貴重だった金星・土星・月の会合 ― 2023/01/24
昨夕は西空低空に金星・土星・月の接近した光景が見えるはずでしたが、当地は一日曇っていたため観察できませんでした。左はStellariumによるシミュレーション図です。
思い起こすと、金星と土星が最接近する様子はあまり見ないなぁと感じました。2016年1月9日明け方の超接近や、2019年2月18日明け方の大接近など見てきましたが、いずれも接近瞬時ではありませんでした。
2°以内程度まで接近することは平均数年に一回起こりますが、「最接近瞬時が日本で見える」「そのとき太陽が沈んでいる」「金星・土星ともある程度高度があって見やすい」などの条件を加味すると、とたんに激減します。まして、月も接近するとなれば稀な現象なのでしょう。それだけに、不安定になってしまった昨日の天気は悔やまれます。
ものは試し、金星・土星・月の三天体が一定条件で接近するケースを1900年から200年間調べてみました。下表はその結果です。30分おきの計算で、一ヶ所の観察地のみの集計ですから全てピックアップできている保証はありませんが、傾向は分かるでしょう。200年で14回ということは平均14年に一回程度。昨夕の光景はかなりレアな光景だった訳ですね。
下記のなかで三天体が最も近い(天体が作る三角形が小さい)ケースは1933年夕方のものでした(右図/Stellariumによる)。しかもこのときは月による金星掩蔽と土星掩蔽が日没後立て続けに起こりました。うぅ、見たかった!奇しくも昨夕にかなり近い背景(やぎ座)で驚きました。何か軌道上の周期が関係しているのかも知れません。
次の三天体会合チャンスは2030年6月28日明け方。このときはプレアデス星団とヒアデス星団に挟まれた空間に金星・土星・月が集い、夢のような星景になるでしょう。なお下表計算は条件がやや厳し目なので、例えば天体離角がもっと広くて良い、高度も低くて良いといった緩い条件にすると、少しチャンスが増えます。(2025年4月25日明け方、2028年2月29日夕方など。)ぜひ楽しんでください。
思い起こすと、金星と土星が最接近する様子はあまり見ないなぁと感じました。2016年1月9日明け方の超接近や、2019年2月18日明け方の大接近など見てきましたが、いずれも接近瞬時ではありませんでした。
2°以内程度まで接近することは平均数年に一回起こりますが、「最接近瞬時が日本で見える」「そのとき太陽が沈んでいる」「金星・土星ともある程度高度があって見やすい」などの条件を加味すると、とたんに激減します。まして、月も接近するとなれば稀な現象なのでしょう。それだけに、不安定になってしまった昨日の天気は悔やまれます。
ものは試し、金星・土星・月の三天体が一定条件で接近するケースを1900年から200年間調べてみました。下表はその結果です。30分おきの計算で、一ヶ所の観察地のみの集計ですから全てピックアップできている保証はありませんが、傾向は分かるでしょう。200年で14回ということは平均14年に一回程度。昨夕の光景はかなりレアな光景だった訳ですね。
下記のなかで三天体が最も近い(天体が作る三角形が小さい)ケースは1933年夕方のものでした(右図/Stellariumによる)。しかもこのときは月による金星掩蔽と土星掩蔽が日没後立て続けに起こりました。うぅ、見たかった!奇しくも昨夕にかなり近い背景(やぎ座)で驚きました。何か軌道上の周期が関係しているのかも知れません。
次の三天体会合チャンスは2030年6月28日明け方。このときはプレアデス星団とヒアデス星団に挟まれた空間に金星・土星・月が集い、夢のような星景になるでしょう。なお下表計算は条件がやや厳し目なので、例えば天体離角がもっと広くて良い、高度も低くて良いといった緩い条件にすると、少しチャンスが増えます。(2025年4月25日明け方、2028年2月29日夕方など。)ぜひ楽しんでください。
【金星・土星・月の接近/1900-2100年】
離角計算日時 (JST) | 金星・土星離角 (°角) | 土星・月離角 (°角) | 月・金星離角 (°角) | 金星高度 (°) | 土星高度 (°) | 月高度 (°) | 太陽高度 (°) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1910年06月05日 03:30:00 | 0.799 | 2.992 | 3.785 | 13.603 | 13.086 | 10.862 | -10.221 |
1933年12月20日 17:00:00 | 0.926 | 0.771 | 0.170 | 27.521 | 28.419 | 27.690 | -6.208 |
