月とプレアデス星団が宵空でおしゃべり2026/03/23

20260323月とプレアデス星団の接近
月とプレアデス星団は一昨年2024年ごろから接近や掩蔽を繰り返していますが、今夜(23日宵)も大接近しました。

日本経緯度原点(東京)計算では19:02の最接近時に離角0.93°。この時刻や離角は地方によって差があるものの、概ね宵のいちばん良い時間に最接近してくれました。月軌道のブレによって約18.6年周期で接近時期と遠ざかる時期が繰り返されます。

接近する時期はまず星団の南から少しずつ月が近づき→接近のたびに離角が近くなり(〜2024年)→ついに掩蔽期(2025年ごろ)→そして北へ少し離れ(いまココ)→また南下を始めて掩蔽が頻発(2027〜2028年ごろ)→やがて南へ離れて(2029年〜)近づかなくなります。今年〜2028年の接近掩蔽を見逃すと、次は2043年からの4、5年間まで待つことになるでしょう(右下図参照)。

月とM45の接近時最小離角
左上画像は23日19:10過ぎ、ほぼ最接近時の撮影。ブランケット5段階×2種をいったんHDR合成、ブログ用にSDRへ戻したものです。なんとか明るいところが完全白飛びせずに済みました。プレアデス星団のほうも七人姉妹とお父さんアトラス、お母さんプレイオネまでしっかり写ってます。そう言えばお嬢さん方は月の女神アルテミスの侍女でしたね。月とプレアデスたちは今でも仲良くおしゃべりを楽しんでいるでしょうか。

今年は10月1日未明に両天体が大接近します。これまた南中するころで空高く、最高の条件で見えるでしょう。更に11月24日19時台にも接近。このころには北に離れていた月が南下して星団の一部を掩蔽しますから、今年一年しっかり観ていると星団と月との位置関係を確実に理解できますよ。

プレアデス星団は黄道座標系で測ると黄緯が4°前後あります。月の黄緯はだいたいプラス5.1°からマイナス5.1°まで振れますから、「月がプレアデス星団付近で黄道から北に離れる(太陽と天の赤道の関係で言うと夏至に相当)=Major Lunar Standstillを迎えるころに星団掩蔽が起こる」と言えるでしょう。反対に黄緯がマイナス4.5°のアンタレスが掩蔽されるのは「月がアンタレス付近で黄道から南に離れる(太陽と天の赤道の関係で言うと冬至に相当)=Minor Lunar Standstillを迎えるころ」と言えます。回りくどい表現ですが、この月のブレによって様々な現象時期がほどよく分布し、私たちを楽しませてくれるのです。本当に自然って良くできているなあと感じます。

【月とすばるの接近/2022-2060年/日本経緯度原点】
最小離隔日時(JST)M45・月離角(°角)月高度(°)太陽高度(°)月齢
2022-11-10 00:30:02-2.7975.86-66.3615.20
2023-01-30 19:19:42-2.4675.41-27.338.56
2023-10-31 01:08:47-1.2377.15-58.0415.93
2023-12-24 17:19:57-1.5636.45-9.5211.37
2024-01-21 00:47:19-1.0321.98-70.289.16
2024-12-14 04:13:46-0.2010.68-29.3912.54
2025-03-05 23:27:100.244.26-59.595.57
2025-08-17 00:12:490.2218.69-40.3922.83
2025-11-07 00:49:230.6277.85-62.8916.14
2025-12-31 23:38:560.7551.88-77.3411.54
2026-03-23 19:01:590.9342.71-14.354.36
2026-10-01 02:43:030.9079.28-34.9819.59
2026-11-24 19:31:260.4240.99-36.5915.15
2027-01-18 17:02:120.7554.87-2.4710.49
2027-07-29 00:29:160.227.23-34.5324.52
2027-10-18 19:09:49-0.137.49-26.5718.32
2027-11-15 05:16:580.1521.24-12.2316.28
2028-01-09 01:31:260.2823.13-63.7411.85
2028-07-18 04:24:59-0.2645.44-3.3125.04
2028-10-08 03:03:57-0.5175.07-32.4818.99
2028-12-29 01:44:31-0.7328.07-60.9112.61
2029-02-21 18:50:55-0.8067.54-17.437.97
2029-07-08 02:40:22-1.6915.33-18.7225.58
2029-09-28 03:21:11-1.8476.24-27.2719.32
2029-12-18 22:20:54-2.0274.07-69.3312.94
2030-03-10 22:37:23-2.758.33-54.006.29
2041-10-13 04:48:26-2.0452.37-12.4017.46
2041-12-07 00:44:06-2.0558.01-69.6412.92
2042-02-26 19:18:46-1.4758.71-22.216.11
2042-09-06 02:06:15-1.0156.04-35.5120.96
2042-10-30 19:44:57-1.2122.55-36.3816.36
2042-12-24 17:03:23-1.0733.62-6.3911.73
2043-01-21 02:23:03-0.663.77-53.459.44
2043-07-04 02:26:28-0.639.99-20.1226.29
2043-09-23 20:45:31-0.246.85-37.2619.94
2044-02-07 22:23:190.6337.39-61.128.39
2044-04-29 18:26:340.4820.26-0.921.57
2044-11-07 01:48:390.7668.86-52.6216.72
2044-12-31 23:54:580.8648.62-77.1512.25
2045-03-23 22:19:400.724.09-47.734.84
2045-10-01 03:44:400.8574.21-23.2519.72
2045-12-22 04:26:320.423.20-27.7113.32
2046-02-14 23:24:180.6619.47-66.148.64
2046-08-25 00:00:080.0421.93-43.2822.19
2046-11-14 18:38:16-0.4321.68-25.1015.93
2046-12-12 04:35:55-0.258.49-24.6513.91
2047-02-04 21:52:57-0.0045.59-56.599.47
2047-04-27 18:39:54-0.6819.24-3.922.21
2047-11-04 18:13:55-1.618.30-18.7916.24
2047-12-02 02:12:21-1.2144.49-52.1714.18
2048-08-30 23:39:40-2.5821.00-45.7420.86
2048-11-20 23:54:24-2.6775.15-73.1414.43
2049-02-10 19:01:30-2.9171.73-21.547.87
2060-01-13 21:42:37-2.8864.50-58.919.84
2060-10-13 01:30:20-1.5974.97-50.4918.03
最小離隔日時(JST)M45・月離角(°角)月高度(°)太陽高度(°)月齢

  • 自作プログラムによる計算です。
  • 最接近瞬時の離角が3°角以内、太陽高度が0°以下、月高度が0°以上、太陽から20°以上離れたところで起こるケースのみをピックアップしました。(※観察地は日本経緯度原点の設定なので、観測地が東京から離れるほど位置も時刻も少しずれます。)
  • 離角にマイナスがついているのは、月が星団より南側に離れていることを表します。プラスは北側です。(この表のみのローカルルール。)
  • 上の条件にこだわらなければ、この表以外にも「近くに見える」というチャンスはたくさんあります。


コメント

トラックバック