小惑星7482が地球に接近しました2022/01/19

20220118小惑星7482(1994 PC1)
1月12日記事で取り上げた小惑星7482(1994 PC1)が本日19日7時前JSTに地球へ最接近しました。地球は…無事のようですね。

日本では最接近時に見えませんでしたが、昨夕にある程度の高度が出たので撮影してみました。日中の強風が残っていたため、当初予定していた焦点距離を短くして、風振動が目立たない機材にしました。小惑星は想像より明るく感じ、カメラの小型モニターではっきりわかるほど。10秒露出でも動いてしまうため点像は諦め、30秒露出の線像で撮影を進めました。

左は40分間の露出を比較明コンポジットしたものです。およそ5×3°角の写野ですが、こんなに動いてしまってます。最接近直前ですからねぇ…。直径1km内外の小惑星接近を好条件で観察できるチャンスはそんなに多くないため、満月夜ですががんばりました。

20220118小惑星7482(1994 PC1)
容量制限のためクロップ&階調圧縮しましたが、全コマ使ってGIF動画にすると右のようになります(注:1.4MB)。クリックしてご覧ください。再生スピードは実際のおよそ150倍速に相当します。左下から右上に向かっているのが対象の小惑星、右上から左へ横切っているのは人工衛星と思われます。

小惑星7482(1994 PC1)は今夜も11等ほどでうお座からアンドロメダ座へ、明日20日も12等でアンドロメダ座からとかげ座へ向かって動くのが見えます。速度が遅くなるため最接近近くの時間帯より狙いやすいかも知れません。ご興味ある方は望遠鏡を向けてみましょう。

20220118_18659月
さて、夜中が近くなると風もやんでシーイング・透明度とも良好になりました。満月過ぎの月が空高く見えたので撮影してみました。

左は18日23時前の撮影で、太陽黄経差は約186.59°、撮影高度は約67.0°、月齢は15.81。満月瞬時から約14時間後の様子ですね。影が右側(月面の東側)に移りつつありますが、昨日の記事でも書いたように南極側にもかなり影が残っています。今回の満月はけっこう「丸くない」状態でした。

20220118_シリウス
肉眼で大気のゆらぎが少なく感じたとおり、望遠鏡を向けたらやはりシーイングは(この時期にしては)良かったです。同じ快晴夜でも一晩前とは雲泥の差。月面地形が細部までクリアでした。オリエンタレ・ベイスンが左下リム沿いにチラッと顔をのぞかせています。今月は秤動条件が悪いものの、22日から23日ごろにオリエンタレ・ベイスン付近が極大になるでしょう。

シーイングチェックに使っているシリウスBも右画像のとおり、シャープではないけれどバッチリ見えました。寒くなければいつまでも見ていたい、素晴らしい星月夜です。

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