今日の太陽 ― 2026/01/06
レグルス接食掩蔽情報 ― 2026/01/06
本記事は大量のデータを内包しているため、回線が細かったりPC処理能力が弱いと表示がもっさりします。ご注意ください。
今夜(6日25時ごろ〜=7日1時ごろ〜)、しし座の1等星レグルスが月に隠される掩蔽現象が起こります。掩蔽を起こす1等星はレグルスのほかアンタレス、スピカ、アルデバランの四つが知られています。日本から夜に見えた1等星掩蔽としては2024年12月25日のスピカ以来ですね。月に隠される現象を「食」と言う方も多いですが、正しくは掩蔽と言います。(食は天体の『影』に隠される現象を指します。)
今回国内では九州の一部や南西諸島で見えないものの、大部分で観察可能です。特に九州を横断するラインでは接食掩蔽(グレージング:Grazing lunar occultation)になる予報です。天文リフレクションズさんによるYouTube配信が予定されているとのことなので楽しみに待ちましょう。(追記:配信後の映像を使って集計した結果はこちらをどうぞ。)
どのあたりで見えるか地図化しましたので、直前ながら掲載しておきます。今回もOccultという掩蔽計算アプリに自作プログラムを加味して各種データを算出しました。また九州での月縁図を左上に掲載しました。縦軸のkmがゼロライン(地図の赤い線)からの距離に対応、横軸は時間経過(分)で、黄色のメッシュで表現された月縁の地形によってどのように隠されるかが分かります。場所を選べば2、3回の潜入・出現が楽しめそうですね。(注:この月縁図は東経130.5°のゼロライン上におけるものです。月縁は観察場所によって若干変化するのですが、九州限定かつ精密観測が目的でないなら、本記事掲載のもので十分です。)
月縁図と地図の見方・使い方は地図下の説明をお読みください。予報時刻は目安なので、これにとらわれず数分程度の余裕を持って観察しましょう。
掩蔽や接食のとき、地上からどう見えるかという図はたくさん見つかるけれど、こうした接食地図のようなものをめっきり見かけなくなりました。明るい星の接食掩蔽は大変貴重で、限界線はどこなのかと言う情報も極めて大事です。お近くの方は時計片手に観察してみてください。正確な時刻付きの動画で記録しておくと良いですよ。
今年は3月2日および5月23日にもレグルス掩蔽が起こります。5月の回は昼間の現象ですが、3月の回(皆既月食前夜!)は20時台に観察可能で、これまた九州南部で接食掩蔽になります。お楽しみに。
- 赤線はゼロライン(平均月縁がレグルスに接して見える観測地)です。この位置を基準にプラスマイナス2kmまで、0.5km間隔で線が引いてあります。線をクリックすると「+2.0km」などとポップアップ表示されます。
- +○○kmという距離のプラス符号は、月中心に対して恒星が離れる方向です。今回は南限(月の南縁)で起こるので、プラス方向(ゼロラインの南)に離れるほどレグルスが月から南へ外れます。反対にマイナス方向(ゼロラインの北)で観測するとレグルスが月に深く隠されます。
- どこで見たら良いかは月縁図を対応付けてご覧ください。縦軸の目盛と地図のラインのプラスマイナスが対応しています。横軸は時間経過(単位は分)で、左に離れるほど予報より前、右ほど予報より遅い時間です。月を止めて考えると恒星が左(東)から右(西)へ移動しますから、見たまんまの時間経過になります。
- 黄色のメッシュ状に描かれているのが月縁の山々です。接食掩蔽ではこの山に隠されれば恒星が消え、谷から出れば光って見えます。重星では片方だけ隠されるケースもあります。今回は月の暗い側で起こりますからとても見やすいグレージングです。(注:月縁図はUT表記のため、タイトルがJan 6になってます。)
- 例えばゼロライン上で観測すると、図の真ん中を左右に横切る線に沿って月に対してレグルスが左から右へ移動するように見えます。つまり予想時刻の約2分20秒前に隠され、予想時刻の約1分後に現れます。
