2018年の台風24号が発生2018/09/22


20180922-0300台風24号
昨日台風になりそうだと言われていた熱帯低気圧は21日21時に台風24号「チャーミー/TRAMI」となりました。直前の台風23号発生から10日と12時間後、また直前に消滅したのは23号でなく22号なので、22号消滅からは4日と6時間後になります。

左画像は発生から6時間経った本日22日3:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間なので赤外線の白黒画像です。赤点円は台風中心の直径1000km円を示します。24時間前の画像と比べ大きく変わった訳ではありません。

現在は西進していますが、25日以降の予報円が凄まじく大きくなっており、つまりは予報が極めて不確かだということです。気象庁予報だけでなく、世界各地の主な気象モデルを見てもかなりばらけていますね。なんとなく本州側に来そうな気もしますが…。ただ、25日頃までに「非常に強い」クラスになることは確かなようです。果たして一週間後どうなっていますやら。

2018年10月1日のグレージング現象2018/09/22

20181001グレージングgifアニメ
星仲間から相談があり、約10日後の10月1日夜に起きるグレージング現象(接食掩蔽/Grazing Occultation)についての地図を作ることになりました。せっかくなので当記事内に公開しておきます。現象が観察できそうな方は参考にしてください。

恒星が月に隠される「掩蔽」という現象の中で特に貴重なのが、今回のような縁ギリギリを通る接食掩蔽です(接ではなく接)。単純に恒星が消えて、また出て終わり、というだけでなく、月縁のデコボコにあわせて何度も点滅する様子が観察できるのです。対象が二重星であれば片方だけ隠されて「少し暗くなった」と言うような滅多に出会えない状況に遭遇することも。仲間同士で複数の観測布陣をすれば、点滅の時間差から月の地形を浮かび上がらせることができます。

今回隠されるのはオリオン座χ1星(約4.4等)。対する月は中秋の名月を過ぎていますから下弦前の豚まんみたいな形。左上図をクリックすると早回しのシミュレーションアニメを見ることができます(上側の白い点がχ1星)。グレージングは皆既日食並みに狭い範囲でしか観察できませんが、それでも今回は本州から四国、九州まで横切るとても長いルート上で観察可能です。日付が2日に変わる直前に起こりますが、ご興味ある方はぜひ望遠鏡で眺めてください。低空ですから、前もって視界を確かめておくと良いでしょう。地図下のコメントもお読みください。

地図中央位置


接食掩蔽用語解説
本格的に観測する方は鈴木寿さんのサイト星食観測日本地域コーディネーターのオフィシャルサイトなどをご覧になると良いでしょう。上の地図は接食ギリギリの場所だけでなく幅広く描いています。これは、事情があって基準線(地図上の赤線:ゼロライン)近くまで行けないけれど、南側10km程度でまでなら近づけるという方々も想定しています。

  • 今回の接食は月の北側で起こります。従って予報ライン群より南側では掩蔽が起こりますが、北側ではかすりもしません。

  • 恒星が理想月縁に接する点を接食点と呼びます。接食点の位置はいくつかの角度で表現されますが、右図を頭に入れておくと良いでしょう。(これは1995年2月19日のスピカによる接食掩蔽の例。)なお角度表示はローカルルールもあるため、たまに正負が逆だったり0から360度でなく-180から180度だったりします。この現象に限らず表記データがどんな記述ルールなのかきちんと明記してない場合が多いので、初めての方は気を付けてください。

  • 地図をドラッグ移動すると中央+マークの経緯度が地図欄外下部に表示されます。また基準の赤線(ゼロライン)上にある◎アイコンをクリックすると、現象日時などのデータが表示されます。◎アイコンは経度0.1度ごとに計算しました。表示データや地図ファイルはOccultという天文計算ソフトと自作ソフトを組み合わせて算出しています。このうち、方位角は北を0°、東を90°…という具合に右回りに測った角度です。

  • 予報ラインは赤線の他に緑線、青線、灰色線があります。緑線・青線は1.0kmおきのライン、灰色線は0.5kmごとの補間です。各線をクリックすると基準線から何km離れているか表示されます。また計算データは標高0mを基準としています。表示データのうちTanZと予報線方位は観測標高補正に使うための数値ですが、補正方法はやや難しいので当記事では扱いません。

  • ◎アイコンのなかで赤色のものは小数端数のない経度(135.0000度など)です。このうち奇数経度の赤◎アイコンクリックで表示されるデータには「リンク:月縁プロファイル画像」の項目があります。リンクをクリックすると別窓で月縁予報画像が表示されます。図の中央近く、黄色のドットが接食点です。月縁画像の縦軸は地図のゼロラインからの距離(北側はプラス、南側はマイナス)で、地図のラインに対応しています。また横軸のmは「分」です。予報時刻プラスマイナス5分程度は観察に徹することができるよう、余裕を持って準備しましょう。

  • 例:東経135.0度アイコンにもっとも近い-3.0km地点で観察すると、予報時刻23:53:18の1分前には谷間に星が光って見え、23:53:18には月に隠れ、1分後にはまた谷間に星が光って見える、という予報になります。月縁の谷間や山が入り組んだラインを見つけて観測地にすると、とても見応えがあるでしょう。観測地の検討は一番近いデータの時刻や月縁画像を参照してください。初めての方や不慣れな方は「観測」などと意気込まなくて良いですから、恒星を見失わない程度に倍率を上げ、眼視で楽しみましょう。

  • 記事内のデータや図版などは予告なく変更、更新、削除することがあります。



今日の太陽2018/09/22

20180922太陽
昨日は一日小雨続き、今日も昼過ぎまでどんよりしていました。最高気温も25度台まで落ちました。平年並みと言えば平年並み。

20180922太陽リム
夕方16:30頃になって西の雲が少し取れ、雲間から日が差しました。太陽高度はすでに10°でしたが、貴重なので撮影しておきました。かなり潰れて円形から外れています。活動領域はありませんが、左やや上リムにかなり大きいプロミネンスが確認できました。お彼岸の連休は晴れるでしょうか?