宵空を飾る明星と極細月2026/02/19

20260218月と金星
日食を終えたばかりの月が日本の夕空に戻ってきました。しかも、金星と同伴です。どうしても見たかったのですが体が不自由なことを考えると遠出はできません。そこで、近くに住む星仲間を誘って一緒に近場へ出かけることにしました。

少しでも良い見晴らしを求め、地元で評判の人工山に登りました。標高50mもありませんが、360°視線を遮るものは無く、光害一等地であることを除けば格好の観察場所です。カノープスだって見えるし、国際宇宙ステーションが空の端から端まで飛ぶのも途切れずに確認できます。現地には日没1時間前に到着。気持ちが前のめりだったせいか、日没前から双眼鏡で探したり沈む夕日を撮りまくっていました(記事下画像)。低空には視認できるモヤがあり、更には少ないながらも雲が流れていました。でも何とかなると信じ、日没後に見えてきた金星を頼りにひたすらシャッターを切りました。

左上画像は昨夕18日17:50過ぎの撮影で、太陽黄経差は約10.67°、撮影高度は約2.54°、月齢は0.87。金星との離角は1.44°でした。月が見えるように画像処理したため金星が大きくはっきりしてしまったけれど、実は金星像も弱々しくてか細い感じでした。

何とか肉眼で金星は確認できたものの、月は双眼鏡でも困難。条件を変えながら連写し、カメラの液晶モニター越しにようやく発見しました。2025年7月20日記事に書いた通り、月の単位面積あたりの平均輝度は満月であっても金星よりはるかに暗く、ましてや月齢1を下回る月を薄暮の中で見つけることはとても困難なのです。今回は幸運にも金星ありきで構図を決めて撮ったため、うまいこと写野に捉えることができました。これまでに捉えた月相で最も太陽黄経差が小さかったのは2013年4月11日の約11.63度。今回は金星と一緒の撮影だったから拡大撮影はできなかったけれど、いちおう自己ベストを更新しました。(実は2021年3月14日に太陽黄経差10.795°を記録してるんですが、このときは広く撮ってたまたま写ってたという撮り方なので、狙って撮ったカウントに含めません。)

ちなみに弦傾斜は15.44°(右上がり)あり、もし同時刻に沖縄(那覇)で見たなら7.96°でした。2026年2月16日記事下表には2月19日が水平月候補日に上げられていますが、関東でも沖縄でも18日より19日のほうが弦傾斜が少なく、水平に近づきます。これは月が黄道を南から北へ通り過ぎる通過点にあって、弦傾斜が減る方向へ急速に移動しているためと考えられます(2月18日15:18:46JSTに黄道に対する白道の昇交点を通過、つまり月の黄緯がマイナスからプラスへ動く)。しかしながら、ぱっと考えた予想に反した動きに感じるのは私だけでは無いでしょう。日が経つと、普通は弦が立ってきますからね。

太陽が出ていない時間に月と金星が1°台まで接近するチャンスはとても少なく、直近でそこそこ近いのは2028年3月30日宵(2°前後)や2031年3月26日宵(2°前後)、2035年4月6日明け方(0.6°前後)あたりでしょうか。今回は天候にも恵まれ、実にラッキーでした。驚かされたのは帰宅後30分もしたら雨がザーザー降ってきたこと。ほんの1時間程度の違いで美しい宵空に巡り合えて感謝感謝。山の上でおしゃべりしてくださった散歩中の街の皆様にも温かい気持ちをもらいました。

  • 20260218夕日

    A.淡く伸びる反薄明光線
  • 20260218夕日

    B.沈む夕日


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