今日の太陽と三日前のフレアによる磁気嵐2026/01/22

20260122太陽
二十四節気の「大寒」を二日過ぎて、流れ込んでいる寒気によって北陸側を中心に大雪の被害が出ています。当地でも今朝方極くわずかに雪が舞いました。明け方の最低気温は日出ごろの-6.4度。年間に数えるほども無い記録です。日中は透き通った快晴、風が強く、気温は5度止まりでした。

20260122太陽リム
左は12:20ごろの太陽。天候不順で4日ぶりの観察になりました。小さめの黒点が多く、見えている側の活動領域は11ヶ所。今日からカメラを白黒(ASI676MM)に変えました。今までのカラーカメラ(ASI676MC)と同系列、センサーピッチも同じなので、像径や処理法は基本的に一緒です。感度ピークが600〜750nmでHαを含む赤や近赤外の撮影向き、画素が十分細かいスクエアセンサーなため、f.l.=500〜600mm直焦点で太陽や月面の全球を撮る方には短辺が切れるストレスも無し。まさにシンデレラフィットと言えるでしょう。画像処理の最適化でもう少し良像になる気がします。この時期はシーイングが悪過ぎるので細かな部分の判断が困難ですね。

太陽観測グラフ・202601
さて、ご存知のように20-21日にかけて記録的な太陽活動が発生、ヨーロッパを中心にオーロラ祭りとなりました。ピークのタイミングがずれた日本でも見えたようです。発端は18日18:08UT(19日3:08JST)に地球正面で起こったX1.95クラスフレアです。

去年から今年にかけて何回か低緯度オーロラが起こりましたが、今回の磁気嵐はセンサーが振り切れるほどの規模でした。多くのみなさんは普段の太陽がどれくらい大人しいかを知りようも無いため、強いと言われても実感が湧きません。ですので、1ヶ月区切りでまとめた「X線」「陽子」「磁場」の三つの観測値変化を、気象衛星GOESデータを使って視覚化しました。左は2026年1月のもので、本日9時JSTまで表記しています。また参考値として、去年7月からの半年間のグラフも下記に掲載しました。いずれも横軸は日付(UT区切り)です。

陽子Fluxが10を越えるとアメリカのSWPC(SPACE WEATHER PREDICTION CENTER)がアラートを出すレベルになります。2025年11月中旬の磁気嵐も分かりますね。可視光やX線など電磁波フラックスから分かるフレアピークは光速で地球近傍に届きますが、太陽からの放出や磁場変化はかなり遅れて届きます。スピードは天体位置や発生状況などその時々でまちまちであり、今回の太陽風は1000km/sオーバーの記録的速度でした。

細かいところは分からなくても良いので、普段はどんな感じで、今回どうなったのかをグラフの動きから読み取ってみてください。グラフ色など凡例はNOAAサイトのグラフに合わせてあります。向こう1、2年は突発的な現象が期待できると共に、電子機器の誤動作などにも十分な注意が必要です。

  • 太陽観測グラフ・202507

    2025年7月
  • 太陽観測グラフ・202508

    2025年8月
  • 太陽観測グラフ・202509

    2025年9月


  • 太陽観測グラフ・202510

    2025年10月
  • 太陽観測グラフ・202511

    2025年11月
  • 太陽観測グラフ・202512

    2025年12月


太陽観測グラフ・202601
X線フラックスのピークが10-4を上回ったところがXクラスフレア、10-5以上10-4未満がMクラスフレアです。2025年11月11日19:04JSTのX5.16クラスフレアは今回よりずっと強いものでしたが、プロトンフラックスは今回のほうが大きいですね。

X線フラックスのピークとプロトンフラックスのピークの時間差から、到達速度を求めてみましょう。左は18日から21日までのグラフを抜き出したもの。ピークの時間差は約24時間6分でした。いっぽう太陽・地球間距離をピーク中間に近い19日6時UTの日心距離で代表させると、約1.472億km。従って到達速度は1629.04km/secになります。(※実際は静止衛星GOES-19までの到達になります。)もちろん1天文単位を等速でやってきたと言うわけでは無く、太陽風は加速型・減速型があることが分かっています。