夜明けに朧な月と明星2025/07/22

20250722金星と月の接近(望遠)
昨宵からずっと薄雲がかかっていましたが、夜明けの金星と月を観賞するのに申し分のない空でした。カメラを担いで近くの公園へ出かけました。

軽望遠では左画像のとおり。撮影時の離角は約6.6°。薄雲がソフトフィルターのような効果を出しています。薄明が進んでない頃に撮ったので、周囲の微光星もたくさん。ちなみに背景はおうし座のツノの間。月の左下、少し明るい星がβTau。ぎょしゃ座とおうし座がつながってるところです。左下枠外にM1(かに星雲)がいます。

金星と月の間に黄道が通っていて、もう少し東へ行くと冬至点(黄道が赤道から最も離れたところ)に達します。両天体の接近位置がずいぶん北寄りだなぁと感じました。金星と月は昼間も接近して並んで見えますから、アーカイブ「昼間に月と金星が近い日」を参考に探してみてください。

15分ほど経つとかなり明るく感じるようになりました。下A画像は広角で撮ったもの。どこに何が写ってるか分からない方はキャプション付きの下B画像をどうぞ。冬の宵を飾る星々が登り始めています。低空の木星やベテルギウス、リゲルは肉眼でも見えました。三つ星も昇っていますが、一番下は雲に隠れています。画面左に飛行機雲みたいな雲が伸びていますが、暗いうちはレーザー光線のように見えていて驚かされました。

明日23日の夜明けは更に細くなった月が木星と縦並びに。離角は今朝の金星より若干遠い程度。低空まで見渡せる方は挑戦してみましょう。24日明け方の月は木星より低くなり、水平月に近くなります。

二十日あまり後のペルセウス座流星群のころにも、流星だけでなく今回のような天体接近を楽しめます。12・13日両日とも金星と木星が約1°まで大接近、特に13日は同じ未明に月・海王星・土星が5°以内に勢揃い。豪華な夜になりそうですね。約1ヶ月後の8月20・21日「月・木星・金星・水星+カストル・ポルックス」の会合も狭い範囲に輝星がひしめいて、素晴らしい眺めでしょう。どうぞお忘れなく。

  • 20250722金星と月の接近(広角)

    A.金星と月の接近
  • 20250722金星と月の接近(広角)

    B.金星と月の接近(キャプション付き)


【参考:金星と月が3°以下まで接近する日時/2025年〜2060年】
最小離角日時(JST)金星・月離角
(°角)
金星・太陽離角
(°角)
月・太陽離角
(°角)
金星高度
(°)
月高度
(°)
太陽高度
(°)
金星方向
2025年04月25日
14:10:13 JST
2.2137.9937.5713.3913.2549.34西側
(明け方)
2025年05月24日
04:19:43 JST
2.7545.6146.2123.1125.72-2.73西側
(明け方)
2026年05月19日
08:48:58 JST
2.5831.9331.7824.9226.4849.82東側
(宵)
2026年08月16日
13:49:39 JST
2.4545.8945.1747.9846.5954.53東側
(宵)
2027年04月04日
13:15:18 JST
2.7333.5434.2923.1823.4853.35西側
(明け方)
2028年03月30日
12:42:37 JST
0.6445.9145.8461.6562.1955.65東側
(宵)
2028年04月28日
08:44:30 JST
2.2238.7038.7321.3019.8245.62東側
(宵)
2029年06月14日
06:54:34 JST
2.6321.4021.529.888.5127.70東側
(宵)
2030年03月30日
06:21:19 JST
2.8146.1846.7629.7732.579.37西側
(明け方)
2030年06月28日
16:11:11 JST
1.8429.7929.304.886.0931.69西側
(明け方)
2031年03月26日
12:38:45 JST
0.5136.3436.3062.7463.2354.35東側
(宵)
2031年07月22日
08:40:56 JST
1.7527.5827.8919.3218.8146.53東側
(宵)
2033年02月03日
09:38:53 JST
1.0744.0243.9213.3912.5028.73東側
(宵)
2033年05月25日
12:50:19 JST
1.6445.8245.6725.3625.9068.43西側
(明け方)
2034年07月19日
14:07:42 JST
2.6344.1643.9861.5059.5055.96東側
(宵)
2035年04月06日
06:46:41 JST
0.4932.6232.6029.7130.1816.44西側
(明け方)
2035年05月06日
08:47:19 JST
2.0125.5425.5355.9353.9247.60西側
(明け方)
2036年02月01日
13:51:31 JST
2.2741.2841.5949.7147.5230.29東側
(宵)
2036年06月22日
07:37:14 JST
2.2230.2230.1057.6955.7036.01西側
(明け方)
2036年09月17日
10:46:49 JST
0.2441.9842.0058.5958.3854.58西側
(明け方)
2037年07月15日
17:32:17 JST
0.0530.0430.0336.9236.8815.18東側
(宵)
2038年06月30日
12:17:29 JST
1.5828.8028.7952.6452.0875.62西側
(明け方)
2039年04月27日
17:27:20 JST
2.8942.5342.5151.5150.4010.29東側
(宵)
2039年05月27日
14:12:35 JST
0.4145.3745.3975.5275.2153.44東側
(宵)
2039年11月13日
08:14:23 JST
3.0044.7344.0153.0955.0419.98西側
(明け方)
最小離角日時(JST)金星・月離角
(°角)
金星・太陽離角
(°角)
月・太陽離角
(°角)
金星高度
(°)
月高度
(°)
太陽高度
(°)
金星方向
2041年06月25日
02:05:42 JST
2.3143.7444.091.903.94-22.07西側
(明け方)
2041年09月23日
13:39:30 JST
2.8724.8024.2835.0837.8343.66西側
(明け方)
2042年04月22日
07:41:19 JST
1.4826.6126.3514.8616.1331.66東側
(宵)
2042年07月21日
08:25:46 JST
2.2844.6144.660.611.1643.53東側
(宵)
2042年11月10日
12:43:17 JST
1.2529.8429.5025.7426.9834.01西側
(明け方)
2044年04月30日
16:35:28 JST
0.1934.3934.3555.4355.3621.29東側
(宵)
2044年10月18日
09:27:21 JST
2.6535.6936.6859.4857.4336.62西側
(明け方)
2046年08月01日
05:49:29 JST
1.1520.1520.2229.7530.1910.80西側
(明け方)
2047年04月29日
10:26:25 JST
0.6043.1243.1536.1835.8263.29東側
(宵)
2048年02月12日
06:32:13 JST
0.9526.8426.8914.0014.83-0.76西側
(明け方)
2048年11月09日
12:05:12 JST
2.2441.0540.9521.1423.1136.46東側
(宵)
2051年01月09日
12:58:24 JST
1.8446.4645.997.306.1229.87西側
(明け方)
2051年02月08日
10:51:55 JST
1.8142.8343.2826.6928.0737.13西側
(明け方)
2052年02月04日
10:50:25 JST
1.3842.5742.6025.5926.8335.80東側
(宵)
2052年06月24日
15:40:01 JST
0.6335.6635.814.434.0937.92西側
(明け方)
2052年07月23日
02:07:43 JST
1.3645.1645.195.374.40-25.20西側
(明け方)
2054年02月04日
12:27:02 JST
1.7940.2239.8718.7017.5337.61西側
(明け方)
2055年01月30日
12:01:38 JST
0.7626.2026.2738.4237.6736.63東側
(宵)
2055年06月28日
09:09:43 JST
0.2539.4039.4417.4417.3354.41東側
(宵)
2055年10月17日
14:02:12 JST
2.2446.2846.2811.3913.2732.02西側
(明け方)
2056年12月10日
17:04:38 JST
0.3246.0346.0725.1224.90-7.58東側
(宵)
2057年06月28日
12:23:25 JST
1.0142.5942.5838.0637.7974.99西側
(明け方)
2058年04月25日
17:29:50 JST
2.0528.5628.6237.1936.579.56東側
(宵)
2058年12月12日
09:45:37 JST
0.5846.2346.3840.4439.8825.85西側
(明け方)
2059年05月10日
12:31:32 JST
1.2922.7722.5848.2848.0368.34西側
(明け方)
2060年04月04日
15:23:12 JST
2.8644.1044.5374.1172.7931.77東側
(宵)
最小離角日時(JST)金星・月離角
(°角)
金星・太陽離角
(°角)
月・太陽離角
(°角)
金星高度
(°)
月高度
(°)
太陽高度
(°)
金星方向