- いっぽう+1kmライン上の観測では違った見え方になります。二つの山と一つの谷を通過するので、二回の潜入・出現が楽しめます。広域に分布した複数人で観測して正確な時間を計って図化すると、山の形を浮き上がらせることができます。これがグレージングの醍醐味ですね。近年では小惑星の形を調べるのにもよく使われる手法です。
- ゼロライン上に経度0.05度間隔でドーナツ型のアイコンがあります。クリックすると各種データが表示されます。眺めるだけなら緯度経度と予報時刻だけ確認すれば大丈夫でしょう。地図はGoogleMap同様にドラッグ移動できます。
天リフさんによるレグルス接食・簡単集計 ― 2026/01/07
今日未明に九州の一部で見えたレグルスの接食掩蔽。天文リフレクションズさんによるYouTube配信結果を元に大雑把ですが集計してみました。
配信のタイムマークで測り、レグルスの潜入・出現を破線として月縁図に描くと左図の水色線のようになります。ゼロライン(平均月縁で接食になる地点)から観測地までの距離が約940mとのことなので、縦軸940mの位置に水色線がひいてあります。線が途中で何ヶ所か途切れてますね。これは月縁の凸凹にレグルスが隠されたり、また見えたりした様子を時系列で反映しています。
黄色メッシュで描かれた月縁地形は月周回無人衛星LROの観測を元にしたもので、こうした凸凹のシミュレーションは皆既日食のベイリービーズ予報などにも利用されています。あくまでデータに基づく地形モデルですから、正確無比と言うわけではありません。細かい地形など観測に引っかからないものや高度データに誤差を含む場合もあります。
赤矢印の小さな山に隠されたと思われる1秒ほどの潜入が見えたことは素晴らしい成果。配信時計や観測位置の不正確さなど改善点はありますが、気軽に実践した観測でもこのように遠くの月の地形が分かってしまうのが実に愉快ですね。二ヶ月後の3月2日にも夜間に見えるレグルス接食掩蔽が鹿児島県で起こります。またある程度明るい恒星の接食は全国各地で起こっており、天文年鑑などに掲載されています。お近くでチャンスがあればぜひ観察してみてください。
配信のタイムマークで測り、レグルスの潜入・出現を破線として月縁図に描くと左図の水色線のようになります。ゼロライン(平均月縁で接食になる地点)から観測地までの距離が約940mとのことなので、縦軸940mの位置に水色線がひいてあります。線が途中で何ヶ所か途切れてますね。これは月縁の凸凹にレグルスが隠されたり、また見えたりした様子を時系列で反映しています。
黄色メッシュで描かれた月縁地形は月周回無人衛星LROの観測を元にしたもので、こうした凸凹のシミュレーションは皆既日食のベイリービーズ予報などにも利用されています。あくまでデータに基づく地形モデルですから、正確無比と言うわけではありません。細かい地形など観測に引っかからないものや高度データに誤差を含む場合もあります。
赤矢印の小さな山に隠されたと思われる1秒ほどの潜入が見えたことは素晴らしい成果。配信時計や観測位置の不正確さなど改善点はありますが、気軽に実践した観測でもこのように遠くの月の地形が分かってしまうのが実に愉快ですね。二ヶ月後の3月2日にも夜間に見えるレグルス接食掩蔽が鹿児島県で起こります。またある程度明るい恒星の接食は全国各地で起こっており、天文年鑑などに掲載されています。お近くでチャンスがあればぜひ観察してみてください。
外合を迎えた金星が火星に接近中 ― 2026/01/07
本日、金星が外合を迎えました。太陽近くのため直接観察することは困難ですが、太陽観測衛星SOHOの画像で確認できます。記事下A画像として、1月6日0:00UTから7日9:00UTまで、約1時間おきのSOHO-LASCO-C2カメラ画像を使ったGIF動画を掲載しました。近くには1月9日に合を迎える火星もいますよ。太陽は天の西から東へ向かう順行、金星も外合前後は順行ですから、なかなか追いつけません。したがって太陽に近過ぎて「宵の明星・明けの明星として肉眼で観察しづらい期間」は実に数ヶ月以上にも及びます。
