2025年で日の入りが最も遅いシーズンです ― 2025/06/29
気温や湿度が高くなり、普段は涼しい斜陽すら辛く感じる季節になりました。冬ならとうに真っ暗になる時間でも、今は部屋の奥まで日が差して、気温上昇に拍車をかけます。
日本列島はようやく日没の折り返し点を過ぎ、日没最遅日が少しずつ南下しています。本日29日は本州南側や四国、九州北部で一年の最も遅い日没を迎えます。右下地図でお確かめください。(毎年微妙に位置が変わります。)
宵が蒸し暑い今の時期はホタルが盛んに飛び回りますが、飛び回るのはホタルだけではありません。街灯に集まる虫も多くなってきました。そんな虫を餌にするのが美しい網状の巣を作るクモの仲間。夕方になるとせっせと網を張るクモの姿を楽しむことができます。基本的に益虫なのに、気持ち悪いというだけで不快害虫にされてしまうのが悲しいところ。同じ種類なのに編み掛けが上手なクモ、下手なクモなど個性あふれているんですよ。(私は小学生のころからクモが巣を作るのを最初から最後まで見ていても全く飽きませんでした。変な子?)
日没が遅い今の時期はクモの巣の観察にも向いています。街灯が近くにある場合は街灯に面するように張るようですが、森の中のようなところではバラバラなことも多いです。一度調べてみたことがありますが、斜陽が差し込む向きとは関係ないようです。
斜陽の中でクモの巣を見かけたら、正面からではなく、ぜひ斜めから逆光で観察してみてください。なんと、クモの巣が虹色に光るのです。糸を構成する物質で屈折するせいでしょうか、本来の色ではない発色をします。彩雲だとか合わせレンズのニュートンリングだって、それを発する物質の色が見えるのではなく、屈折や回折と言う別の理由で色付きます。クモの巣を見込む角度によって色が変わるのが何よりの証拠。
写真に撮る場合は敢えて甘ピンにしたり、開放にして被写界深度を浅くすることをお勧めします。恒星を撮るのと同じで、ぼかすことで色あいが写りやすくなるのです。都会ではクモの巣を見つけることすら難しいかも知れませんが、斜陽が長い時期ならではの観察ネタでした。なお似たような性質で虹色に見えるものに、トンボやセミの透明な羽根、ススキやオギなどのふわふわした毛、野鳥が落としていった羽根、桜などのテカテカした樹肌などがあります。順光でも見えることがありますが、とても小さい虹光の粒なので、腰を据えてじっくりご覧あれ。
参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)
日本列島はようやく日没の折り返し点を過ぎ、日没最遅日が少しずつ南下しています。本日29日は本州南側や四国、九州北部で一年の最も遅い日没を迎えます。右下地図でお確かめください。(毎年微妙に位置が変わります。)
宵が蒸し暑い今の時期はホタルが盛んに飛び回りますが、飛び回るのはホタルだけではありません。街灯に集まる虫も多くなってきました。そんな虫を餌にするのが美しい網状の巣を作るクモの仲間。夕方になるとせっせと網を張るクモの姿を楽しむことができます。基本的に益虫なのに、気持ち悪いというだけで不快害虫にされてしまうのが悲しいところ。同じ種類なのに編み掛けが上手なクモ、下手なクモなど個性あふれているんですよ。(私は小学生のころからクモが巣を作るのを最初から最後まで見ていても全く飽きませんでした。変な子?)
日没が遅い今の時期はクモの巣の観察にも向いています。街灯が近くにある場合は街灯に面するように張るようですが、森の中のようなところではバラバラなことも多いです。一度調べてみたことがありますが、斜陽が差し込む向きとは関係ないようです。
斜陽の中でクモの巣を見かけたら、正面からではなく、ぜひ斜めから逆光で観察してみてください。なんと、クモの巣が虹色に光るのです。糸を構成する物質で屈折するせいでしょうか、本来の色ではない発色をします。彩雲だとか合わせレンズのニュートンリングだって、それを発する物質の色が見えるのではなく、屈折や回折と言う別の理由で色付きます。クモの巣を見込む角度によって色が変わるのが何よりの証拠。
写真に撮る場合は敢えて甘ピンにしたり、開放にして被写界深度を浅くすることをお勧めします。恒星を撮るのと同じで、ぼかすことで色あいが写りやすくなるのです。都会ではクモの巣を見つけることすら難しいかも知れませんが、斜陽が長い時期ならではの観察ネタでした。なお似たような性質で虹色に見えるものに、トンボやセミの透明な羽根、ススキやオギなどのふわふわした毛、野鳥が落としていった羽根、桜などのテカテカした樹肌などがあります。順光でも見えることがありますが、とても小さい虹光の粒なので、腰を据えてじっくりご覧あれ。
参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)
前夜に続いて土星観察 ― 2025/06/29
昨夜から今朝は曇り後晴れ。宵のうち雲間から四日月が見えたのですが、すぐに雲隠れしてしまいました。薄明が始まる頃またしても晴れてくれたので、性懲りも無く土星を眺めました。
撮影開始時の雲量は一晩前より少なかったけれど撮影後半は徐々に増え、何度か減光しました。またシーイングは前夜より落ちて細かい振動が多かったです。強めの画像処理をしなければ縞模様などが見えてきませんが、ノイズが増えたり暗い環のディティールが損なわれるのでほどほどにしなければなりません。
前夜は写野外だったタイタンがぎりぎりセンサーの端に捉えられたので、タイタン込みで衛星も撮影(右下画像)。前夜から1公転の7割を終えたエンケラドゥスも環のすぐ上にいるはずですが、うまく分離しません。
