今日の太陽 ― 2025/08/04
昨夜から今朝までほぼ曇り。朝からは少しずつ回復しましたが、透明度がすこぶる悪い様子。黄砂に覆われたような白っぽさです。昼からは6m/s近くの風が吹いています。台風はだいぶ遠ざかったんですけどねぇ…。
左は13:10過ぎの太陽。左上リムギリギリに黒点とプラージュが見えてきました。プロミネンスが中空に浮いていて面白い。中央少し左上の活動領域14165では昨夜22:57JSTをピークとするM2.95クラスフレアが発生。今日もプラージュは明るく光ってます。南半球の太いダークフィラメントが少しちぎれてしまったけど、ほぼリムに到達。明日晴れたら大きなプロミネンスが見えるかな?
気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は891、真夏日地点数は757、猛暑日地点数は245、酷暑日地点数は1、国内最高気温は石川県小松ポイントの40.3度。フェーン現象なのか、日本海側で40度超えです。
左は13:10過ぎの太陽。左上リムギリギリに黒点とプラージュが見えてきました。プロミネンスが中空に浮いていて面白い。中央少し左上の活動領域14165では昨夜22:57JSTをピークとするM2.95クラスフレアが発生。今日もプラージュは明るく光ってます。南半球の太いダークフィラメントが少しちぎれてしまったけど、ほぼリムに到達。明日晴れたら大きなプロミネンスが見えるかな?
気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は891、真夏日地点数は757、猛暑日地点数は245、酷暑日地点数は1、国内最高気温は石川県小松ポイントの40.3度。フェーン現象なのか、日本海側で40度超えです。
リザルト・シェア構想(その3) ― 2025/08/04
リモート天文台の「リザルトシェア構想」について3日夜に天リフ・山口さんが配信しておられました。以前に当ブログでも取り上げた記事内容です(→2025年6月14日記事、および6月17日記事)。現実に即して具体化した内容になっており、現時点では妄想に過ぎなくてもおおいに賛同するところがあるし、山口さんならではの切り口が面白く、興味を持って拝見しました。その上で、私なりに感じ考えたことを「その3」としてメモしておきます。
このリモート天文台の話題でいつも気になるのは、撮影対象が暗に『星雲・星団などの星野』に限った話として終始してしまうところ。天文台所有の望遠鏡がそれらに特化しているためかも知れませんが、もっと自由な発想で広い対象を考えたら一般利用者のすそ野が広がっていいのになぁと感じます。例えば次のようなことです。
本当は太陽や昼間の空(気象光学現象)も含めたいところですが、太陽光が入ると危険が伴うことと、太陽面は既に世界横断観測網が確立されていて一般閲覧可能なので外しておきます。その他書き切れませんが小惑星カメラ、人工衛星追尾カメラなども面白そう。
これらは対象の状態が常に変わるため、いつか撮影し尽くしてしまうだろう星雲・星団などと違って日々の変化を無限に楽しめます。つまり最大の懸念かも知れない「テレスコープタイムが埋まらない」「撮る対象が無くなる」心配は未来に渡って全くありません。満月でも流星その他の観察は成り立ちますから月明かりのデメリット云々も関係ありません。最初からアクセル全開でリザルトシェアに踏み込めるのです。
多くの天文ファンは「年初めに天文年表を用意して、気になるイベントを追いかけ記録する」というテーマパーク型ですが、「起きることが分かってるものを、その通りになったと確認するだけ」の行為を本当に楽しいと思いますか?出来レースをあまり楽しいと思いませんよね?真に極めた方って、ご自身の楽しみ方や独自の目線・切り口で「自分だけの観察年表」を作れるのだと考えています。延々と流れ去る雲を見ていて「つまらない」と思う人が「どの瞬間を切り取っても面白い」と脳内をパラダイムシフトさせるには、誰かが作った年表をなぞるような生活をいったん止めて、普段からモノの見方を変えたり深めたりするトレーニングが必要です。そういう意味でも「撮るたびに小さな変化がある」「ノーヒントでアハ体験のような差を探す楽しさがある」といった対象のリザルトは天文の原点にして真骨頂の楽しみ方を期待できます。この趣味を継続する強いモチベーションになるのでは?