内合や外合ではその経路が「8年ごとに繰り返す5つのグループ」に分かれることをこれまで度々話題にしました(→2020年6月5日記事参照)。今回は太陽の南側・二番目に近いグループに属し(左図参照)、次回2027年8月の外合では北にもっとも遠いグループに属することになります。五つのグループを行ったり来たりするのです。
今回の外合は黄経外合と赤経外合の差が8時間あまりと少なめですね。外合時期が春分や秋分に近い場合、黄道と天の赤道とのなす角が最大になって、それぞれを基準に測る経度差の違いも大きくなります。最大で2日以上もの差になることも。反対に外合時期が夏至や冬至に近いと黄道と天の赤道とのなす角がゼロ、つまり平行に近くなりますから、どちらの座標系で測っても経度差があまり変わらないわけです。(これは外合に限った話ではありません。)
火星は逆行で合になるため、明日8日の12:13:03JST、金星に最接近します。離角は0.1738°角(=10.42′角)とかなり近いのですが、もちろん観ることはできません。その代わり(?)来年2027年11月25日9:39:59JSTに0.3098°角(満月直径より狭い)まで接近するので、晴れればその日の宵空低空で観察可能でしょう(下B画像参照/Stellariumによる)。高度10°程度ですが、どうかお忘れなくご覧ください。
内合や外合ではその経路が「8年ごとに繰り返す5つのグループ」に分かれることをこれまで度々話題にしました(→2020年6月5日記事参照)。今回は太陽の南側・二番目に近いグループに属し(左図参照)、次回2027年8月の外合では北にもっとも遠いグループに属することになります。五つのグループを行ったり来たりするのです。
今回の外合は黄経外合と赤経外合の差が8時間あまりと少なめですね。外合時期が春分や秋分に近い場合、黄道と天の赤道とのなす角が最大になって、それぞれを基準に測る経度差の違いも大きくなります。最大で2日以上もの差になることも。反対に外合時期が夏至や冬至に近いと黄道と天の赤道とのなす角がゼロ、つまり平行に近くなりますから、どちらの座標系で測っても経度差があまり変わらないわけです。(これは外合に限った話ではありません。)
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【2026年1月7日付近の金星メモ】
- 黄経外合の瞬時:7日 01:36:00 JST
- 赤経外合の瞬時:6日 17:12:59 JST
- 地球最遠:8日 15:37:51 JST、1.710959 AU
- 位相角最小の瞬時:6日 14:45:01 JST、0.9495°
火星は逆行で合になるため、明日8日の12:13:03JST、金星に最接近します。離角は0.1738°角(=10.42′角)とかなり近いのですが、もちろん観ることはできません。その代わり(?)来年2027年11月25日9:39:59JSTに0.3098°角(満月直径より狭い)まで接近するので、晴れればその日の宵空低空で観察可能でしょう(下B画像参照/Stellariumによる)。高度10°程度ですが、どうかお忘れなくご覧ください。
※注:太陽観測衛星SOHOの画像は黄道座標系で撮影されていますが、地球と太陽を結ぶ線上にいるわけではないため、太陽に対する金星や火星の位置が地球から見た場合と異なります。従って外合や接近などのタイミングもズレてしまいます。7日現在のSOHOは地球-太陽ラインより東側に離れており、そこから見ると手前の太陽に対して奥の金星が東(左側)にズレます。このため上のGIF動画では地球から見た外合瞬時よりもかなり早く外合を迎えているのです。








