2025年1月のうるう秒挿入はありません2024/07/05

2017年1月1日-2024年6月1日のLOD累積
国際地球回転・基準系事業(INTERNATIONAL EARTH ROTATION AND REFERENCE SYSTEMS SERVICE /IERS)から毎年1月と7月各初旬に発表される報道のうち、本日に「2025年1月1日(前年12月末UT)のうるう秒挿入はない」と発表されました(→IERS News:2024年7月4日UT付けBULLETIN-C68)。これにより、少なくとも次の閏秒調整対象日である2025年6月末UTまではUTC-TAI = -37秒が維持されることが確定しました。

恒例により左に、2017年のうるう秒挿入直後を原点として1日ごとのLOD(Length of Day:1日の実測長)差分値を足し(水色線)、正確な時を刻む原子時計に対して自然に基づく時計がどれだけずれているか(緑線)を表したグラフを掲載しました。また、LODと24時間=86400秒との差の日々の値(薄青線)、および31日移動平均(赤線)をグラフ化したのが右下図です。これで2017年から続く「うるう秒無し確定期間」は観測史上最長を更新し続けています。

2020年1月1日-2024年6月1日のLOD差分変化
右図から分かるように毎年夏は大きく落ち込むのですが、今年は極めて緩やかな下降しか起きていません。これから急に落ち込むとしても例年より随分遅いことになるでしょう。人間にとっては一日=86400秒と言う値は短期間で大きく変わってほしくない重要な値ですが、自然物である地球にとって「一定値に留まらなくてはいけない」などという必然性はありません。ここ一年ほど“じっと堪える”ように値が変化しなくなったのはどうしてなのでしょう?何か天変地異の前触れでなければ良いのだけれど…。

当ブログで度々取り上げてきた「初の閏秒削除の可能性」や「2035年までに閏秒を無くすことを決定」といったことは、現状を観る限り何もしなくても良いような状態。逆に言うと、いま安定しているうちに強固な時間管理システムを構築しなさいと言う思し召しかも知れませんね。

参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)

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