アーカイブ:月面Aの一覧1970/02/06


2011年から2020年までの満月前に「月面A地形」が見えるかも知れない日時の一覧です。5年ごとに一覧を分けてあります。(※下弦側では極めて細い月で逆光となるため見ることはできません。)



《アーカイブ「月面Aの一覧」の概要》

月面Aは月面X同様に「月面の名所巡り」として楽しめる現象です。ただし月面Xとは状況が異なり、現象が見える条件はシビア。地形も小さいため肉眼や小型双眼鏡では無理で、月面を最低100倍程度に拡大できる天体望遠鏡や、その機材能力を限界まで引き出す技術が必要でしょう。主だったクレーター探しに慣れてきた頃、腕試しにご覧ください。

X地形同様、月面上でA地形に太陽が差し込む角度が観察可否を左右する大きな要素です。(注意:地球での太陽高度と勘違いしないようにしましょう。)またX地形では気にならなかった月の秤動(首振り運動)も考えなくてはなりません。このため、一覧に月面中央経度(ただし測心座標系ではなく、地心座標系による値)を掲載しました。A地形での太陽高度および月面中央経度に応じた見え方の目安は下表の通りです。

条件見え方の目安
太陽高度-2.5°付近A地形付近に太陽が差し始めています。最初は極めて暗いため、眼視は難しいでしょう。高感度撮影であれば外壁の存在が分かる程度。Aの横棒にはあまり光が当たってないのでΛに見えます。
太陽高度-2.0°付近Aの横棒にも太陽が当たり始めます。少し明るくなって眼視でもAの位置が分かるようになります。
太陽高度-1.5°付近全体がAの形に完成します。同時にA地形に連なるクレーターにも光があたるので、Aの形が少しずつ周囲とつながり始めます。
太陽高度-1.0°付近Aの形がかなり周囲の地形とつながります。ただしまだクレーター内までは光が差し込まず、ちゃんとAとして認識できます。高度0度を超すくらいまではこの状態です。
月面中央経度
経度秤動の説明図
A地形は月の端近くにあります。月面図で言うと西端(※月面上で太陽が昇るほうが東)、赤道座標では東側の縁に近いところです。このため経度秤動の影響をもろに受けます(右図の赤点)。月面中央経度が正の値であれば月は天の東側へ向き、負の値なら天の西側へ向いている状態を意味します。A地形が見やすいのは予報時刻に中央経度が負の大きな値となるときです。
※計算基点は月面西経73.2°・月面北緯0.3°(Aの横棒の真ん中付近)としました。こちらの記事の表では月面西経73.2°・月面南緯0.5°(Aの頂点付近)で計算したので、同じ太陽高度でも時刻が数分程度異なる場合があります。(どこを計算基点とするかという議論は本質的に意味が無いので、ここでは触れません。)

※秤動の影響は、厳密には観測位置(測心座標)による月面中央経度で判断すべきですが、ここでの計算はそんなに高精度を目指してはいないので、これで良しとしました。気になる方はご自身でどうぞ。なお上記説明図はVirtual Moon Atlasによります。

一覧には太陽高度-2.5°から-0.5°まで0.5°刻みに算出した時刻を掲載しました。また、月面中央経度は太陽高度-2.0°の時刻における計算値です。A地形付近で最も高い標高に光が差すのは太陽高度-3.0°のころですが、この初期段階は極めて暗いので、初めて撮影する方は-2.0°前後から、眼視では-1.5°前後からの観察を目安に考えると良いと思います。現象時に月が昇っているかの判定はしていませんが、便宜上時刻に応じて黄色(17時から4時=28時まで)、および灰色(それ以外…月は沈んでいるか低い)に分けました。なお、日をまたぐものは30時間制(例:27時=翌朝3時)表記です。

これ以外にも月の観察高度や天候、機材コンディションや体調などで見やすさが左右されます。月の出没時刻や高度はみなさんの観察位置で計算しましょう。良く見えるかどうかの判断は主観が入る余地もあるため、あとはみなさんがご判断ください。データの主計算はCalSkyサイトで行い、自作プログラムによる変換や補正を加えました。少々の誤差があり得ますので、あくまで趣味の参考程度でお願いします。手作業で表をまとめてますので誤植があったらご連絡ください。

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