近年トップクラスの『最高高度満月』を見よう2024/12/11

20231227_18568月
月のイベントが続きます。

空を良く見ている方なら「冬の満月は高いところに見える」という感覚をお持ちでしょう。あまり触れられていませんが、実は今月15日の満月は「日本の多くの地域で前後15年程の中で最高の高度」なのです。これを逃す手は無いでしょう。高さが実感できるような方法で観察したり写真を撮ってみてはいかがでしょうか。

1950年から101年間、各年で一番高い南中高度になる満月期の月(太陽黄経差165°-195°内の月)を計算し、トップ10を記事末の表に掲載しました。月高度や順位は観察者の位置に左右されるため、五つの都市で計算してあります。今月の満月は広範囲で一世紀の中でも3位の高高度、しかも上位よりも満月に近い位相だと分かるでしょう。ちなみに計算範囲を二世紀(前後100年)にしても、4位に食い下がってます。

例えば東京では15日の南中高度が82.6°を越します。東京スカイツリーの中心軸から北にわずか100m離れて見上げても、タワーてっぺんより月のほうが上に見えるんですよ。すごくないですか?福岡タワーなら北に22m離れるとてっぺんに突き刺さる満月になるかも。位置がタワー内部になったり夜間立ち入り禁止などで実現可能か分かりませんが、高い塔との比較は面白いと思います。我が家近くにある牛久大仏(120m)では今年の名月のころこんな写真が話題(撮影自体は2022年)になってましたが、今月の満月なら足元から見上げても頭より上ですね。あ、あそこは夜間立ち入れませんね…。まぁとにかく、大雑把に月と塔頂が重なる塔直下からの距離は「塔の高さ÷tan(月高度)」です。

満月期における南中高度の年間最高値変化(日本経緯度原点/1900〜2100年)
下表で沖縄のみずいぶん日付が違っているのに気付いたでしょうか。南下するほど南中高度が高くなるので、東京で82°位の月は、緯度が東京マイナス8°の地点でほぼ天頂に輝きます。沖縄本島以南では場合によって南中ではなく、天頂を通り越して「北中」になってしまうのです。このため最高高度だけで順位を付けるなら「天頂付近が最も高い」「天頂を越すと高度が下がってしまう」ことになり、奄美以北に比べてかなり異なる日時になるのです。オーストラリアで「子午線通過するオリオンが“北”に低い」のと同じ理屈ですね。

師走の多忙や寒さで夜中に外へ出る機会は少ないでしょうが、晴れていたら一瞬で良いので「近年稀に見る最高高度の満月」を堪能してくださいませ。あ、くれぐれもむち打ち症やぎっくり腰の方はお気を付けて。もし曇りや雨、雪になってもご安心を。表を見ると来年や再来年もエントリーされていますから再挑戦しましょう。(冒頭画像は昨年12月の満月。)

【南中高度が高い満月期の月・トップ10/1950-2050年】
日本経緯度原点(東京)
南中日時(JST)高度太陽黄経差月齢
1969年1月2日 22:48:1482.6367 °166.9648 °13.81
2043年12月16日 23:54:1382.6277 °184.0995 °15.01
2024年12月15日 23:49:5482.6127 °183.1998 °14.35
2007年1月2日 22:50:0982.6109 °167.4278 °12.99
1950年1月3日 23:07:4482.5592 °171.2054 °14.80
2042年12月26日 23:34:3782.5282 °178.2548 °14.00
2005年12月17日 00:26:3882.5185 °191.2002 °15.02
2026年1月2日 22:54:1782.4179 °168.2950 °13.51
2025年12月6日 00:11:4282.3954 °189.4918 °15.35
1988年1月3日 23:23:4982.3804 °174.7696 °13.83
札幌
南中日時(JST)高度太陽黄経差月齢
1969年1月2日 22:41:3575.1144 °166.9145 °13.81
2043年12月16日 23:47:2975.0898 °184.0326 °15.01
2007年1月2日 22:43:2775.0817 °167.3691 °12.99
2024年12月15日 23:43:1275.0783 °183.1383 °14.35
1950年1月3日 23:01:0375.0342 °171.1504 °14.80
2005年12月17日 00:19:5774.9965 °191.1469 °15.01
2042年12月26日 23:27:5474.9956 °178.1924 °14.00
2026年1月2日 22:47:3474.8842 °168.2295 °13.50
1988年1月3日 23:17:0974.8619 °174.7180 °13.83
2025年12月6日 00:04:5874.8556 °189.4253 °15.35
大阪
南中日時(JST)高度太陽黄経差月齢
1969年1月2日 23:05:4483.6261 °167.0970 °13.82
2043年12月17日 00:11:5583.6178 °184.2753 °15.02
2024年12月16日 00:07:3283.6063 °183.3613 °14.37
2007年1月2日 23:07:4583.5973 °167.5822 °13.00
1950年1月3日 23:25:1783.5439 °171.3499 °14.81
2042年12月26日 23:52:1583.5153 °178.4185 °14.02
2005年12月17日 00:44:0983.4997 °191.3400 °15.03
2026年1月2日 23:11:5883.4005 °168.4669 °13.52
2025年12月6日 00:29:2383.3918 °189.6663 °15.36
2006年12月6日 00:22:2283.3694 °188.1659 °14.71
福岡
南中日時(JST)高度太陽黄経差月齢
1969年1月2日 23:26:5284.7251 °167.2567 °13.84
2043年12月17日 00:33:1784.7173 °184.4876 °15.04
2024年12月16日 00:28:5084.7103 °183.5564 °14.38
2007年1月2日 23:29:0084.6926 °167.7688 °13.02
1950年1月3日 23:46:2984.6373 °171.5245 °14.83
2042年12月27日 00:13:3384.6112 °178.6163 °14.03
2005年12月17日 01:05:2084.5889 °191.5089 °15.04
2025年12月6日 00:50:4584.4989 °189.8772 °15.38
2026年1月2日 23:33:1984.4911 °168.6746 °13.53
2006年12月6日 00:43:3984.4813 °188.3581 °14.73
那覇
南中日時(JST)高度太陽黄経差月齢
2005年12月14日 23:26:2989.9994 °167.2980 °12.98
2042年11月28日 00:37:5089.9978 °185.5221 °14.80
2026年12月25日 01:08:0889.9932 °188.7367 °15.64
2041年1月17日 00:11:0189.9792 °172.7146 °13.84
1968年1月16日 00:41:2089.9620 °179.7519 °15.50
2008年12月14日 01:26:0489.9566 °194.1772 °15.98
2006年12月4日 23:53:2989.9427 °174.7464 °13.69
1990年12月3日 00:36:4889.9244 °184.6452 °15.27
2021年12月20日 00:48:5389.9208 °185.0664 °15.34
1985年11月29日 01:09:3389.8962 °192.4824 °16.08

  • 自作プログラムによる計算です。(使用暦表:JPL-DE440)
  • 満月期を太陽黄経差180°プラスマイナス15°の範囲内としています。
  • 満月期にこだわらなければもっと高い月もありますが、太陽に近い場合も含まれてしまうでしょう。


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