SOHOにアトラス彗星が現れました&今日の太陽2025/01/11

20250111-0630UT_SOHO-LASCO-C3
太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラ写野にアトラス彗星(C/2024 G3)の姿が見えてきました。途中で崩壊しない限り、本日から15日6時UT頃まで写野内を通過してゆきます。しっかりした尾が地上から観察されていますので、SOHO画像も大いに期待できそうです。

日の出前、南東の超低空に輝くアトラス彗星の撮影を試みている方はたくさんいらっしゃるでしょう。C3カメラ写野は半径が約8°なので、今日昼現在のアトラス彗星は(見かけ上)太陽から8°しか離れてないってことです。頑張って早朝に撮影してるのはそれくらい太陽に近い空なので、空が明るすぎて苦戦されていることでしょう。天文が好きな方なら「腕を伸ばしたとき、指4本分の幅がだいたい8°」ってご存知ですよね。普段は夜用望遠鏡など絶対向けない、メチャクチャ明るいところですよ…。

20250111昼間のアトラス彗星(C/2024 G3)
ここ数日なぜかSOHOデータが止まっていて(火災のせい?らしい)、アトラス彗星がいる画像の取得ができないんじゃないかと心配でしたが、今日朝に復活したようです。ぎりぎりセーフ。写野を出るまでの間、折りを見て当ブログでも経過を掲載したいと思います。

それからSOHO記念(?)に、今日の昼過ぎに青空の中のアトラス彗星も撮影してみました(右画像)。13:30過ぎ頃ですが、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の時と比べてモニター上で存在がはっきり分かりました。約9分角のしっかりした尾が写り、王者の風格があります。近日点通過まであと二日。もっと発達するでしょう。楽しみです。※SOHO画像は黄経方向が左右方向に沿うようにして公開されています。対して私の前出青空画像は赤経方向が左右(画像上方向が天の北)なので、画像内の尾の向きが少し異なるでしょう。

なおこの昼間の画像は600枚のfitsを加算平均後、背景をかなり無理してフラットにしました。実際は太陽に向かって修正不能なほど急勾配な輝度レベルです。太陽近傍の淡い彗星を取り出すのは容易ではありません。もちろん肉眼では見えませんし、危ないから見てはいけません。IRパスフィルターを使う手もありますが、IRパスだと彗星光の一番強いところをそぎ落としてしまうため、空の状態によっては写りを弱めてしまうリスクもあります。星雲のナローバンド撮影のような感覚はNGでしょう。個人的に、ノーフィルターで写りにくい対象や撮影方法はIRパスを使ってもあまり変わらないという印象を持っています。まずはノーフィルターで十分検出できる方法を追求するべきと考えています。様は青空光が邪魔な訳ですから、例えば明るいYフィルターで青光だけカットし、緑以降の波長を全て使えば彗星光の有効な部分を必要以上にカットしないで済みます。この場合、カラーカメラより白黒カメラのほうが有効ですね。

20250111太陽
さて、今日も良い天気で太陽観察できました。風は弱まっており過ごしやすいです。

20250111太陽リム
左は10:30ごろの太陽。中央左上の黒点群は昼時点でまだ採番されていません。こんなに目立ってるのに…。右下のプロミネンスがいよいよ見えてきました。飛び飛びの橋梁みたいで何とも不思議な構造ですね。

【夜追記】
冒頭画像から3時間後、6時間後、9時間後のSOHO画像および通過予想図(日時はUT)です。紫金山・アトラス彗星の感動がよみがえる!?本日はここまで。

  • 20250111-0930UT_SOHO-LASCO-C3

    A.1月11日18:30JST
  • 20250111-1230UT_SOHO-LASCO-C3

    B.1月11日21:30JST
  • 20250111-1530UT_SOHO-LASCO-C3

    C.1月12日0:30JST
  • 2025Jan__SOHO-C3_C/2024 G3

    D.通過予想図


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