  • 自作プログラムによる計算です。(使用暦表:JPL-DE440)
  • 離角や高度などは代表点(東京の日本経緯度原点)での測心計算値。
  • 太陽が沈んでいる(高度がマイナス)時間帯に月と金星が最接近するケースは少ないです。
  • 金星方向とは太陽のどちら側に金星がいるかということで、宵の明星の時期は東側、明けの明星の時期は西側です。
  • 最接近時の太陽離角が20°未満、および代表点から見えないケースは省いてます。
  • 金星・月離角が概ね0.25°(15′)以下のときは金星が月に隠されます。(2037年7月15日や2044年4月30日など。)


今日の太陽/記録的短時間大雨情報が過去最高件数2025/07/22

20250722太陽
昨夜から今朝は薄雲が流れる晴れ。朝からも巻雲が取れません。昼間の金星と月を何度か探したものの見つからず。二十四節気の「大暑」を迎え、ますます暑くなる一方です。ちなみに大暑の瞬時(太陽黄経が120°になった瞬間)は22:29なので夜ですね。

20250722太陽リム
左は13時ごろの太陽。左上の活動領域14149のすぐ左下(小さなダークフィラメントの奥辺り)に14152ができました。くの字のダークフィラメントが中央に達したけれど、形が崩れてしまいましたね。南半球のダークフィラメントはますます変なことになってます。これはひとつなぎなのかな?左上リムには立派なプロミネンスが見えていました。

記録的短時間大雨の件数
気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は911、真夏日地点数は836、猛暑日地点数は230、国内最高気温は京都府福知山ポイントの39.0度。当地も夜中や明け方でさえ屋外は気持ち悪くなる暑さです。

暑さも凄いんですが、雨も凄いんですよ。右図は記録的短時間大雨の発令件数を月別に集計したもの。(デジタル台風サイトに記録されている2013年からの記録的短時間大雨情報データベースを利用してカウントしました。)昨日から今日16時までにかけて発令されたものを加えたら2022年8月の記録を抜いて過去最高件数になってしまいました。あと10日近くあると言うのに…。

下A画像は午前中に見えた内暈。下B画像は16時の気象衛星ひまわり画像(画像元:NICT)。毎日のように関東は雷雲に囲まれています。

  • 20250722内暈

    A.内暈
  • 20250722-1600JSTひまわり

    B.16:00JSTのひまわり画像