互いに離れた三つの接近ペア!?2023/03/28

20230328夕空の月惑星
今日も当地・茨城は雨模様。当分すっきり晴れることは無さそうです。何日か前、悪天続きに辟易しながら星図ソフトで数日分の月惑星動向を調べていたら、本日28日に「火星と月」「金星と天王星」「水星と木星」の3ペアがそれぞれ接近することに気がつきました(左図/Stellariumによる)。これはかなり珍しいかも。

18時時点の離角は水星・木星間が1.3135°、金星・天王星間が3.1117°、月・火星間が3.0357°(※日本経緯度原点から見た測心計算)。それぞれ小型双眼鏡で同一視野に見えます。ですが面白いと感じたのは各ペアの間が20°以上も離れているところなんです。

三つ以上の月惑星が互いに接近し、双眼鏡で一望できるようなチャンスは割りと頻繁に起こります。また月惑星のうち接近している二組がある程度離れて見えていることもよくあります。でも今回は「離れた3ペア」。すぐ脳裏に浮かぶようなシーンはありませんでした。さっそくプログラムを仕立てて調べてみると、案の定かなり稀であることが分かりました。現象を探す条件は下記の通りとしました。(※近距離天体を含むので、日本経緯度原点から見た測心計算です。)

  • 日が沈んでいること。
  • 離角が5°以内に接近した月または7惑星(二つで一組)が三組以上あること。
  • 現象を起こす全ての天体高度が5°以上。(※全ての組が同時に見えること)
  • 各組が概ね10°以上離れていること。

繰り返しますが、各組が離れているということがポイントです。月惑星配置がこの条件を満たすかどうか2000年から2050年まで10分刻みに調べたところ、今回以外では2025年8月17日明け方の「金星・木星」「月・天王星」「土星・海王星」と、2026年2月27日宵の「水星・金星」「月・木星」「土星・海王星」しかありませんでした。この頻度なら確かに珍しいと言えるでしょう。

例えば2040年9月8日宵の西空低く「月・水星・金星・火星・木星・土星」の6天体が概ね10°以内に集合する、とんでもない会合現象が起こります。このときはいくつかのペアが5°以内の離角になりますから、今回の3ペアよりもペア数は多くなるのですが、組と組は離れていませんね。今回のように「組と組が離れている」条件もまた珍しいものです。当地は無理そうですが、晴れている地方にお住まいならぜひ双眼鏡で三つのペアを確認してみてくださいね。

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