1939年05月17日 04:00:00 | 0.538 | 2.767 | 2.229 | 8.168 | 7.792 | 9.684 | -7.211 |
1969年06月11日 03:00:00 | 0.828 | 4.880 | 4.933 | 10.840 | 10.623 | 15.354 | -14.673 |
1980年11月05日 04:00:00 | 1.283 | 4.997 | 4.130 | 9.372 | 10.639 | 6.421 | -26.059 |
1992年03月02日 05:30:00 | 2.048 | 2.826 | 3.841 | 5.141 | 6.215 | 8.891 | -8.932 |
2001年07月18日 02:30:00 | 2.517 | 3.260 | 0.765 | 8.207 | 10.438 | 7.459 | -21.401 |
2016年01月07日 05:00:00 | 2.615 | 4.964 | 2.954 | 9.010 | 6.765 | 11.726 | -22.035 |
2023年01月23日 17:30:00 | 0.593 | 4.255 | 4.142 | 13.198 | 12.887 | 9.946 | -6.807 |
2030年06月28日 03:30:00 | 3.017 | 2.652 | 4.287 | 10.290 | 12.143 | 14.446 | -10.486 |
2039年11月13日 03:30:00 | 2.672 | 4.405 | 3.379 | 10.337 | 7.973 | 12.043 | -33.421 |
2075年11月10日 17:00:00 | 3.168 | 4.916 | 3.548 | 10.748 | 13.891 | 10.923 | -5.037 |
2080年12月15日 17:00:00 | 1.639 | 4.916 | 3.301 | 27.818 | 29.441 | 24.525 | -6.439 |
2097年10月04日 05:00:00 | 0.932 | 3.182 | 2.805 | 9.070 | 8.387 | 11.455 | -8.739 |
- 自作プログラムによる計算です。(使用暦表:JPL-DE440)
- 1900年始から-2100年末(JST)において、金星・土星・月の三天体の相互離角が5°以内、かつ各天体高度が5°以上、かつ太陽高度がマイナス5°以下になる日時を30分おきに探しました。
- 測心位置は日本経緯度原点です。
- 同一日に複数の時間幅で条件が満たされる場合は、一番早い時刻を表記しています。
今日の太陽 ― 2023/01/24
昨夜から今朝は曇り時々雨。近隣ではみぞれになったところもあったようです。今日も不安定な天気ながら、予想に反して午後に青空が広がる時間がありました。
左は14時前ごろの太陽。若干薄雲が通過しています。左上に追加された黒点周囲は活動領域13200と採番されており、更に左リム近くにもまた新たな黒点が見えます。楽しませてくれた13190の大きな黒点は右下リムに近づきました。数日後には見えなくなるでしょう。まだはっきり見えませんが左下の同緯度付近から活発な領域が見えつつあるので期待しましょう。プロミネンスも比較的規模の大きいものがあちこち見えています。
【夕方追記】
夕方が近づくとあっという間に雲が多くなり、17時ころ突然雷鳴が聞こえました。慌てて空を見ると左画像のようなガストフロントの成り損ないみたいな雲が横切っており、短時間のうちに稲光、突風、霰と続きました。降雨レーダーでは大きな積乱雲は確認できなかったものの、目まぐるしい天気変化を体験しました。
このあと夜の始めにかけて今冬初の雪になりました。量はわずかながらフロントガラスが真っ白になる程度の積雪です。
左は14時前ごろの太陽。若干薄雲が通過しています。左上に追加された黒点周囲は活動領域13200と採番されており、更に左リム近くにもまた新たな黒点が見えます。楽しませてくれた13190の大きな黒点は右下リムに近づきました。数日後には見えなくなるでしょう。まだはっきり見えませんが左下の同緯度付近から活発な領域が見えつつあるので期待しましょう。プロミネンスも比較的規模の大きいものがあちこち見えています。
【夕方追記】
夕方が近づくとあっという間に雲が多くなり、17時ころ突然雷鳴が聞こえました。慌てて空を見ると左画像のようなガストフロントの成り損ないみたいな雲が横切っており、短時間のうちに稲光、突風、霰と続きました。降雨レーダーでは大きな積乱雲は確認できなかったものの、目まぐるしい天気変化を体験しました。
このあと夜の始めにかけて今冬初の雪になりました。量はわずかながらフロントガラスが真っ白になる程度の積雪です。