淡々と天体を撮って提供することは何の価値も映えも無いように見えますが、天文現象に縛られない、基本に返って観察眼を取り戻してくれる可能性を秘めています。晴れている限りコンスタントに画像が得られることは大きなメリットで、例えば全く同じ全天カメラのリザルトなのに、ある人は群流星の数や放射点移動を日単位で計測したり、別の人は人工衛星数をカウントして星空への影響を調べたりと、観察者の切り口を制限しません。またコンスタントな観察手法を維持できるなら、既知彗星や変光星の長期光度変化、新彗星や発見直後の新星・超新星の早期観測にも役立つでしょう。月や惑星だって日本では得られない高分解能画像で追跡できる利点は計り知れません。成果を考えず、睡眠前にぼんやり眺めるヒーリング動画として使っても良いのです。
予備知識が無い、機材も持ってない子どもたちに、淡々と木星の画像を見せたらいかがでしょうか。1枚では分かりませんが、1時間後、2時間後と見て行くと、「模様が変わってる」「近くの四つの星が動いてる」などと、ガリレオ追体験ができるかも知れません。「それを意図的に教える動画」を見せてはダメなのです。そんなことしちゃったら発見力は養われません。このリザルトのような、言い方は悪いけど雑音だらけの「何も意図しない撮像垂れ流し」のほうが自ら見出す力を養うには最適です。
ここに挙げた対象天体は日常的な小さな変化のほか、月食や掩蔽、大流星群と言った独特のイベントも発生します。その時は日常ルーティーンをやめて、そのイベント収録に全力を傾けるようなスケジューリングだって可能でしょう。モデレーターが軸となってピックアップしておけば良いことです。
「天文ガチ勢」の多くは星雲・星団や目立つ肉眼彗星など「映える画像」を求める方々とお見受けしますが、私はそれが壁を作り、ユーザーを狭める大きな要因と感じます。天文分野はそんなに狭くありません。小さいころ最初にみなさんの心を震わせた天文初体験って、月面や土星の環、あるいは幻のような大火球を実際に目にした時ではなかったでしょうか。ところがなぜかそういった対象を撮影するリモートは非常に少ないですよね。恵まれた天文環境が身近に無い方、年齢・体力・本業多忙など様々な制約で出かけられない方、特に天文ファンではない方々にとって、リモートでもいいから多様な天体の「今」を観察できる環境があることはとても幸せだし、大切なことと思われます。みんながみんなスマート望遠鏡を買わなくたって、その1/10のお金を出しあったり、あるいは全国の小中学校、高校などから幾ばくかの参加費を募ってリモート天文台&リザルトシェア方式で運営すれば、十二分にお釣りが来るのではないでしょうか。
観測価値の有無に関わらず、日々状況が変わる身近な天体は今だって多くの方々を惹き付ける魅力があります。そうした対象にもリモート天文技術のリソースを割いていただけると、初心者にもガチ勢にも新たなトビラを用意できるのではと思っています。幸いなことに、この対象群に対する機材はさほど巨額投資しなくても叶うものが多いです。(人件費は別ですが…。)どちらかと言ったら、長期安定性のほうが大切ですね。自分の代では無理そうだけど、いつか叶うことを願っています。
(記事内使用画像はwikiコモンズから引用。)
このリモート天文台の話題でいつも気になるのは、撮影対象が暗に『星雲・星団などの星野』に限った話として終始してしまうところ。天文台所有の望遠鏡がそれらに特化しているためかも知れませんが、もっと自由な発想で広い対象を考えたら一般利用者のすそ野が広がっていいのになぁと感じます。例えば次のようなことです。
- 広写野の流星カメラ(4-8台で全天カバー→360°マッピング化可能/オーロラ・夜光雲・夜天光の監視も可能)
- 月面カメラ(月が出ている限り、欠け際その他の地形を繰り返し撮影し続ける)
- 惑星カメラ(惑星が出ている限り撮り続ける/フィルター分光やデローテーションにも対応)
- 変光星カメラ(見えている変光星を全て撮影する)
