ピークを迎える38Pと見納めの21P2018/10/21

  • 20181021ステファン・オテルマ彗星(38P)

    A.ステファン・オテルマ彗星(38P)
  • 20181021ジャコビニ・ツィナー彗星(21P)

    B.ジャコビニ・ツィナー彗星(21P)


昨夜から今朝は夜半過ぎの月没頃まで雲が多めでしたが、その後晴れてきました。湿気が多くて透明度が落ちていますが、そろそろ満月期なので淡い天体を狙うなら今しかありません。薄明開始まで2時間ほどしか無かったので、北西に低くなって行くスイフト・ゲーレルス彗星(64P)は諦め、ふたご座にいるステファン・オテルマ彗星(38P)と、おおいぬ座にいるジャコビニ・ツィナー彗星(21P)を観察しました。

38Pはほぼ天頂で、淡く広がるコマが良く写ってくれました。明るさのピークは約1ヶ月後ですが、アウトバーストでも起きない限り0.5等程度しか変わりませんから、もう見頃と言って良いでしょう。いっぽう21Pは南に低くなり、急激に暗くなっていました。もう我が家から隣家の屋根が邪魔で撮れないだろうと思ったら、屋根すれすれに見えていたため何とか撮影できました。多分今期はこれが最後でしょう。公転周期約6.5年ですが、次の2025年頃の回帰は条件が悪く、その次の2031年頃の回帰は肉眼彗星になる可能性があるようです。

ふたつの彗星とも天の川のど真ん中。背景の星がたくさんあって、宇宙を旅しているって感じがしますね。オリオン座流星群の流れ星もひとつ見えて、幸せな明け方でした。

今日の太陽2018/10/21

20181021太陽
明け方からの快晴は日中いっぱい続きました。風もなく、穏やかな一日です。

20181021太陽リム
左は10:50頃の太陽。活動領域12724と12725のあたりが少し明るく見えています。昨日はほとんど見えなかったプロミネンスが、今日はあちこちから出ていました。新たな活動領域に期待です。

台風のたまごが発生2018/10/21


20181021-0600ut熱帯低気圧
近いうちに台風になるかも知れない熱帯低気圧が15:00に発生したと気象庁から広報がありました。

右は発生時15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。オレンジ点円は熱帯低気圧中心の直径1000km円。

まだ北緯一桁台なので日本からは遠く感じます。現在は西進していますが、いくつかの気象モデルを見ると東経150°より西へ移動する頃から北上に転じるような予測が出ています。まだ台風シーズンは終わってませんので、気に留めておきましょう。

【追記】
台風26号になりました。(→関連記事

2018年の十三夜です2018/10/21

20181021_14100月
今夜は十三夜(後の月・豆名月)。全国的にほぼ快晴の天気なので、美しい月を見上げていらっしゃる方も多いことでしょう。私もスーパーで買ってきたお団子を胃の中にお供えしながら眺めました。

左は太陽黄経差141.00°になった瞬間に撮影した今夜の月。撮影高度約34.8°、月齢は12.25です。まだ低かったので日中暖まった大気の影響を受けて揺らめいていました。これもまた一興でしょうか。

たまたま立ち寄った宅配のお兄さんと一緒に月を見ながら軽く歓談。生暖かさと晩秋の冷たさとが入り乱れる宵空でした。今年は先月の十五夜もなんとか眺めることができたので、片見の月にならずに済みました。ありがたや。

参考:
アーカイブ:伝統的七夕・中秋の名月の一覧
アーカイブ:月の形(黄経差108度以上、144度未満)