2024年秋に明るくなりそうな紫金山・アトラス彗星2023/03/15

20230315_紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
今年1月9日に発見された紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3/Comet Tsuchinshan-ATLAS)が来年秋に肉眼彗星となる見込みだそうです。現時点での最大予報光度は1等から0等程度になるとみられ、予報によってはマイナス等級に達するという報道も耳にします。まぁ彗星のことですからね、話半分、期待半分くらいに考えるとして…。準備だけはしっかりしておきましょう。

今は明け方に月がありますが、昨夜から今朝にかけて晴れ間があったので、のぼってきた「へび座(頭部)」にいる紫金山・アトラス彗星を試し撮りしてみました。機器調整を兼ねたもので雲もあったため像は悪いけれど、なんとか彗星の姿を確認できました(左画像)。まだ尾は全く見えず、頭部のみ光っています。彗星すぐ左側のオレンジに輝く輝星はHIP74901(5.85等)。周囲にある微光星等級を参考に明るさを見積もると、17等後半のようです。

20230315_紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)光度予報
右は星仲間の吉田誠一氏による光度予報曲線と、COBSによる観測データのプロットです。暗いためまだあまりデータは集まっていませんが、18等台から17等台へ上がってきたことは間違いなさそうですね。順調に育ってほしいものです。

紫金山・アトラス彗星は近日点通過日の2024年9月27日UTごろに0.39AUまで太陽に近づくそうで、その前後半月間ほどが光度のピークです。計算によると10月7日-11日ごろ太陽観測衛星SOHOの写野に入る見込みで、どんな姿を見せてくれるか楽しみですね。

夜間(太陽が空に見えない時間)に限ると、ピーク期間に観察可能なのは9月末から10月頭、薄明中の東の超低空しかありません。でも本当にマイナス等級になったら昼間の青空でも見える可能性もあるでしょう。実際にどうなるか、みなさんの目と機材をフル活用して追いかけましょう。(※下画像はマイナス等級になって明るい薄暮中や昼間の青空でも見えたマックノート彗星(C/2006 P1)の例。C画像は正午ごろの固定撮影で楽勝でした。たくさんの方が南半球まで遠星しましたね。)

  • 20070109_マックノート彗星(C/2006 P1)

    A.2007年1月9日
  • 20070110_マックノート彗星(C/2006 P1)

    B.2007年1月10日
  • 20070114_マックノート彗星(C/2006 P1)

    C.2007年1月14日


コメント

トラックバック