- 彗星カメラ(見えている彗星を全て撮影する)
- 星空ライブカメラ(天気監視をかねた星空モニター/全天魚眼の流星カメラとしても使える)
注:一番下のライブカメラ以外は動画提供ではなく、メタデータ付きで時間軸に添った個別の静止画像として蓄積されることが理想。10分置きに撮像→蓄積→提供している気象衛星ひまわり画像の方式に近いかも。
本当は太陽や昼間の空(気象光学現象)も含めたいところですが、太陽光が入ると危険が伴うことと、太陽面は既に世界横断観測網が確立されていて一般閲覧可能なので外しておきます。その他書き切れませんが小惑星カメラ、人工衛星追尾カメラなども面白そう。
これらは対象の状態が常に変わるため、いつか撮影し尽くしてしまうだろう星雲・星団などと違って日々の変化を無限に楽しめます。つまり最大の懸念かも知れない「テレスコープタイムが埋まらない」「撮る対象が無くなる」心配は未来に渡って全くありません。満月でも流星その他の観察は成り立ちますから月明かりのデメリット云々も関係ありません。最初からアクセル全開でリザルトシェアに踏み込めるのです。
多くの天文ファンは「年初めに天文年表を用意して、気になるイベントを追いかけ記録する」というテーマパーク型ですが、「起きることが分かってるものを、その通りになったと確認するだけ」の行為を本当に楽しいと思いますか?出来レースをあまり楽しいと思いませんよね?真に極めた方って、ご自身の楽しみ方や独自の目線・切り口で「自分だけの観察年表」を作れるのだと考えています。延々と流れ去る雲を見ていて「つまらない」と思う人が「どの瞬間を切り取っても面白い」と脳内をパラダイムシフトさせるには、誰かが作った年表をなぞるような生活をいったん止めて、普段からモノの見方を変えたり深めたりするトレーニングが必要です。そういう意味でも「撮るたびに小さな変化がある」「ノーヒントでアハ体験のような差を探す楽しさがある」といった対象のリザルトは天文の原点にして真骨頂の楽しみ方を期待できます。この趣味を継続する強いモチベーションになるのでは?
淡々と天体を撮って提供することは何の価値も映えも無いように見えますが、天文現象に縛られない、基本に返って観察眼を取り戻してくれる可能性を秘めています。晴れている限りコンスタントに画像が得られることは大きなメリットで、例えば全く同じ全天カメラのリザルトなのに、ある人は群流星の数や放射点移動を日単位で計測したり、別の人は人工衛星数をカウントして星空への影響を調べたりと、観察者の切り口を制限しません。またコンスタントな観察手法を維持できるなら、既知彗星や変光星の長期光度変化、新彗星や発見直後の新星・超新星の早期観測にも役立つでしょう。月や惑星だって日本では得られない高分解能画像で追跡できる利点は計り知れません。成果を考えず、睡眠前にぼんやり眺めるヒーリング動画として使っても良いのです。
予備知識が無い、機材も持ってない子どもたちに、淡々と木星の画像を見せたらいかがでしょうか。1枚では分かりませんが、1時間後、2時間後と見て行くと、「模様が変わってる」「近くの四つの星が動いてる」などと、ガリレオ追体験ができるかも知れません。「それを意図的に教える動画」を見せてはダメなのです。そんなことしちゃったら発見力は養われません。このリザルトのような、言い方は悪いけど雑音だらけの「何も意図しない撮像垂れ流し」のほうが自ら見出す力を養うには最適です。
ここに挙げた対象天体は日常的な小さな変化のほか、月食や掩蔽、大流星群と言った独特のイベントも発生します。その時は日常ルーティーンをやめて、そのイベント収録に全力を傾けるようなスケジューリングだって可能でしょう。モデレーターが軸となってピックアップしておけば良いことです。
