12.2°)では、左上画像よりも弦傾斜が少し大きく、-5.21°でした。この1時間でわずか1°程度の差ですが、やはり人間の目は鋭いもので、先入観なく見ても傾斜の違いを感じてしまいました。試しにふたつの画像を交互に表示したのが下のアニメーション。欠け際のわずかな変化や月が(水平垂直基準に対して)回転している様子が分かります。いやぁ、理屈でわかっていても、実際に見ると本当に面白いですね。
明け方までにいくつか見たい天体がありましたが、全て中止。ただ、時々雲の隙間がやってきたので、夜明けの「水平月」観察に望みを託します。その甲斐あってか、天文薄明開始前と、航海薄明開始後の二回、雲間から月を撮影することができました。
左は4:55頃の撮影で、撮影時の月高度は約24.6°。カメラ内蔵の水準器により水平を正しく合わせてありますから、上方向が天頂方向です。このとき月の弦(カスプ端を結ぶ線)と水平方向とのなす角は-4.19°でした。雲が頻繁に往来するなか、この朝いちばん水平に近い時間帯に撮影できたことは正に奇跡。遠目にはほとんど水平に感じましたが、写真に撮ってじっくり見ちゃうと少しの傾きも気になります。一日前に撮影した月とも比較してみてください。
3:51頃の撮影(撮影高度12.2°)では、左上画像よりも弦傾斜が少し大きく、-5.21°でした。この1時間でわずか1°程度の差ですが、やはり人間の目は鋭いもので、先入観なく見ても傾斜の違いを感じてしまいました。試しにふたつの画像を交互に表示したのが下のアニメーション。欠け際のわずかな変化や月が(水平垂直基準に対して)回転している様子が分かります。いやぁ、理屈でわかっていても、実際に見ると本当に面白いですね。

今日の太陽 ― 2021/10/04
例えようがないほど素晴らしい水平月 ― 2021/10/05
本日明け方に見えた「水平月」は実に感動ものでした。良い意味での言葉を失うとはこういうことをさすのでしょう。
特集記事「横たわる有明月を観よう」に書いた水平月や逆転月という現象。地味と感じてしまうから、あまり注目されなかったかも知れません。それでもこの三日ほど時間をかけて追いかけた苦労が最終日に報われました。
夜半前まで薄雲が残り透明度が悪かったものの、夜明けに向かってどんどん良くなりました。明け方近くまで明るい彗星を3つ撮影し(後述)、最後にフラットフレームを自動撮影状態にしたまま望遠鏡を放置。そのままカメラを担いで見晴らしのよい近くの広場へ歩いてゆきました。
ところが西から急速に雲が接近!東の低空にも雲が流れているらしく、月が出てくる時間になっても一向に見えません。すでに薄明は始まっていましたが、諦めず待ったところ杯のような月が!予測どおりに弦がほぼ水平の月が見えたときには思わず「やったー」と叫んでしまいました。
本日明け方、当地では4:33と5:48に弦傾斜が0°、つまり完全な水平月になり、その間の時間は逆転月、つまり右下が光る有明月になりました。と言っても弦傾斜が最大で+0.398°(5:11)でしたから、肉眼ではもちろん写真をとっても判別不可能。これくらい細い月になるとカスプ付近は地形の影だらけになって、正確なカスプ位置が分からなくなるんです。
左は5:07頃の拡大撮影。一時間以上集中して観察した中では、いちばん空のコンディションが良かったときのものです。これはズームデジカメのみで撮影しており、望遠鏡は使っていません。それでもリムぎりぎりの地形が鮮明にわかりますね。
何より驚いたのは、明日は新月という細い月なのに、暗いうちからよく見え、高く登ってもなかなか空が明るくならなかったこと。極細の月は明るいうちにすぐ沈んだり、明るくなってからようやく登るもの。でも「水平月」の場合は太陽が真下にいるわけですから、離角はすべて縦方向の成分となって無駄がありません(右図参照)。細い月を一時間追いかけてもまだ良く見える、という極めて貴重な体験でした。
右に10月3日から今日まで三日間の変化をGIFアニメーションにして掲載しておきます。拡大してご覧ください。それぞれ同一縮尺で、傾きだけでなく月の見かけの大きさも変わっていることが分かるでしょう。なお、ここまでの月画像はすべてカメラ内蔵水準器で水平出ししてあります。
