今年2つ目の1kmクラス小惑星が接近中 ― 2022/04/21
直径1kmクラスの地球近傍小惑星が接近しています。最接近は5月27日23:26ごろの予報。この他にも直径500mクラスの地球近傍小惑星がふたつ接近中。
以前に掲載した2019年5月21日記事内にある直径1km内外の小惑星接近リストにも載ってますが、今回接近するのは「小惑星1989JA(7335)」。今年に入っての1kmクラス接近は小惑星1994PC1(→2022年1月19日記事参照)についで2つ目です。※ここで言う直径は「平均見積もり」です。表面反射率などが詳しく分からない小惑星は直径が正確に分からないため、見積もりに幅があるのです。見積もり幅最大での直径が1kmクラスのものなら、もうひとつ小惑星2001CB21(見積もり最大直径は約1.2km、平均直径は約700m)が3月4日に地球接近しました。
5月下旬接近の小惑星1989JAは現在16等中盤程度で、うしかい座とへび座の間をゆっくり移動しています(下A図/ステラナビゲーター使用)。冒頭画像は4月10日の撮影で、今より1等ほど暗い状態でした。一ヶ月後には11等台に入って捉えやすくなりますが、高度がどんどん下がることに加え、移動も早くなります。最接近時は日本からほぼ見えなくなるため、その前の10日間ほどが見頃でしょう(下B図)。ぜひ狙ってみてください。なお最接近時の距離は10.47LD(LDは地球・月間の平均距離=384400km)ですからぶつかる心配はありません。
500mクラスで接近中なのは「小惑星2008AG33」と「小惑星2006JF42」(下C・D図)。小惑星2008AG33は4月28日、小惑星2006JF42は5月9日が地球最接近日で、距離はそれぞれ8.43LDおよび14.86LD。どちらも未明の空に昇っていますが18等台です。しかも明るくなる最接近日を待たずに低い空から南天へ移動してしまいますから、小口径では見頃・撮り頃が確保しづらいかも知れませんね。
年内での1kmクラス接近はこれでおしまい。500mクラスは小惑星2006YT13(推定平均直径700m/CNEOSデータベースでは約500m)が7月20日に接近しますが、これも接近して明るくなる前に南天へ消えてしまいます。既知の大きな地球接近小惑星はこの4・5月がラストチャンスでしょう。ゴールデンウィークなどを利用して観察してみてください。良い空に恵まれますように。
※今回の記事に登場した7482 (1994 PC1)、7335 (1989 JA)、138971 (2001 CB21)、418135 (2008 AG33)、467460 (2006 JF42)、349068 (2006 YT13)は全てNEO(地球近傍天体/Near-Earth Object)およびPHA(潜在的に危険な小惑星/Potentially Hazardous Asteroid)に分類され、2006 JF42はアテン群、その他はアポロ群に属します。
以前に掲載した2019年5月21日記事内にある直径1km内外の小惑星接近リストにも載ってますが、今回接近するのは「小惑星1989JA(7335)」。今年に入っての1kmクラス接近は小惑星1994PC1(→2022年1月19日記事参照)についで2つ目です。※ここで言う直径は「平均見積もり」です。表面反射率などが詳しく分からない小惑星は直径が正確に分からないため、見積もりに幅があるのです。見積もり幅最大での直径が1kmクラスのものなら、もうひとつ小惑星2001CB21(見積もり最大直径は約1.2km、平均直径は約700m)が3月4日に地球接近しました。
5月下旬接近の小惑星1989JAは現在16等中盤程度で、うしかい座とへび座の間をゆっくり移動しています(下A図/ステラナビゲーター使用)。冒頭画像は4月10日の撮影で、今より1等ほど暗い状態でした。一ヶ月後には11等台に入って捉えやすくなりますが、高度がどんどん下がることに加え、移動も早くなります。最接近時は日本からほぼ見えなくなるため、その前の10日間ほどが見頃でしょう(下B図)。ぜひ狙ってみてください。なお最接近時の距離は10.47LD(LDは地球・月間の平均距離=384400km)ですからぶつかる心配はありません。
500mクラスで接近中なのは「小惑星2008AG33」と「小惑星2006JF42」(下C・D図)。小惑星2008AG33は4月28日、小惑星2006JF42は5月9日が地球最接近日で、距離はそれぞれ8.43LDおよび14.86LD。どちらも未明の空に昇っていますが18等台です。しかも明るくなる最接近日を待たずに低い空から南天へ移動してしまいますから、小口径では見頃・撮り頃が確保しづらいかも知れませんね。
年内での1kmクラス接近はこれでおしまい。500mクラスは小惑星2006YT13(推定平均直径700m/CNEOSデータベースでは約500m)が7月20日に接近しますが、これも接近して明るくなる前に南天へ消えてしまいます。既知の大きな地球接近小惑星はこの4・5月がラストチャンスでしょう。ゴールデンウィークなどを利用して観察してみてください。良い空に恵まれますように。
※今回の記事に登場した7482 (1994 PC1)、7335 (1989 JA)、138971 (2001 CB21)、418135 (2008 AG33)、467460 (2006 JF42)、349068 (2006 YT13)は全てNEO(地球近傍天体/Near-Earth Object)およびPHA(潜在的に危険な小惑星/Potentially Hazardous Asteroid)に分類され、2006 JF42はアテン群、その他はアポロ群に属します。