昨夕の月、トモエゴゼン発見のPSNも2024/01/16

20240115_05328月
昨宵も良く晴れましたが、強い風は収まりません。風速6-7m/sあって望遠鏡での撮影には不向きでしたが、一か八か風の弱いところで撮影・観察できるかもと機材を組み立てました。風が少しでも弱まるよう、壁に近い陣取りです。

左画像は15日17:50頃の撮影で、太陽黄経差は約53.28°、撮影高度は約33.95°、月齢は3.87。風のブレはともかく、ひと晩前より若干シーイングが良かったことに助けられました。ちなみに私はほとんどの月面撮影をつきっきりでガイドしてます。またいつでもキャプチャを一時停止できるよう、ポーズボタンに指をかけています。急なシーイング乱調や一時的な雲の通過などは動画撮影を止めることなく、ポーズでやり過ごすのです。昨夜の強風もこれで切り抜けました。ですからオートガイドに丸投げしている星野撮影と大きく異なり、非常に緊張した時間となります。いつの日か月面クレーターを認識して正確にガイドしてくれる装置が発明されて欲しい…。

…おっと、脱線しました。月面はジャンセン、グーテンベルグ、アトラス付近まで明暗境界が移動しています。タルンティウスもすっかり朝ですね。南東リムにはフンボルトも見えてきました。あまり注目されないけれど、欠け際に見えるネアンデル付近のゴツゴツした様子も面白い。ここの影側にピッコロミニがあり、アルタイ断崖へ繋がります。赤点線円はキリルスの位置。このなかに極小クレーター「シオリ」があって、今週末(19日24時過ぎ=20日0時過ぎ)に小型月着陸実証機SLIMが着陸予定です。


20240116_AT2024acn by Tomo-e Gozen
さて、夜中近くになって星仲間の(の)さんの情報に気付きました。東京大学・木曽観測所の105mmシュミット望遠鏡「Tomo-e Gozen」が超新星候補天体「AT2024acn」を見つけたというのです。ざっと調べた範囲ですと現行のトモエゴゼン(84台CMOSセンサー)によるPSN発見は初めてかも?(※少し前の広視野CCD時代は20個以上の発見があるようです。)

発見は14日4:30ごろ、しし座の非常に暗い銀河で、PSNの明るさは17.57等とのこと。昨夜から今朝は良い天気だったので写せるかもと思い、急きょ夜半過ぎから望遠鏡を向けてみました(右画像)。該当位置にある銀河は暗過ぎて写りませんが、暗く青白いPSNが写りました。想像よりちょっと明るい感じです。トモエゴゼンは分光もできるはずですが、さすがに発見→即分光、と言う訳には行かないようです。

超広視野かつ超高解像度、動画記録までできてしまうのですから敵いませんね。本格稼働となるとアマチュア超新星捜索家たちはたまったものではないでしょう。これも時代の流れでしょうか。

【追記】京都大学・せいめい望遠鏡などの分光によりType-2の超新星と分かりました。トモエゴゼンとせいめい(巴御前、安倍晴明)のジャパン・コラボ!

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