噴火で島が消えた…2022/01/20

フンガ・トンガ比較
島影がなくなるほどだったフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山噴火。もう5日経ちますが、この間に世界に与えた影響は計り知れないでしょう。左画像はESAの地球観測衛星センチネルによる火山付近の高精細画像(Sentinel Hubサイトから引用)で、撮影日は左が昨年12月8日、右が噴火後の今年1月17日、全く同じ位置です。本当に島が無くなりました。

発表当初は解除の見込みが立たないとされた日本の津波警報・注意報も16日午後に解除され、昨日19日には同噴火に伴う津波予報も終了との報道がありました。実際の潮位変化はどうなのか気になったので、1月17日記事に掲載した潮位のグラフを噴火前日の14日0時から本日20日10時まで広げて描いてみました(右下図)。

噴火に伴う潮位変化
避難に値しない程度なのでしょうが、17日から18日にかけてもまだ平時に戻っているとは言い難いでしょう。昨日・今日はだいたい収まっているけれど、特に北側でまだ少し影響が残ってるようにも思います。潮位は気象状況にも左右されるので、詳しく調べたいところです。

衛星画像を見ていくと、冒頭画像のようにいきなり噴火で島が無くなったという単純なことではないことが分かりました。約1ヶ月半の様子を5シーン抜粋して手動アニメーションを作ってみたので下に掲載します。画像下のアイコンをクリックして前後させてみてください。

当初は島全体の幅が東京・皇居のお堀から完全にはみ出るくらい、あるいは富士山近くの山中湖程度の大きさでした。(※あくまで海上に見える部分の話。海底火山全体ではありません。)昨年12月まで細長い体型を保っており、これは少なくとも5、6年前まで遡ってもほぼ一定でした。(※元々2つの島…フンガ・トンガとフンガ・ハアパイだったものが、2015年頃の噴火でつながったとのこと。)ところが今年になってすぐの1月2日画像では島面積が倍近くに膨らみ、中央に見えた火口位置も変わっています。大量の溶岩が流れ出たのか、火山の一部が隆起したということでしょうか?またこの頃から海面変色域が急速に拡大していますね。膨らんだ島の形は1月12日画像でも維持されています。その後に大噴火…という流れでした。消えたのは前述の2015年までにつながった部分ですが、2つの島もそれぞれ小さくなりました。東京中心部が跡形もなく消えたと考えると背筋が凍りますね…。

付近の島の痛ましい現状に心が痛みますが、あえて言えばこれも地球という惑星の「ごく普通の出来事」です。人間に限らず、あらゆる生命は自然の驚異に抗って今日まで命を繋いできたのですね。




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