素晴らしき満月びより2024/12/16

最高高度の満月に向けた望遠鏡
昨夜の満月は二つの意味で特別でした。ひとつは2024年9月18日記事の表に載せましたが、ビーナスベルトと共にタイミング良く登ってくる満月だから。もうひとつは2024年12月11日記事に書いた通り、日本各地で今世紀トップクラスの高高度満月だからです。

中川光学研究所の中川さんが本日のブログ記事に昨夕の月出経過を掲載しています。地球影に追い立てられるように登る満月が実に見事。

左画像は満月南中の数分前に、月面を見ている望遠鏡の西側から東を向いて撮影したもの。背景には登るしし座が見えていますね。鏡筒がほとんど天頂を向いていることが分かるでしょう。望遠鏡の影も真下に落ちています。当地・茨城県南部では月の南中高度が82.3°近くでした。

この望遠鏡で撮影したのが右下画像。撮影は南中の約1時間前、15日22:40頃で、太陽黄経差は約182.59°、撮影高度は約74.63°、月齢は14.31。満月瞬時は18:01:41ごろでしたから、4.5時間以上経っています。今回の満月は黄道面の北側に4°以上離れており、南側が欠けています。シーイングが悪くてボケボケですが、南極域の山々がほとんど辿れます(2023年11月29日記事参照)。隣に並んでいた木星も撮りましたが、処理に時間がかかるため後日掲載。

20241215_18259月
それにしても天の頂にさしかかる月は素晴らしいものでした。月南中の少し前にカペラが南中しましたが、当地ではこの時点で天頂から半径約10°円の中にカペラと月が入り、15°まで広げれば木星も入ってしまいました。なんと豪華な天窓でしょうか。

高い塔やクリスマスツリーでもあれば一緒に撮りたかったけれど、行ける範囲にありません。そこで、逆に天から照らされている街並みを撮ってみました。下A・B・C画像は西南西向きベランダから見た様子。月が南中する時刻(当地では23:48ごろ)を基準に、4時間前と4時間後の三枚を掲載しました。家屋の屋根や壁に当たる月光の向き、車両や樹木の影などを見比べてみてください。もう少し暗い街だったらもっと面白かったでしょう。南中高度が高いと言うことは、月出や月没の方位も最北に近いと言うことです。日時計みたいにノモンを立てた板を用意して確かめるのも面白そう。

南中ごろ自分の影も見てみたけれど、足元に小さくまとまった影を夜に見るなんて、実に新鮮な体験でした。来年や再来年の最高高度満月もかなり高いので、今回お天気に恵まれなかった地方の方も諦めず再挑戦してくださいね。

  • 20241215-16・月南中の4時間前

    A.月南中の4時間前(15日19:48)
  • 20241215-16・月南中

    B.月南中(15日23:48)
  • 20241215-16・月南中の4時間後

    C.月南中の4時間後(16日03:48)


20241215木星
(追記)
満月撮影の少し前に木星を観察。衝後の初観察でしたが、あまりにもシーイングが悪くてうまくスタックしてくれません。模様もボケボケです。月面クレーター一個分くらいの面積を強拡大している訳ですから、よほど運が良くないと冬はだめですねぇ…。

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