完璧な水平ではないけれど、11月頭にもまだチャンスがあります。南西諸島付近以南では水平月や逆転付きになるでしょう。晴れたらまた楽しみたいと思います。
時間が前後しますが、日付が変わる少し前から彗星をみっつ撮影しました。ひとつめは9月下旬にバーストが確認されたシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)。相当明るくなっており、10等台ではないかと思われます。相変わらず変な形ですね…。残り2つは10月2日にも撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)とフェイ彗星(4P)。両彗星とも立派な姿です。フェイ彗星はちょうど散光星雲Sh2-261のど真ん中を航行中でしたので、恒星基準でコンポジットしてみました。美しいですねぇ…。
特集記事「横たわる有明月を観よう」に書いた水平月や逆転月という現象。地味と感じてしまうから、あまり注目されなかったかも知れません。それでもこの三日ほど時間をかけて追いかけた苦労が最終日に報われました。
夜半前まで薄雲が残り透明度が悪かったものの、夜明けに向かってどんどん良くなりました。明け方近くまで明るい彗星を3つ撮影し(後述)、最後にフラットフレームを自動撮影状態にしたまま望遠鏡を放置。そのままカメラを担いで見晴らしのよい近くの広場へ歩いてゆきました。
ところが西から急速に雲が接近!東の低空にも雲が流れているらしく、月が出てくる時間になっても一向に見えません。すでに薄明は始まっていましたが、諦めず待ったところ杯のような月が!予測どおりに弦がほぼ水平の月が見えたときには思わず「やったー」と叫んでしまいました。
本日明け方、当地では4:33と5:48に弦傾斜が0°、つまり完全な水平月になり、その間の時間は逆転月、つまり右下が光る有明月になりました。と言っても弦傾斜が最大で+0.398°(5:11)でしたから、肉眼ではもちろん写真をとっても判別不可能。これくらい細い月になるとカスプ付近は地形の影だらけになって、正確なカスプ位置が分からなくなるんです。
左は5:07頃の拡大撮影。一時間以上集中して観察した中では、いちばん空のコンディションが良かったときのものです。これはズームデジカメのみで撮影しており、望遠鏡は使っていません。それでもリムぎりぎりの地形が鮮明にわかりますね。
何より驚いたのは、明日は新月という細い月なのに、暗いうちからよく見え、高く登ってもなかなか空が明るくならなかったこと。極細の月は明るいうちにすぐ沈んだり、明るくなってからようやく登るもの。でも「水平月」の場合は太陽が真下にいるわけですから、離角はすべて縦方向の成分となって無駄がありません(右図参照)。細い月を一時間追いかけてもまだ良く見える、という極めて貴重な体験でした。
右に10月3日から今日まで三日間の変化をGIFアニメーションにして掲載しておきます。拡大してご覧ください。それぞれ同一縮尺で、傾きだけでなく月の見かけの大きさも変わっていることが分かるでしょう。なお、ここまでの月画像はすべてカメラ内蔵水準器で水平出ししてあります。
完璧な水平ではないけれど、11月頭にもまだチャンスがあります。南西諸島付近以南では水平月や逆転付きになるでしょう。晴れたらまた楽しみたいと思います。
時間が前後しますが、日付が変わる少し前から彗星をみっつ撮影しました。ひとつめは9月下旬にバーストが確認されたシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)。相当明るくなっており、10等台ではないかと思われます。相変わらず変な形ですね…。残り2つは10月2日にも撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)とフェイ彗星(4P)。両彗星とも立派な姿です。フェイ彗星はちょうど散光星雲Sh2-261のど真ん中を航行中でしたので、恒星基準でコンポジットしてみました。美しいですねぇ…。













