10等台前半のパンスターズ彗星2022/04/25

20220425_パンスターズ彗星(C/2017 K2)
昨日の雨は夜まで残りましたが、日付が今日に変わった頃には星空が戻りました。少しヒヤッとして湿度100%に近いけれど、貴重な晴れ間です。明るい超新星SN2022hrsは西に低くなり始めて撮れそうになかったので、東に高くなってきたパンスターズ彗星(C/2017 K2)に望遠鏡を向けました(左画像)。

気象の差はあるけれど、月初め頃に観察したときよりもひと回り大きく明るくなっていました。夜明けに南中するくらい高度も出てきたので撮りやすくなりましたね。

パンスターズ彗星(C/2017 K2)COBS観測プロット
右図はCOBS観測データのプロット(4/25 0:00UTまで)と現時点での予報光度曲線。緑丸塗りつぶしが眼視観測、白抜きがCCD測光。薄茶の光度曲線は予報光度(星仲間の吉田誠一氏の係数による)。また赤縦線は近日点通過日。

吉田氏によれば当初の予報よりも1.5等から2.0等ほど暗く、肉眼彗星には届かないようです。それでも現時点で10等に届きそうな勢いで、明るい彗星であることに違いはありません。今年7月半ばに地球へ接近し、その後増光が緩やかになります。秋から1年間は日本から見えなくなるので、それまでが観測しどころですね。

今日の太陽とハロ現象2022/04/25

20220425太陽
昨夜から今朝は雨のち晴れ。明け方の月が惑星たちと並んできれいでした。朝からも良いお天気。15時前の気温が27度を越えました。明日から明後日はまた崩れる予報です。

20220425太陽リム
左は11:20前の太陽。そろそろ午後の太陽観察準備と思った矢先、X線フラックスを確認するとMクラスになっていたため急遽撮影した次第。ピークは11:00JSTごろのM1.27クラスフレアだったようで若干ピークを過ぎてCクラスまで戻ってますが、いい記念です。

20220425_020620UT_0131
意外だったのは、右上の明るい部分(活動領域12994北側)が該当フレアかと思ったのですが、中央上の12995付近で起きたものでした。Hα画像では12994の明るさが目立ってるけれど、SDOのAIA131画像では確かに12995付近でも小さな閃光が確認できます(右画像)。これは勘違いしちゃいそうですね。このあとも13:02にM1.2クラスフレアが発生しました。これは12993のようです。

プロミネンスがあちこちから出ていて楽しいですね。ダークフィラメントや活動領域に見えるヒゲ状の構造も興味深い。左下の黒点周囲はまだ採番されてないようです。

20220425上部タンジェントアーク
午後は巻雲が出たり消えたりしていましたが、15時頃に上部タンジェントアークがでていることに気づきました(左画像)。タンジェントアークというより外接ハロに近いかも知れませんが、下部は全く見えなかったのでタンジェントアークにしておきます。目では全く分からなかったけれど、強めの画像処理を施すとごく淡い内暈も写っていたようです。