モヤが濃くなる中で2つの小惑星をとらえる2021/08/28

20210827小惑星Kuboniwa
まもなく8月が終わります。お天気はゆっくり下っているようで、向こう10日間予報も雲や傘のマークが多そう。8月2日記事に書いたとおり星仲間のMeinekoさんの小惑星が9月上旬に衝を迎えるので撮り頃と思っていましたが、昨夜も透明度ガタ落ちの夜空。ですが貴重な晴れ間ですので撮影しようと準備しました。

…とここまで考えたところで、ふと思い出しました。自分の名を冠する小惑星の衝が今年8月12日だった!あまりの悪天続きで記憶から飛んでました。小惑星Meinekoより先行して南中するため、先にこちらへ望遠鏡を向け直しました。ちょうど南中前だったのでテレスコープウエストで開始したらどうにもガイドが不安定。やむなく南中まで待ってテレスコープイーストで再開し、今度は安定しました。原因不明…。木星と土星の中間あたりの空だったため、いつもの観察定位置からは低すぎて辛いものがありました。

小惑星は17等後半の光度予報で限界ギリギリの暗さ。昨夜の透明度で、しかもやや低い空ではかなり厳しかったのですが、何とかあぶり出しました。衝の頃だったら0.5等ほど明るかったはずだから少し余裕があったかも知れません。まぁとにかく暗くならないうちに撮影できて良かった…。小惑星Kuboniwaは公転周期が3.86年ほどで、地球との会合周期は単純計算で約1.35年。この会合のたびに18等より明るくなってくれますが、17等より明るくなるのは3回に1回程度。なかなかに手強く、それだけに挑戦し甲斐があります。次回の衝は2023年1月26日19:53ごろ。このときは16等台の予報なのでタイミングよく観察したいなぁ…。

20210828小惑星Meineko
続いて小惑星Meineko。こちらは予報光度15等前半と余裕の明るさでしたが、透明度の影響か思ったほど明るく仕上がりませんでした。日付が今日に変わる頃から薄い雲が何度も通過するようになり、空全体のモヤも濃くなるのが分かりました。

最後のフラット撮影をする頃には月がモヤに包まれ、他の星がほとんど見えなくなってしまいました。自分の周囲に霧は発生していませんが、高いところが霧に覆われているような空です。うっすらと月の光環が見えていました。ぎりぎりですが2つの小惑星を観察できたので良しとしましょう。次にすっきり晴れるのはいつになるやら…。

今日の太陽・Mクラスフレアが発生!2021/08/28

20210828太陽
昨夜から今朝は透明度の悪い晴れ、のち薄曇り。朝からは次第に晴れ渡りましたが、やはり透明度は今ひとつ上がらず白い空です。

20210828太陽リム
14時頃に太陽観察したのですが、15時過ぎて画像処理しつつ太陽の各種データを見ていたら、X線フラックスが異常に高まっていることに気づきました。15:11頃をピークとしたM4.79クラスの強いフレアが発生したのです(右下図/NOAAサイトから引用)。

慌てて再観測し、左画像を得ました。15:20過ぎの撮影で、M2.5程度まで弱まっていますがフレアが強いうちに捉えることができました。こんな強いのは久しぶり。2017年9月上旬のXクラスフレア以来でしょうか。拡大してみるとゆっくり変化しているのが分かりました。

20210828_Xray Flux
活動領域は12859、12860(フレアのところ)、12861に加え、右下リム近くのプラージュが見えているところに12862が追加されました。ここには複数の微小黒点が確認できます。この近くのプロミネンスがとても見事。

15時時点の夏日地点数は876、真夏日地点数は584、猛暑日地点数は60でした。昨日よりやや増えています。もうしばらく暑さが続きそうですね。