ZTF彗星を初観察2022/04/30

20220429_ZTF彗星(C/2022 E3)
昨日明け方の晴れ間にZTF彗星(C/2022 E3)を狙ってみました。まだ暗いのでもう少し先に予定していましたが、せっかく安定した晴れ間だったことと、望遠鏡の向きが都合良かったからです。なお同じ名前で1年違いのZTF彗星(C/2021 E3)もありますから、間違えないようにしてください。

この天体はZwicky Transient Facilityプロジェクトにより3月頭に小惑星状天体として発見されましたが、大望遠鏡による追跡調査ですぐにコマが確認され、彗星として扱われました。その後の軌道推算によって2023年2月頭頃には肉眼彗星級になる予報が出され、興味を持ちました。

主に空の北半球を移動するため、太陽とともに出没する一部の期間を除いて日本からは観察しやすい彗星です。現在はわし座といるか座の境界付近を北上中。少し前までは薄明低空で望遠鏡を向けにくかったのですが、ようやく撮影できる高度になってきました。昨日明け方は透明度が悪化しつつあったものの、シーイングが安定して撮りやすかったです。

いざ撮影してみると左上画像の通り流石にコマまでは分からず、小惑星状と見間違ってしまうのも分かる気がしました。15等に乗ったかどうかギリギリの彗星に対し、運悪く11.9等の恒星がすぐ近くにあり、重なってしまうかとヒヤヒヤしながら撮影…。なんとか「接する」だけで済みました。

ZTF彗星(C/2022 E3)光度曲線
現時点の光度予報曲線およびCOBS観測データを右に掲載します。さすがにこの光度では眼視観測はなさそうですね。地球への最接近は2023年2月1日UTごろで、このタイミングで光度も最大を迎えます。太陽接近はそれより少し前の1月12日ごろ。近日点距離が1天文単位より遠く、だいぶ大回りする軌道のようです。

実際にどの程度まで成長するか、時が経たないと分かりません。それが彗星観察の醍醐味でもあります。楽しみですね。

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