嵐後の明け方の月惑星2023/07/11

20230711_27904月
昨夕は予報通り雷雨となり、竜巻注意情報が何度も発令されました。幸い当地・茨城県南部は雷雲エリアが掠める程度でしたが、それ以外の地域は結構な雨量だったようです。夜半を過ぎると回復し、明け方までに快晴となりました。起きだすのがギリギリになってしまったけれど、月や惑星を眺めることができました。

左画像は11日4時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約279.04°、撮影高度は約51.80°、月齢は22.60。下弦を過ぎて、明暗境界が凹み始めました。天気回復直後だからかシーイングはやや悪く、細かい乱れと大きな乱れが複合していました。

欠け際付近にゴルトシュミット、プラトー、アルキメデス、アルフォンスス、デランドル、ティコ、マギヌス、クラヴィウスなどが並んでいます。直線壁もひと晩前に比べとても目立ちました。バイイが見え始めており、すぐ北側のズッキウスやベッティヌスをたよりに探すと、バイイA、Bあたりがリム近くに見えているのが確認できます。

20230711_月面南部明暗境界
試しに露光オーバー気味に撮影したのが右画像。プトレマイオスや直線壁からクラヴィウスまでをトリミングしました。プトレマイオスとマギヌスが下弦側のRay現象を起こしていました。プトレマイオスRayはかなり暗く、よほど注意してないと見逃します。クレーター底が水平かつ平坦で、Rayを浮き立たせる傾斜がないことが分かります。またマギヌスRayはちょうど魔女の顔を反対から照らした状態で、これはこれでアゴの細い何かの顔に見えなくもありませんが、先入観が過ぎるでしょうか。

また、計算上は今夜ピタトゥスRay現象が起こるはずですが、明日(12日)明け方にはもう暗くなってしまいます。ピタトゥスとヘシオドスは小さな谷で繋がる団子兄弟(or雪だるま)状のクレーターなので、同じ谷を通る光が上弦側でヘシオドスRayを、下弦側でピタトゥスRayを引き起こします。なかなかタイミングが難しいのですが、ぜひこのふたつはペアでご覧になってください。

土星と木星は十分なフレーム数が得られたにも関わらず、全く解像しませんでした。何通りかスタックや画像処理を試したけれど、後処理でどうにかなる気配はありません。月で言うとコペルニクス・クレーター内部を強拡大するような倍率なので、細かく揺らぐ大気の影響を避けられませんでした。安定した空が恋しいです…。

  • 20230711土星

    A.11日明け方の土星
  • 20230711木星

    B.11日明け方の木星


コメント

トラックバック