小さな火星のオリンポス火山 ― 2022/09/15
一昨日夜から昨日明け方にかけての晴れ間を使い、惑星観察&撮影しました。夜半過ぎ頃までは薄雲が頻繁にまとわりつき、わずか数分の撮影でも光量が上下しました。風もほとんど無くてシーイングは悪くないのにこの理不尽さよ…。はなっから良像は諦め、撮影条件の研究と割り切って色々やってみました。
左は21:30ごろの土星。ほぼ南中しているので一晩の中では一番条件が良いはずですが、雲のせいか暗く感じます。カメラ感度を最大近くまで上げ、ノイジーになるのも構わずフレーム数を稼いだところ、それなりに良い像になってくれました。極端にコントラストを上げる対象でもない限り、低レベルノイズが多少増えたところで大きな画質低下は無さそうです。
右は22時少し前の木星。まだ最大高度になる前でしたが、ちょうどイオとイオの影の通過があったので撮影しました。木星北側にはカリストも通過中で、なかなか面白い絵面になりました。カリストは木星の向こう側を右から左(天の西から東)へ向かっており、いっぽうのイオとイオの影は手前を逆に移動しています。数カットを画質に応じてDerotation加重合成してますが、模様と衛星、影はそれぞれ独立した移動だからブレてしまうようです。
この頃は一時的にシーイングが落ちた頃でした。一晩の中でも大きな波があるようです。
最後に、久しぶりの火星に望遠鏡を向けます。明け方まで天気が持たないことを想定し、保険がてら電線群を抜けた直後に撮影。約1時間後に少し高くなってから再撮影。シーイングは落ち着きつつありました。火星は視直径10″を上回ってきましたが、それでも小さいため、思い切って手持ちの拡大系接眼部で最も長い焦点距離に換えてみました。
ざっと画像処理して驚いたのは、オリンポス火山が虫刺されの痕のごとくしっかり確認できたこと(下B・C画像)。更に何度か処理し直したところ、タルシス三山(アスクレウス山、パヴォニス山、アルシア山)も何となく見えてきました。今回の撮影は火星の標準子午線から西側(西半球)です。1時間前の保険で撮影した画像(下A画像)でも少しぼけているけれど山々が確認できますよ。例えると、1.6km離れた卓球ボールにへばりついてる数mm以下の虫を撮影するような話。ひええぇぇ…。オリンポスの左側、ゴルディ尾根やエウメニデス尾根あたりの凸凹もふたつの撮影で共通して確認できるので、間違いなく写っているようです。
標高データを元に自作した下D図とも照らし合わせてみてください。(※向きに注意!地図上方向に相当する北極方向は、撮影画像の上方向から右回りに約33°傾いてます。)マリネリス峡谷は影の中ですが、ノクティス迷路あたりは明暗境界近くに暗く見えています。タルシス三山あたりはやや白っぽい色なので、雲が発生していることも分かりました。わずか20cmのたいしたことない望遠鏡でも、空の条件が良ければここまで解像するんですね。ビックリしました。約三ヶ月後の地球最接近時はいまの1.7倍まで大きくなります。また2027年2月20日の小接近(地球接近のなかで一番遠いケース)でも、今の火星よりは1.4倍近く大きく見えます。
参考:
アーカイブ「火星の地球接近」
左は21:30ごろの土星。ほぼ南中しているので一晩の中では一番条件が良いはずですが、雲のせいか暗く感じます。カメラ感度を最大近くまで上げ、ノイジーになるのも構わずフレーム数を稼いだところ、それなりに良い像になってくれました。極端にコントラストを上げる対象でもない限り、低レベルノイズが多少増えたところで大きな画質低下は無さそうです。
右は22時少し前の木星。まだ最大高度になる前でしたが、ちょうどイオとイオの影の通過があったので撮影しました。木星北側にはカリストも通過中で、なかなか面白い絵面になりました。カリストは木星の向こう側を右から左(天の西から東)へ向かっており、いっぽうのイオとイオの影は手前を逆に移動しています。数カットを画質に応じてDerotation加重合成してますが、模様と衛星、影はそれぞれ独立した移動だからブレてしまうようです。
この頃は一時的にシーイングが落ちた頃でした。一晩の中でも大きな波があるようです。
最後に、久しぶりの火星に望遠鏡を向けます。明け方まで天気が持たないことを想定し、保険がてら電線群を抜けた直後に撮影。約1時間後に少し高くなってから再撮影。シーイングは落ち着きつつありました。火星は視直径10″を上回ってきましたが、それでも小さいため、思い切って手持ちの拡大系接眼部で最も長い焦点距離に換えてみました。
ざっと画像処理して驚いたのは、オリンポス火山が虫刺されの痕のごとくしっかり確認できたこと(下B・C画像)。更に何度か処理し直したところ、タルシス三山(アスクレウス山、パヴォニス山、アルシア山)も何となく見えてきました。今回の撮影は火星の標準子午線から西側(西半球)です。1時間前の保険で撮影した画像(下A画像)でも少しぼけているけれど山々が確認できますよ。例えると、1.6km離れた卓球ボールにへばりついてる数mm以下の虫を撮影するような話。ひええぇぇ…。オリンポスの左側、ゴルディ尾根やエウメニデス尾根あたりの凸凹もふたつの撮影で共通して確認できるので、間違いなく写っているようです。
標高データを元に自作した下D図とも照らし合わせてみてください。(※向きに注意!地図上方向に相当する北極方向は、撮影画像の上方向から右回りに約33°傾いてます。)マリネリス峡谷は影の中ですが、ノクティス迷路あたりは明暗境界近くに暗く見えています。タルシス三山あたりはやや白っぽい色なので、雲が発生していることも分かりました。わずか20cmのたいしたことない望遠鏡でも、空の条件が良ければここまで解像するんですね。ビックリしました。約三ヶ月後の地球最接近時はいまの1.7倍まで大きくなります。また2027年2月20日の小接近(地球接近のなかで一番遠いケース)でも、今の火星よりは1.4倍近く大きく見えます。
参考:
アーカイブ「火星の地球接近」






