チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の尾を写す2021/11/13

20211113チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)
一晩前にも撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)。現在はふたご座のポルックス近くを通り過ぎ、本日朝からかに座の領域に入りました。尾が長く伸びており、またダストトレイルが出ているとの噂も聞きます。街中からどれだけ写し取れるのかやってみたくなりました。幸い昨夜から今朝にかけて透明度が良くなったので、さっそく比較的短い焦点距離で撮影(左画像)。

普段は1500mmオーバーで狙ってばかりだったので、なかなか新鮮です。でもこのままでは尾の様子が分かりません。白黒反転し、高コントラストにしてみました(下A画像)。左上画像の3倍露出しています。そのままでは星の軌跡が煩わしいため、σクリップで恒星を軽減させながら彗星の尾を抽出しています。ちょっと見づらいけれど、少なくとも1°を超える尾がありそうですね。

いっぽうダストトレイルですが、ステラナビゲーターで撮影時の軌道を描かせると下B画像のようになります。彗星近傍では概ねこの青線に沿ってトレイルが出るはず。ですが今回の画像ではそれらしい跡は見つけられませんでした。(→2日前にMichael Jagerさんが写した例はこちら。)もともと街の夜空で捉えられるほどのものではないからこの結果は仕方ないんですが、現在は尾の向きとだいたい重なってしまうため(特に西側は)分離しづらいこともあるでしょう。チャンスがあったら別の機材や画像処理でも試してみたいと思います。

  • 20211113チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)

    A.尾の様子
  • 20211113-0300JST_チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)

    B.2021年11月13日3:00JST位置


今日の太陽2021/11/13

20211113太陽
昨夜はほぼ快星。今日明け方は3.9度まで下がりました。自宅で4度を下回ったのは今期初めてでしょうか。朝からもよく晴れて暖かくなりました。

20211113太陽リム
左は9:30前の太陽。活動領域12893はほぼリムに到達、黒点は見えません。何やら明るくなってますが何でしょうか?12895は中央を過ぎ、黒点もかなり減りました。12894の黒点も小さくなったようです。目立つプロミネンスもなくなり、寂しい太陽になりつつあります。1、2日後には南半球にやや活発な領域が出てきそうなので期待して待ちましょう。

気がつくともう11月も半ばに差し掛かろうとしています。1.5ヶ月後には今年も終わり。あっという間ですねぇ…。