今年最初の満月に至る ― 2024/01/26
昨夕から今朝にかけて快晴+強風。前夜と同じながら、瞬間的な風は10m/sに達したようでした。満月直前の月を撮りたかったので、冷たい風に曝されつつなんとか機材を組み、観察・撮影を試みました。シーイングも風による振動も半端無く、通常なら1シーケンスあたり5分程度で撮影できる作業も待ち時間が多すぎて数倍かかってしまいました。
左画像は25日22:50頃の撮影で、太陽黄経差は約178.07°、撮影高度は約71.87°、月齢は14.08。今年最初の満月の約4時間前の姿です。(満月瞬時は西に傾き、風も避けられないため当初から諦めていました。)ウルフムーンだそうですが、日本の狼は人が絶滅させてしまったので、国内でのこの呼び方に些か戸惑い、悲しさを感じます。気候変動さえ何とかすれば生活圏は維持できるなんて思う方は少ないでしょうが、クマとか鹿とかキョンとか増え過ぎなニュースを耳にするたび、狼の存在が生態系バランスに与えていた力は少なくないかも…と思うのです。人間は圧倒的強者なのに他の動植物の代わりが全くできません。
そろそろ月夜にフクロウの声が聞こえてくるシーズン。静かな夜には星月を観察しつつも、聞き耳を立てています。
無謀ながら拡大撮影も試みました。ひと晩前より風で揺さぶられてしまいましたが、なんとか4シーケンス撮影。仕上がりはシャープネスが足りずスタックエラーも目立ちますが、下に3枚掲載します。
A画像は神酒の海付近。SLIMが降りたつ目印になったシオリ・クレーターから広がる光条は赤丸のところです。そろそろ太陽電池に光が当たっているので、続報に期待しましょう。なお現場は今月末31日に夜を迎えるため、猶予はそんなにありません。太陽電池パネルが天頂を向いていれば0.5朔望月の太陽光を得られますが、記念碑のように西向きに立っているため、更にその半分…0.25朔望月=一週間あまりしか日光が当たらない計算です。※地球で例えると、西向きの窓に日が差すのは太陽が西空にある時間=昼(1日の半分)の半分=0.25日、という計算です。(月面の一昼夜は一朔望月に等しい。)
下B画像は秤動が有利になっている南の海付近。一ヶ月あまり前に撮影したときとだいたい同じ範囲が見えますね。ただし前回よりも影が入り込んでます。画像左辺中央にはファブリシウスとジャンセンの半分が写っています。右寄りにはペタヴィウスやフルネリウスもいますよ。中央左上のレイタからレイタ谷が右下へ伸びています。探し出してください。
中央子午線を軸に対称位置には東の海を囲むオリエンタレ盆地の最外周が見えていました(下C画像)。こちら側は秤動が不利で、コルディレラ山脈とそのすぐ内側の盆地、およびアウタールック山脈の一部が見えるのみで、更に内側の東の海は全く届きません。下弦を過ぎればもう少し奥まで見えるでしょう。
左画像は25日22:50頃の撮影で、太陽黄経差は約178.07°、撮影高度は約71.87°、月齢は14.08。今年最初の満月の約4時間前の姿です。(満月瞬時は西に傾き、風も避けられないため当初から諦めていました。)ウルフムーンだそうですが、日本の狼は人が絶滅させてしまったので、国内でのこの呼び方に些か戸惑い、悲しさを感じます。気候変動さえ何とかすれば生活圏は維持できるなんて思う方は少ないでしょうが、クマとか鹿とかキョンとか増え過ぎなニュースを耳にするたび、狼の存在が生態系バランスに与えていた力は少なくないかも…と思うのです。人間は圧倒的強者なのに他の動植物の代わりが全くできません。
そろそろ月夜にフクロウの声が聞こえてくるシーズン。静かな夜には星月を観察しつつも、聞き耳を立てています。
無謀ながら拡大撮影も試みました。ひと晩前より風で揺さぶられてしまいましたが、なんとか4シーケンス撮影。仕上がりはシャープネスが足りずスタックエラーも目立ちますが、下に3枚掲載します。
A画像は神酒の海付近。SLIMが降りたつ目印になったシオリ・クレーターから広がる光条は赤丸のところです。そろそろ太陽電池に光が当たっているので、続報に期待しましょう。なお現場は今月末31日に夜を迎えるため、猶予はそんなにありません。太陽電池パネルが天頂を向いていれば0.5朔望月の太陽光を得られますが、記念碑のように西向きに立っているため、更にその半分…0.25朔望月=一週間あまりしか日光が当たらない計算です。※地球で例えると、西向きの窓に日が差すのは太陽が西空にある時間=昼(1日の半分)の半分=0.25日、という計算です。(月面の一昼夜は一朔望月に等しい。)
下B画像は秤動が有利になっている南の海付近。一ヶ月あまり前に撮影したときとだいたい同じ範囲が見えますね。ただし前回よりも影が入り込んでます。画像左辺中央にはファブリシウスとジャンセンの半分が写っています。右寄りにはペタヴィウスやフルネリウスもいますよ。中央左上のレイタからレイタ谷が右下へ伸びています。探し出してください。
中央子午線を軸に対称位置には東の海を囲むオリエンタレ盆地の最外周が見えていました(下C画像)。こちら側は秤動が不利で、コルディレラ山脈とそのすぐ内側の盆地、およびアウタールック山脈の一部が見えるのみで、更に内側の東の海は全く届きません。下弦を過ぎればもう少し奥まで見えるでしょう。