今季初のガリレオ衛星相互食&雲間のお月見2026/05/26

20260525イオの影によるエウロパの食
今年春から来年春まで、木星のガリレオ衛星による「相互食」が起こります。前回は2021年ごろでした。木星の公転周期の半分のサイクルで起こる現象であり、原理は土星の環が消失するのと同じこと。つまり、太陽光線が木星の赤道面を真横から照らすことで、概ね赤道面を公転している衛星自身やその影が、他の衛星に重なってしまうわけです。衛星が他の衛星を隠す「掩蔽」と、衛星の影が他の衛星を覆う「食」の二種類があり、更に「半影食」「本影食」「金環食」という具合に地球での月食や日食みたいな細かい分類があります。

身近な資料として、天文年鑑2026年版のP.144に予報一覧が出ています。初回は5月25日とのこと。(※相互食自体はガリレオ衛星に限らないため、3月頃にもう始まっていました。)今回は減光率34%、木星高度が25°を下回ってますのではっきり見えるかどうか分かりませんでしたが、昨宵は晴れ間があったので望遠鏡を向けてみました。

撮影開始頃は薄雲が空全体を覆い、ところどころ消えずに残った飛行機雲なども横切る状況。シーイングの乱れや雲の減光で安定した撮影はできませんでした。開始時刻から1分刻みで15分間(今回の継続時間は13.5分)記録しました。それを個別にスタック。見比べると木星本体も衛星もまちまちの明るさです。仕方がないので一枚ずつ丁寧に明るさを合わせてゆきました。

左上画像はその抜粋です。いちばん暗くなる予報時刻は20:12ごろでした。実際に左端に写っているエウロパは最初より暗くなり そののちに復旧しました。ただ、シーイングや雲のかかり具合が一定ではないため、本当に減光したか、雲がかかっただけなのかは分かりません。次に観察するときは快晴であってほしいものです。それにしても減光率が高いものは小口径の望遠鏡でもちゃんと見える天文現象なのでもっと広まって欲しいのですが、なかなか取りあげられないのはなぜでしょうね?地味過ぎるから?

雲がだんだん増える傾向にありましたが、木星を見終わったころちょうど月が雲を抜けたので、機材をそのまま月面に向けました。なんと、色々見どころ多すぎる…。カメラを変えている時間は無さそうでしたから、そのまま撮影してみました。過剰な拡大率でボケボケですがご容赦を。

下A画像は以前に取りあげたことがあるQuincunx(サイコロの五の目)だ…と思ったら、見間違いでした。良く見れはコペルニクスはまだ朝を迎えていません。Quincunxがコペルニクスより先に光り出すことは絶対にないので、これはとてもよく似た偽物です。似過ぎていて何度も見返してしまいました。

下B画像はフラマウロとボンプランを囲む真珠のネックレスような景観。両方とも見えるタイミングを狙いましたが、シーイングが悪過ぎて何度もスタックエラーが出てしまい、これが限界でした。フラマウロ側にはクレーター縁だけでなく、内部にもネックレスに見える半円(?)がありますね。下C画像はクラヴィウス・アイ。よくもまあこんなベストタイミングに巡り合ったものです。(本当に事前に知りませんでした。)他にも色々見えており、雲越しでしたが大満足のお月見でした。

  • 20260525偽Quincunx

    A.偽Quincunx
  • 20260525フラマウロとボンプランの首飾り

    B.フラマウロとボンプランの首飾
  • 20260525クラヴィウス・アイ

    C.クラヴィウス・アイ


今日の太陽とハロ現象2026/05/26

20260526太陽
昨夜は月を見たあと少しずつ雲が多くなり、厚みはないものの空全体が覆われる状態でした。今朝からも同様ですが、新黒点が出てこないかとどうしても確かめたかったので、雲越しに無理矢理観察。

20260526太陽リム
左は10時前の撮影。雲のため鮮明さがかなり落ちています。新しい領域は出てきていませんが、左半球がますます複雑化してますね。右リムにはダークフィラメントから転じた立派なプロミネンスが見えていました。また、7:20JSTごろ裏面で大規模なCMEが起きたようです。裏面の爆発なのに、表側から撮っている太陽観測衛星SOHOのC2・C3カメラにも写るほどでした(下A/C3画像)。

昨日に続き、午前中から色鮮やかな内暈が見えていました(下B画像)。明日は雨が降る時間があるようです。

  • 20260526_0036_soho-c3

    A.SOHO-C3(9:36JST)
  • 20260526内暈

    B.内暈