「天文ガチ勢」の多くは星雲・星団や目立つ肉眼彗星など「映える画像」を求める方々とお見受けしますが、私はそれが壁を作り、ユーザーを狭める大きな要因と感じます。天文分野はそんなに狭くありません。小さいころ最初にみなさんの心を震わせた天文初体験って、月面や土星の環、あるいは幻のような大火球を実際に目にした時ではなかったでしょうか。ところがなぜかそういった対象を撮影するリモートは非常に少ないですよね。恵まれた天文環境が身近に無い方、年齢・体力・本業多忙など様々な制約で出かけられない方、特に天文ファンではない方々にとって、リモートでもいいから多様な天体の「今」を観察できる環境があることはとても幸せだし、大切なことと思われます。みんながみんなスマート望遠鏡を買わなくたって、その1/10のお金を出しあったり、あるいは全国の小中学校、高校などから幾ばくかの参加費を募ってリモート天文台&リザルトシェア方式で運営すれば、十二分にお釣りが来るのではないでしょうか。
観測価値の有無に関わらず、日々状況が変わる身近な天体は今だって多くの方々を惹き付ける魅力があります。そうした対象にもリモート天文技術のリソースを割いていただけると、初心者にもガチ勢にも新たなトビラを用意できるのではと思っています。幸いなことに、この対象群に対する機材はさほど巨額投資しなくても叶うものが多いです。(人件費は別ですが…。)どちらかと言ったら、長期安定性のほうが大切ですね。自分の代では無理そうだけど、いつか叶うことを願っています。
(記事内使用画像はwikiコモンズから引用。)
今日の太陽とハロ現象 ― 2025/08/03
昨夜から今朝は雲の多い空。今日は朝のうち雲が残ったものの、太陽が高くなると青空優勢になりました。東から雲がやって来るので台風10号の影響があるようです。
左は13:10前の太陽。中央左の活動領域14165・14168のプラージュがとても明るいですね。南半球のダークフィラメントは形を崩さないままもう少しで右リムに到達。よくがんばりました。今日もプロミネンスは小さいものばかり。
気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は909、真夏日地点数は821、猛暑日地点数は309、国内最高気温は徳島県穴吹ポイントの39.3度。連続40度はストップです。
夕方ベランダに出ると、前日としても似たような光景が。太陽左側に縦長の幻日が出ていたのです。幻日を映す雲がここしかなかったようで、それ以外の状況が掴めませんでした。
左は13:10前の太陽。中央左の活動領域14165・14168のプラージュがとても明るいですね。南半球のダークフィラメントは形を崩さないままもう少しで右リムに到達。よくがんばりました。今日もプロミネンスは小さいものばかり。
気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は909、真夏日地点数は821、猛暑日地点数は309、国内最高気温は徳島県穴吹ポイントの39.3度。連続40度はストップです。
夕方ベランダに出ると、前日としても似たような光景が。太陽左側に縦長の幻日が出ていたのです。幻日を映す雲がここしかなかったようで、それ以外の状況が掴めませんでした。
2025年の台風10号が発生 ― 2025/08/03
気象庁によると、8月1日9時から台風になるかも知れないと告知されていた熱帯低気圧が、本日3日9時に台風10号「バイルー/BAILU」になりました。直前の台風9号発生から9日と21時間後の発生、9号はまだ活動中のためダブル台風になりました。
左画像は発生時刻の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は各台風中心の直径1000km円(左が10号)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。
すでに熱帯低気圧時に本州へ接近しており、伊豆諸島などを通過後に台風になった奇妙な状態。今もう関東に一番近い状態で、明日以降は9号を追うような形で太平洋へ遠ざかる予報です。