オリオン宇宙船が月を横切り地球帰途へ2022/12/05

20221203オリオン宇宙船撮影の月
NASA・アルテミス1・オリオン宇宙船のFlickerに飛行18日目・12月3日撮影の月が掲載されていました(ID:art001e001983)。これを2022年12月4日記事に掲載した3日撮影の月面と突き合わせてみました(左画像)。※オリオン宇宙船の月画像は原画を反時計回りに140°あまり回転してあります。

月の裏側がかなり隠れ、ずいぶん見慣れた景色になってきましたね。目立つ海のほか、光条や大きなクレーターも特定できるでしょう。今日現在の宇宙船は地球と月との間を通りつつ次第に減速し、今夜夜中の月フライバイを迎えます。

フライバイ前後の月と宇宙船の相対位置関係を図にしてみました(右下図/表記日時はJST)。ただし今日時点で最新のJPL-HORIZONSデータに基づく測心視位置です。2022年11月21日記事の下部に掲載した図で(E)から(F)に移行する部分の拡大に相当します。

20221206オリオン宇宙船の測心視位置
原点は月心、中央の薄黄色円は模式的な月の大きさ、X軸が月心に対する宇宙船の赤経差(EASTポジティブ)、Y軸が同赤緯差、各青丸印は毎10分ごとの位置、青塗り丸印+実線は月より手前、白塗り丸印+点線は月より遠いことを意味します。

図の通り日本時間の今夜真夜中ごろに(月に対して)順行で月面を横切って裏へ回り、逆行で月の向こう側を通り抜けるという凄いルートを通ってゆくみたい。実際のこのスイングバイは加速して遠くへ行くためではなく“止まる”ためのもので、月と一緒に地球を周回していた運動に急ブレーキをかけ、地球へ落下する運動へ変更させる役目があります。燃料を使うことなく宇宙空間で止まるなんて、誰がこんな曲芸飛行を思いついたのでしょう。ただただ感心するばかりです。

これで月探査の模擬過程はひと通り終了、いよいよ地球に戻ってきます。宇宙船が見えなくとも実際の空で月を仰ぎながら見守りたかったけれど、関東はただいま絶賛降雨中…。なお戻る途中は宇宙船にたっぷり日が当たる方向から地球へ接近するので、ひょっとしたらどこかの段階でアマチュアの望遠鏡でも検出できるかも知れませんね。

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