7月8日朝の「土星の環の傾斜が今年最大」までもうすぐ(→昨日の記事参照)。本来は梅雨の時期なのに2晩続けて晴れるなんて幸運です。今暗く見えているのは土星の環の南面。前回この面を見たことがあるのは1995-2009年の期間に土星を見ていた人だけです。数えてみたら、私はその前の南面の期間:1966-1980年から土星を見始めていました。自分で初めて見つけた土星の環は南面だったのかと、今更ながら驚きました…。記事下表に南北面の入れ替わり時期の一覧を掲載しておきます。
ともあれ、7月8日当日まで何夜観ることができるか分かりませんが、何回でも目に焼き付けたいですね。
撮影開始時の雲量は一晩前より少なかったけれど撮影後半は徐々に増え、何度か減光しました。またシーイングは前夜より落ちて細かい振動が多かったです。強めの画像処理をしなければ縞模様などが見えてきませんが、ノイズが増えたり暗い環のディティールが損なわれるのでほどほどにしなければなりません。
前夜は写野外だったタイタンがぎりぎりセンサーの端に捉えられたので、タイタン込みで衛星も撮影(右下画像)。前夜から1公転の7割を終えたエンケラドゥスも環のすぐ上にいるはずですが、うまく分離しません。
7月8日朝の「土星の環の傾斜が今年最大」までもうすぐ(→昨日の記事参照)。本来は梅雨の時期なのに2晩続けて晴れるなんて幸運です。今暗く見えているのは土星の環の南面。前回この面を見たことがあるのは1995-2009年の期間に土星を見ていた人だけです。数えてみたら、私はその前の南面の期間:1966-1980年から土星を見始めていました。自分で初めて見つけた土星の環は南面だったのかと、今更ながら驚きました…。記事下表に南北面の入れ替わり時期の一覧を掲載しておきます。
ともあれ、7月8日当日まで何夜観ることができるか分かりませんが、何回でも目に焼き付けたいですね。
【見えている土星の環の面はどちら側か?/1900-2100年の入れ替わり日時】
| 日時(JST) | 見えている環の面 | 地心土星黄経 |
|---|---|---|
| 1907年4月13日 1:05 | 北面→南面 | 351.77° |
| 1907年10月4日 18:19 | 南面→北面 | 352.80° |
| 1908年1月7日 19:29 | 北面→南面 | 352.31° |
| 1920年11月8日 6:07 | 南面→北面 | 171.98° |
| 1921年2月23日 0:33 | 北面→南面 | 172.80° |
| 1921年8月4日 4:32 | 南面→北面 | 172.29° |
| 1936年6月25日 19:10 | 北面→南面 | 352.47° |
| 1936年7月2日 10:52 | 南面→北面 | 352.53° |
| 1937年2月21日 2:43 | 北面→南面 | 352.37° |
| 1950年9月14日 14:59 | 南面→北面 | 172.45° |
| 1966年4月2日 18:16 | 北面→南面 | 352.62° |
| 1966年10月29日 7:36 | 南面→北面 | 353.62° |
| 1966年12月18日 6:08 | 北面→南面 | 353.32° |
| 1979年10月27日 10:55 | 南面→北面 | 172.79° |
| 1980年3月13日 1:08 | 北面→南面 | 173.76° |
| 1980年7月23日 11:48 | 南面→北面 | 173.21° |
| 1995年5月22日 5:28 | 北面→南面 | 353.08° |
| 1995年8月11日 15:23 | 南面→北面 | 353.72° |
| 1996年2月12日 3:47 | 北面→南面 | 353.27° |
| 2009年9月4日 17:39 | 南面→北面 | 173.33° |
| 2025年3月23日 22:50 | 北面→南面 | 353.47° |
| 2038年10月15日 22:59 | 南面→北面 | 173.62° |
| 2039年4月2日 8:01 | 北面→南面 | 174.66° |
| 2039年7月9日 21:52 | 南面→北面 | 174.16° |
| 2054年5月6日 7:59 | 北面→南面 | 353.87° |
| 2054年8月31日 21:36 | 南面→北面 | 354.72° |
| 2055年2月1日 14:58 | 北面→南面 | 354.18° |
| 2068年8月25日 10:46 | 南面→北面 | 174.22° |
| 2084年3月14日 13:50 | 北面→南面 | 354.34° |
| 2097年10月5日 11:52 | 南面→北面 | 174.47° |
| 2098年4月27日 1:05 | 北面→南面 | 175.49° |
| 2098年6月18日 19:30 | 南面→北面 | 175.17° |
| 日時(JST) | 見えている環の面 | 地心土星黄経 |
- 自作プログラムによる計算です。時刻は多少の誤差が含まれます。
- 「北面→南面」と書いてある場合、「その日時まで北面が見えていたけれど、それ以降は南面が見える」と言う意味です。要するにこの日時は地心から見た環の消失日です。
- 約15年ごとに南北の交代があり、その時期は短期間で数回入れ替わることもあります(必ず奇数回)。
- 入れ替わる時の地心土星黄経がきっちり2方向に分かれることから、入れ替わり期(環の消失期)はほぼ2種類の同じ星座方向で起こることが分かります。








