火星が地球に最接近2025/01/12

20250112火星
昨夜は宵から穏やかに晴れ、ここ数日間悩みの種だった強風も弱まりました。天気は下っていますが夜半までは大丈夫。ということで金星、土星、火星に望遠鏡を向けました。

まず夜半過ぎの火星からご紹介。左画像は12日になって30分ほどすぎた頃に撮影したもの。実は本日が火星の地球最接近日(瞬時は22:32ごろ)ということで、夜の天気は確実にダメそうなので22時間前に撮った次第。「冬にしては良いシーイング」という言葉で形容しきれないほど良く見えました。撮影高度が78°超えだったことも一役買っていたのでしょう。接近日に合わせて良い空に恵まれるのは本当に嬉しい。視直径わずか14.58秒角ながら、キンメリア人の海やエリシウム山、姿を現しつつある大シルチス、大地を覆う薄い雲などが見えます。

今回の接近は数ある地球接近の中では遠い「小接近」になります。なんか「四天王の中では最弱」みたいな言い方だ…。次回2027年2月20日の接近が近年で最も遠く、地球接近の折り返し点です。約10年後の2035年9月11日が次の「大接近」になります。なお火星の衝は16日。しばらくは明るくて見易い状態を保つでしょう。

    【2025年1月16日・衝付近の火星メモ】
  • 黄経衝の瞬時:16日 11:38:35 JST
  • 赤経衝の瞬時:17日 1:53:23 JST
  • 地球最接近:12日 22:32:16 JST、0.642277 AU
  • 位相角最小の瞬時:16日 11:00:32 JST、2.5918°


下A・B画像は11日宵に撮影した金星と土星。かなり悪シーイングでした。金星は10日の東方最大離角時に撮影したかったけれど、晴れているのに暴風で諦めました。まあ一日違いなので半月状態は保たれていますね。土星撮影開始時はまだシーイングが悪かったものの、どうしたことか急速に改善。時々乱れつつも全体的に良像を結んでくれました。わずかにカッシニの間隙も見えます。撮影時の環の傾斜は約3.84°で、着々と薄くなってますね。

火星撮影を終えて10分もしないうちに月が朧になってきました。南西から薄雲がやって来るのが見えます。1時間も過ぎると明瞭な月暈が見え出しました。下C画像は2:30ごろベランダから見た様子。幻月や環天頂アークを期待したけれど氷粒が揃ってなかったようですね。火星は逆行しているので、冬の超大三角のシリウス・プロキオンのラインよりもかなり内側に入ってしまいました。1月17日にはカストル・ポルックスのライン上に火星が並び、今期二回目のみつご座を迎えます(→2024年11月2日記事参照)。

  • 20250111金星

    A.1月11日宵の金星
  • 20250111土星

    B.1月11日宵の土星
  • 20250112月暈と星々

    C.1月12日未明の月暈


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