日本の空に帰ってきた紫金山・ATLAS彗星2024/09/24

20240924_C/2023A3
やっと日本の空にも紫金山・ATLAS彗星(C/2023 A3)が戻ってきたようです。

昨夜から今朝はぐっと涼しくなり、長袖が必要でした。空は冬みたいに透明度が高く色々見たかったけれど、昼間からやや強風が続き、惑星や月面は断念…。その代わり明け方低空の紫金山・ATLAS彗星を見に、近くの見晴らし良い場所へ出かけてみました。

この場所はつい先日に名月を観たところです。実は名月が昇った位置と紫金山・ATLAS彗星の昇る位置は方位が5°程度しか違わないと知っていたため、名月の時にしっかりとロケハンしておいたのでした。見え始まる予定の40分前に現地着、あれこれ準備。案の定空が明るくなる速度が速くて追いつかれそうになりましたが、ぎりぎり彗星の姿をとらえました。左上画像撮影時の彗星高度は約4.5°。低いですねぇ…。前回撮影したのが5月29日でしたから、久しぶりの再開に目頭が熱くなりました。立派になっちゃって、もう…。

この画像は特殊な処理で空の明るさを抑えつつ微光星や彗星の尾を炙り出しています。実際の空はもう明る過ぎてカメラの液晶モニターでも強拡大しなければ全く分かりませんでした。第一印象で「暗いなぁ」と思ってしまったほどです。冷静に考えたら青空のように明るい中でも輝いて見えるのですから、相当明るいんですけどね。

同じ時刻で考えると9月28・29日ごろは今朝より1°くらい高くなり、当然光度も増しているでしょう。また少しずつ朝が遅くなる効果もあるため、10月3、4日ごろまでは何とか観察可能と思われます。近日点通過(9月27日UT)前後に崩壊しなければ、ひとまず峠は越えたと言えそうです。(安心はできませんが…。)晴れたらぜひ探してみてください。

帰宅後に拝見しましたが、天文リフレクションズさんによる紫金山・アトラス彗星ライブ配信も、雲に邪魔されつつも成功したようです。すばらしい!見ごろの時間に関東との時差が感じられ、今さらながら驚かされます。ざっくり言って経度が10°違いますから、春分・秋分前後はおおよそ40分遅れになるんですね。気になったので6都市で計算して下表にまとめておきました。この表の発展として2024年9月25日記事も書きました。ぜひご覧ください。


【紫金山・ATLAS彗星が高度5°に達する時刻】
※各欄下段の数値はその時刻の太陽高度。マイナスは地平下を意味する。
日付札幌仙台東京大阪福岡那覇
9月16日05:19
-0.15°
05:16
-1.48°
05:18
-2.18°
05:34
-2.45°
05:53
-2.75°
05:58
-4.62°
9月17日05:15
-1.03°
05:12
-2.40°
05:14
-3.12°
05:30
-3.40°
05:49
-3.70°
05:54
-5.60°
9月18日05:12
-1.91°
05:08
-3.31°
05:10
-4.05°
05:26
-4.33°
05:45
-4.64°
05:51
-6.57°
9月19日05:08
-2.77°
05:04
-4.21°
05:06
-4.96°
05:22
-5.25°
05:42
-5.56°
05:47
-7.52°
9月20日05:04
-3.61°
05:01
-5.08°
05:03
-5.85°
05:19
-6.14°
05:38
-6.45°
05:43
-8.44°
9月21日05:01
-4.43°
04:57
-5.92°
04:59
-6.70°
05:15
-6.99°
05:35
-7.32°
05:39
-9.33°
9月22日04:58
-5.21°
04:54
-6.73°
04:56
-7.52°
05:12
-7.81°
05:31
-8.14°
05:36
-10.16°
9月23日04:55
-5.95°
04:51
-7.49°
04:53
-8.28°
05:09
-8.58°
05:28
-8.91°
05:33
-10.94°
9月24日04:52
-6.64°
04:48
-8.19°
04:50
-8.99°
05:06
-9.29°
05:25
-9.62°
05:30
-11.65°
9月25日04:50
-7.27°
04:46
-8.82°
04:48
-9.62°
05:04
-9.92°
05:23
-10.25°
05:28
-12.28°
9月26日04:48
-7.81°
04:44
-9.36°
04:46
-10.16°
05:02
-10.46°
05:21
-10.78°
05:26
-12.79°
9月27日04:47
-8.27°
04:43
-9.81°
04:45
-10.60°
05:01
-10.89°
05:20
-11.21°
05:25
-13.19°
9月28日04:46
-8.61°
04:42
-10.13°
04:44
-10.90°
05:00
-11.19°
05:19
-11.50°
05:24
-13.44°
9月29日04:46
-8.82°
04:42
-10.30°
04:44
-11.06°
05:00
-11.34°
05:19
-11.64°
05:24
-13.51°
9月30日04:47
-8.89°
04:43
-10.31°
04:45
-11.05°
05:01
-11.31°
05:20
-11.59°
05:25
-13.39°
10月1日04:48
-8.78°
04:45
-10.14°
04:47
-10.83°
05:03
-11.08°
05:22
-11.34°
05:27
-13.04°
10月2日04:51
-8.47°
04:48
-9.74°
04:50
-10.39°
05:06
-10.62°
05:25
-10.86°
05:30
-12.43°
10月3日04:55
-7.94°
04:52
-9.11°
04:54
-9.70°
05:10
-9.90°
05:29
-10.12°
05:35
-11.54°
10月4日05:01
-7.17°
04:57
-8.21°
04:59
-8.73°
05:16
-8.91°
05:35
-9.09°
05:41
-10.33°
10月5日05:07
-6.13°
05:04
-7.02°
05:06
-7.46°
05:23
-7.60°
05:42
-7.75°
05:48
-8.78°
10月6日05:16
-4.82°
05:13
-5.52°
05:15
-5.86°
05:31
-5.97°
05:51
-6.08°
05:57
-6.86°
10月7日05:26
-3.21°
05:23
-3.70°
05:25
-3.94°
05:42
-4.00°
06:01
-4.06°
06:08
-4.57°
10月8日05:37
-1.32°
05:35
-1.57°
05:37
-1.68°
05:54
-1.69°
06:14
-1.70°
06:20
-1.89°
日付札幌仙台東京大阪福岡那覇

  • 自作プログラムによる計算です。
  • 秒の桁は四捨五入(30秒繰り上げ)しています。
  • いわゆる市民薄明開始/薄暮終了はマイナス6°、航海薄明開始/薄暮終了はマイナス12°、天文薄明開始/薄暮終了はマイナス18°の位置に太陽中心が到達した状態の時刻(右図)。日出没と違い、太陽上辺の到達時刻ではありません。
  • 東西南北に離れた地域による条件の差を読み取ってみてください。太陽と彗星が離れて見やすい最適日は全国同じではなく、少しずつ異なります。


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